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学院祭のダンスパーティ1


 マリアンヌは、魅了したお金持ちの男子生徒達からかなりの大金を貢がせ、自分好みの豪華なドレスを作った。

『聖パラ』のゲームでは、その時に一番好感度が高い攻略対象からドレスを贈られるのだけれど、今回はそれが無い。

攻略対象から贈られるドレスは相手によってデザインが全く違ったので、この人を選ぶとどんなドレスだろうとゲームでは毎回はワクワクしたけれど、今回はバグっているのだから仕方ないと諦め、その代わりに自分好みのドレスを作った。


豊満な胸を強調するために大きく胸元が開いた濃いピンクのドレス。

ノースリーブで腰には大きなリボンを飾り、裾までの長いスカートはふんわりと膨らんでいる。

可愛らしさを強調するためにフリルをたっぷりあちこちに付け、フリルの間には白いバラの造花もたくさんちりばめさせた。造花の真ん中にはクリスタルガラス。

本当はダイヤモンドを使いたかったけれど、さすがにそこまでお金が無かった。

首元と手首にはお金持ちの子爵令息から借りたダイヤモンドの宝飾品が煌めく。これは彼の母親の持ち物で、貸してといっても許可されないのがわかっていたため、こっそりと持ち出してもらったもの。今日は学院祭が開かれているので貴族達のパーティは無い。つまり、1日くらい宝石箱から見えなくても問題ないはずだった。

髪型だけは、ゲームで見たヒロインらしく、ハーフサイドアップにしてドレスよりやや濃いピンク色サテンの大きなリボンを結んでいる。

フリルと造花のお陰でドレスがずっしりと重く、歩きにくくなったのは計算外だけれど、きっと人形のように可愛らしく見えるはず。と、マリアンヌはニヤニヤ笑っていた。





 夕方、ダンスパーティが生徒会長のウィリアム王太子の宣言で開始されると、王立楽団の演奏が軽やかで明るい曲を奏で、生徒達がカップル同士で踊り始める。

ホールの隅にはビュッフェもあり、食べながら会話を楽しむ生徒も見える。


パーティが始まってほどなく、マリアンヌは自分の取り巻きを後ろに従え、ホール正面の少し高くなっている壇へ向かって歩き出した。

普段短いスカートを着ている彼女にとっては、ドレスの裾が足にまとわりついて歩きにくい。特に、たっぷりと飾ってもらったフリルと造花のお陰で重さも影響しているだろう。

歩くのにストレスを感じ、いらいらした気持ちをぶつけるかのように

「邪魔よ。どいて!」

とダンスに興じているカップルを何組か突き飛ばしながら向かえば、壇上では生徒会メンバーが驚いた顔をしてマリアンヌを見ていた。



「王太子殿下に申し上げます!」

マリアンヌの大声に、ホールで踊っていた生徒達も、何事?と注目をする。


「…グロー嬢か。何かな?」

ウィリアムが眉をひそめながらも、穏やかな声で聴き返す。

「ああ、皆。こちらを気にしないで、ダンスを楽しんでくれる?」

ホールで足を止めている生徒達への気遣いを忘れずに。


マリアンヌは他の生徒達のことは全く無視して、言葉を続ける。


「王太子殿下に目を覚ましてほしいと思って来ました!」

「は?」


マリアンヌが勝ち誇ったような笑顔を見せて、びしっとウィリアムの隣に立っているロザモンドを指さす。


「ロザモンド様は王太子殿下の婚約者としてふさわしくありません!婚約を破棄すべきです!!」


その瞬間、王立楽団の演奏がぴたっと止まった。

踊っていた生徒達もその場に立ち尽くす。



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