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ウィリアムの反省(ウィリアムSide)

「あなたはっ。ロザモンドを窒息死させたいの!?」


 急に自分の腕の中のロザモンドが脱力しぐったりと体重が腕にかかるのを感じて、はっとしてロザモンドの顔を覗き込んだら、彼女は意識を失っていた。

真っ青になって、ロザモンドの名前を呼んだけれど答えが返ってこなくて。

隣室で待っている母王妃のところに助けを求めに飛んでいけば、母と侍女長が王宮医師を呼び、その間にわたしはロザモンドを客室のベッドに寝かせるように指示され、ちょっとした騒ぎになった。


駆け付けた医師から「呼吸困難による気絶」だと言われ、「相当疲労が溜まっているため倒れるのが早かった」という診断を受けた。

「ゆっくり静養されれば問題ありません。」

安堵のため息をつくも、医師が退室するが早いか、母王妃にすごい剣幕で叱られた。


「…でもまあ。安心したわ。」

「母上?」

「あなたは完璧な王太子だと思っていたから。そうでなくて年頃の男の子だとわかって安心したわ。」


母がニコリと微笑む。


「でもね。ロザモンドも王太子の婚約者である前に、一人の女の子ですからね?」

「わかっています。母上。今回は私の落ち度です。」


満足そうにうなずいた母は、ロザモンドの実家のオルレアン公爵に今夜は彼女を王宮で預かると連絡しなくては。と出ていきながら、

「病人を襲うほど愚か者ではありませんよね?一応、侍女を部屋に残しますからね。」

と釘を刺していった。




 ベッドの上で眠っているロザモンドを見れば、ぎゅっと胸が締め付けられた。

青い顔をしている…。

泣いたので目元が少し腫れ、目の下には隈がうっすらできている。きっと、最近は夜も眠れていなかったんだろう。

わたしが、彼女を傷つけた…。

その罪悪感とともに、我ながら腹黒いと思わないではないけれど、喜んでいる自分を自覚する。

ロザモンドはあの二人に嫉妬するほど、わたしを好きなんだとわかったから。

眠れなくなるほどに、感情を制するのが上手な彼女が大泣きするほどに。


「ローズ。ごめんね。でも、愛してるよ。君だけを。離すもんか。絶対に。」

彼女の耳元でつぶやく。



ローズにあの2人と関わるなと告げたとき、わざとイザベラとマリアンヌにも聞こえるようにした。あの2人を油断させるために。

イザベラはマリアンヌを押しのけて自分が王太子(わたし)の婚約者になりたがっていたし、マリアンヌもなぜか、わたしがローズを嫌いになって彼女を愛するようになると信じ込んでいたから。

…絶対にありえないのに。


あの愚かで醜い2人を知れば知るほど、ローズの美しさ、優しさ、気高さが光り輝く。

さっさとこの憂鬱な調査を終わらせてローズとまた元通りに過ごしたいと何度も思った。

ローズがこんなに傷ついてしまうなんて思わなくて。

ローズなら大丈夫と信じ込んでいて。


でも、もうこんな間違いはしない。

…順番を間違えてはいけないんだ。

ローズをもっと信じよう。

関わらせたくないならちゃんと説明しよう。全部を話さなくても、彼女は聡明なんだからきっと理解してくれる。

そして。自分を信じてちゃんと待っていてくれる…。


ねえ。ローズ。そうでしょう?

君はわたしの半身。

わたしと一生を共に過ごす魂の片割れなのだから…。



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