第十五話【呪いの行方】
「とりあえず話を続けるね……」
「……お前が一体、何を祈ったのかは知らない。だけど、結果として村人の呪いが解けたんだ。……そして俺の呪いも、もうすぐ解けるだろう」
『…………』
ミクはただ黙って、マサキの話を聞いている。
それを見て、マサキは言葉を続けた。
「……それでも、呪いがなくなったわけじゃないんだよ……。全て、お前が受けたんだ……」
『……そっか。でもこれで、マサキも村の人たちも、自由に生きることができる。呪いに縛られることもなく、ね……。私がどうなっても、それは変わらない。それなら、呪いが解けたのは悪いことじゃない……』
そう言ってミクは嬉しそうに笑った。
自分がこれからどうなるのかも分からないのに、強がりでもなく、笑っていた。
「……だから俺は、お前が許せないんだ。……聞いた話ではこれからお前は、この世界をその姿で漂うことになるらしい。《霊感》を持つ人じゃないと、視ることも関わることも出来ないんだ……」
『……どうしてマサキはそんなことを知ってるの……? らしい、って、一体誰に聞いたの……?』
「……昔も、同じようなことがあったらしい……」
「……マサキが小さい頃から一緒にいた《霊》も、元は《審判》の力を持っていて、今のミクのように他の人の呪いを自分に集めて死んだ『鬼』だったの……」
「……なるほど。メッセンジャー、ってわけか……」
「うん……。……まぁ、間違ってはいないけどさ……。さて、と……。続けましょうか……?」