第十四話【解けた呪い】
「じゃ、続けるね」
『……えっと。私、何かしたかな……?』
ミクは不安そうに言って首を傾げた。
それを見たマサキは少しだけ冷静になって、言った。
「……お前は、村人の呪いを解いてしまったんだよ……。俺の呪いも含めてな……。だから力が……」
『でもっ! ……でも、私が、みんなに呪いを……。それに、みんな角を……』
「そうだ……。確かに村人に角は生えたよ……。でも、それだけだ……。何の力も持っていない……」
マサキはそれだけ言うと、うつ向いてしまった……。
ミクからすればマサキの言葉は意味が分からなかった。
もし本当に呪いが解けたのなら、それは喜ぶことじゃないのだろうか……?
『それなら、良いことなんじゃないの? なんで怒るのか、分からないよ……』
「……呪いはあれだけの人数で解けるほど軽いものじゃない。何世代にも渡ってやっと解けるかどうかというくらいに重いモノだ。……昔滅ぼされた『鬼』達のようにな……」
「……昔、村人に滅ぼされた『鬼』一族は、12、13代目だったの。……それでも呪いは解ける気配もなかった……」
「そういえば、そいつらの呪いも受け継いだんだよな……?」
「うん。だから、普通なら解けるなんておかしいほど重い罪を背負っているの……。それなのに……」
「村人の呪いは解けてしまった……。いや、マサキの言葉を使えば、ミクが解いてしまった……」
「そう。……予想ついてるみたいだけど、とりあえず話を続けるね……」