第十三話【失われる力】
「……それじゃ、正解発表を兼ねて、続けよっか……?」
マサキは、今にも消えようとしている《霊感》の力を使って、この1ヵ月間、ミクの《霊》を探していた。
聞きたいことが山ほどあったから……。
村を中心にして円を描くように範囲を広げて探していたマサキは、森の中心辺りで小屋を見付けた。
それは、ミクが住んでいた小屋だった。
……ミクはここにいる。
そんな不思議な確信を持って、ドアを開けた……。
「……その中は薄暗くて、目が慣れるまで時間がかかった。そして慣れてくると、思った通り、ミクの《霊》がふよふよと浮かんでいたの……」
『……あれ? なんでマサキがいるの?』
ふと気付いたように、ミクはマサキに声を掛けた。
声といっても、テレパシーみたいなモノだけど……。
「なんで……。なんで力を奪うんだっ! なんでそんなこと……」
『……あはは。そんなに怒って、マサキらしくないよ……?』
「ふざけんなっ! そんなことは言われなくても分かってるよ! でもな……。許せないんだよ、お前が!!」
そこまで一気に言い切って、軽く深呼吸をしながらミクの言葉を待った……。
「……《霊》は未練があるからこの世界に残るんだ、って聞いたことない?」
「……あぁ。確かに聞いたことあるな、そんな話……」
「うん。まぁ、そんな感じだよ」
「……ミクに未練がある、と……?」
「そうだね。……うん。じゃ、続けるね」