第十二話【開かれた未来】
「それじゃあ、後日談と行きましょうか」
……ミクが、死んだ。
《儀式》が終わるとすぐに倒れ、回復することなく、3日後に息を引き取った……。
その間に村人の中にも、呪いに順応出来ずに死ぬ者が続出し、村は一時的な混乱状態に陥った。
村長もその状況をどうすることも出来ず、ただ黙って、成り行きを見ていることしか出来なかった。
そして、《儀式》が終わって1ヵ月が経った頃、ようやく村人も落ち着きを取り戻して、何事もなかったかのようにそれぞれの日常に戻っていった。『鬼』に変わったことを除いては……。
「……元々、ミクの《審判》の力は、罪を受けるかどうかを選択させるための1つの手段だったの……。だから、その役目を終えたミクは、死んでしまうのが決まっていたのよ……」
「……ミクはそのことを知っていたのか……?」
「知っていたわ。マサキから聞かされてね……」
「……そっか。知ってて……。ところで、マサキはどうなったんだ?」
「マサキ? マサキはね……」
マサキの持つ力は、《儀式》が終わってから弱くなる一方だったのだ。そして、異変はそれだけじゃなく、『鬼』になったはずの村人たちにも、力が現れなかったのである……。
「……ねぇ。『鬼』は、自分達が《罪人》だということを覚えておくために、力が必要だったというのは、話したよね……?」
「あぁ、言ってたな……」
「それなのに、『鬼』になった村人に力が現れないというのは、どうしてだと思う?」
「……その必要がなくなった、とか?」
「……それじゃ、正解発表を兼ねて、続けよっか……?」