第十話【《審判》の力】
「《儀式》というのはね……」
「お前の力である《審判》は、その言葉通りの力を持っているらしい。……生か死か。生を選べばこの世界で呪いに苦しむことになり、死を選べば死んだ後に罰を受けることになる。……その選択を迫るための力が、お前の持つ《審判》という力だ……」
そこまで言ったとき、村人を集めるために出ていた男の人が戻ってきて、広場に村人を集め終わったことを告げた……。
「……広場に向かう間にマサキはミクに《儀式》のやり方を教えて、広場の近くにある小屋で衣装に着替えてから舞台に立ったの……」
……事前に説明されてはいたが、死んだはずのミクとマサキが実際に前に出てくると、村人たちは戸惑い、ざわめきだした。
「……さっき説明されたと思うが、これから《儀式》を始める! 反論はないな?」
そんなざわめきの中、村長の声が周囲に響き渡った。
それと共に、ゆっくりと声がなくなって、静けさが一帯を包んだ。
「……さぁ、準備は整ったぞ」
村長のその言葉にマサキは頷いてミクに視線を向けた。
「……やり方はさっき話した通りだ。お前はただ、祈れば良い」
お前の想いが《審判》の力になる。安心して使え。そう言ったマサキの言葉を信じて、ミクは目を瞑って祈った……。
「……《審判》は確かにミクの力だけど、彼女が1人で扱えるような力じゃないの」
「……それじゃあ、今までミクが関わった動物が死んだっていうのは……」
「うん。……多分、力の暴走だったと思うよ……」
「そうか。……それじゃ、《儀式》はどうなったんだ? 力を制御できないんだろ? 大丈夫なのか?」
「そうだね。それじゃあ、続けよっか」