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9日目 エンペラー・ドラゴンのエンちゃんことエル

 「ホォ・・・天界で神様を踏んづけたせいで天使に追われ、慌てて別の異世界へと飛んだ先が我の背中だったと?それゆえ貴様らは、誇り高きエンペラー・ドラゴンの背に乗っていると?そういうことか?」


 「そうなんだよー。悪気はなかったんだよー。というか何回説明するんだよー。・・・ドラゴンなんて俺達の世界にはいないからさ〜、光栄だけど。ありがとね!」


 「す、すまぬ、エンペラー殿。どうか気を沈めて貰えると助かるのじゃ・・・このアホゥの言う通り偶然とはいえ、誇りに傷をつけたのであれば本当に申し訳なかったのじゃ。」


 「ふふっ、お嬢様。エンペラー様は怒っておられるようには見えませんよ。もし怒っておられるなら、お二人が現実逃避している間に振り落とされていたでしょうから。」


 「そうだよな、助かったよエンちゃん!!少し落ち着く時間が欲しかったんだ!」


 「フム・・・我の名はエルであり、エンペラードラゴンは種族の名であるのだが・・・まぁ良い。我も人を見たのは久方ぶりだ。数千年、、、数万年ぶりか。まだ人がおったのかと驚いたのだが・・・よもや異世界から来たとはな。」


 「えっ、人類いない感じなの??というか滅んじゃった感じ?」


 「滅んだ訳ではない。とある理由により、違う次元へと住処を変えたのだ。・・・ここの話はもうよい。我も全ては語れぬ。それより人探しと言っておったが、残念ながらここにはおるまい。勇者召喚など必要のない場所だ。」


 「何か事情があるようじゃな。それならこれ以上、詮索するのはよすのじゃ。それにエル殿の言う通り、この世界にお父様達はおりそうにない。せっかくじゃが次の世界へと旅立つしかなさそうじゃな。」


 「えぇー!?ドラゴンの世界だぞ?そんな急がなくてもいいじゃん!ちょっと遊んでからでもさ!」


 「むっ、、、私を見て回りたい気持ちはあるのじゃが・・・人がおらぬとなれば宿もないじゃろう?そろそろ休みたいのじゃ」


 「宿はないが休めるところならある。急いでいないのなら連れて行ってやろう。若い世代は人を見た事がない。喜ぶはずだ。」


 「ほら!エンちゃんも言ってる事だしさ!恩返しって事で、もうちょっとお世話になろうよ!」


 「恩返しでお世話になるのはおかしいじゃろう!?・・・しかし、ありがたい提案であるのも確かなのじゃ。、、エル殿、申し訳ないがお世話になるのじゃ。はやく寝たいのじゃ。」


 「お嬢様、本音がダダ漏れでございます。話も纏まりましたし、それではエンペラードラゴンのエンちゃんことエル様。宜しくお願い致します。」


 「うむ。それでは我が城へ案内しよう。・・・それまでに我の呼び名を纏めとけ。」


 「城!?エンちゃんお偉いさん!?」






「着いたぞ。ここが我が、エルバリニアスシルバニアユールフルートブルーハワイアンメンママシマシ城、通称 ドラゴンの里だ。」


 「メンママシマシ!?というか城って感じ全くないじゃん!確かに里だよ!一気に安っぽくなってる!どういうセンスしてんの!?」


 「我が古き友が名付けたのだ。貴様らと同じ、ククッ、人がつけた名だ。センスが安っぽい・・・フハッ、、、本当の城は奥に進めばある。ここはまだ入り口だ。どうせなら、皆に見せたいと思ってな。」


 「なんだよ急に笑い出して・・・ドラゴンのツボは変なところにあるんだな、、まぁいいけど。それで見渡す限りに、山くらいある大きな建物とドラゴンがいるんだけどさ。エンちゃんはここのボスって事?」


 「我の呼び名はエンちゃんになったのか。あだ名を付けられるというのも久方ぶりだ、悪くない。・・・我は姫と呼ばれておる。あえてボスというのなれば、それは我が父と母だな。」


 「エンちゃん、お姫様だったの!?何万年も生きてるって・・・もぅおばあちゃ、、、ストップ!!!口に光を集めるのはやめてー!!!ドラゴン達も皆避難してるから!お姫様!?里が壊れちゃうよ!?」


 「・・・二度目は無い。ドラゴンは長寿なのだ。人の感覚とは違うのだ。・・・分かったか。」


 「分かった!分かったから!可愛いじゃん!オバ姫ちゃま!!ゆるキャラみたいでいーと思う!!」


 『ボコッ』


 「異世界でもそれかお前はー!!!!すまぬ、エン殿!こいつは口を開けばこうなのじゃ!後で私がキツく言っておくのじゃ!だからブレスはやめて欲しいのじゃ!」


 「・・・そいつを見ていると我が古き友を思い出す・・・思い出す必要もないのだが。・・・よかろう。ルカ嬢に免じて許してやる。これは貸しだ。いつか返して貰うからな。」


 「ありがとうなのじゃ!!!このバカの言う事は放っておくのが一番なのじゃ!時間の無駄でしかないのじゃ!」


 「それはいいすぎだろ!!?ルカだって


 「どうやら、そのようだな。・・・視線を集めるためのパフォーマンスだ、我が民よ。見知らぬモノに怯えずともよい。今日は珍しく客を連れて来た・・・紹介しよう、人間と魔族・・・今や見る事の出来なくなった『人』である」


 話をさえぎるなよ!!平然と嘘ついてるし!しかも怯えてたのはエンちゃんのブレスにだろ!!」

 

 「・・・あっ、どうも!ドラゴンの皆さん!俺が紹介にあずかりました人こと、異世界の人間です!今日はお世話になります!」


 「なんじゃその挨拶は・・・(ワタクシ)は、異世界で魔王をしているルカと申します。今日はエル姫様のご縁でドラゴンの里へと寄らせて頂く事になりました。皆様、どうぞ宜しくお願い申し上げます。」


 「うっわぁ、良い子ぶりすぎだろ、ルカ。選挙演説じゃないんだからさ。・・・ご通行中のみなさま〜どうぞ〜どうぞルカを〜ルカを宜しくお願い申し上げます〜、ってか?うるさいんだよ。迷惑な魔王め。」


 「私はそんな事、したことないわ!!!というか人間も世襲制じゃろうが!なんの演説じゃ!!!」


 「町内のまとめ役とかあるじゃん?あれ、夜に仕事して昼に寝てる人に迷惑だと思うんだよね。夜勤した事ないから分かんないけど。」


 「憶測でモノを言うな!!!・・・しかし確かに迷惑そうじゃな・・・帰ったら一度、民の言葉を聞いてみるべきかも知れぬ。」


 「・・・もう良いか?流石に我が民も固まっておるのだが。・・・皆の者、見てわかる通り悪い奴らではない。少々、いや、かなり騒がしいが宜しく頼む。」


 「・・・・・ウォォォオオ!!!!!!人だー!本物の人だぞー!ー!!!!何だ今のやり取りは!!!??人って想像よりオモシレェんだなーー!!!!」


 「歓迎歓迎大歓迎ーーー!!!!可愛い夫婦だな〜!まだ子供じゃないか!ハハハハ!!!もっと見せてくれよ夫婦漫才!なっつかしいなぁー!!!」


 「ふ、夫婦ではなーい!!!!私達は共に旅をしよるだけじゃ!!!そのような関係ではないのじゃ!!!」


 「えっ、、、遊びだったの!?俺の事は遊びだったの!?・・・あんな事までしておいて、、、もうお嫁にいけない。」


 「誤解を招くような事を言うなー!!!私が何をしたって言うんじゃ!?むしろ裸を見られたのは私の方じゃし、お嫁にいくのも私の方じゃろうがぁー!!!!」


 「人前、、ドラゴン前で何言ってんのルカさん?ちょっと落ち着かないと後で爆発しても知らないよ?」


 「なっ、あっ、、『ボフンッ』・・・・・」


 「え〜、相方が爆発した為、ここらでご挨拶を終わらせていただきます。て事で、ドラゴンのみんなー、短い間だけどよろしくねー!!!」


 「「「「「よろしくー!!!!」」」」」


 「問題はなさそうだな・・・我は少しこの里のまとめ役に話がある。少し、そこで待っておれ。」


 「了解ー!適当にドラゴン達と遊んどく!」


 「・・・わ、私が監視しておる。安心して用を済ませてくるのじゃ。」


 「何も安心できぬが。ほんの少しだ。大人しくしておれ。それでは行ってくる。」


 「はいよー!いってらっしゃーい!」


 「なんで安心できんのじゃ!!・・・おぉい!なんで数秒目を離しただけで、そうなるんじゃー!何をしとるんじゃ!」


 「ヒャッホォーゥ!!!見たら分かるだろー!ドラゴンハウスの屋根すっげーー!!さいっこうの滑り台じゃーん!!!!」


 「大人しくしとれと言われただろうがー!!こらー!待て!ドラゴンの皆も笑ってる場合じゃないであろう!?自分の家であんな事されて良いのか!?」


 「大丈夫大丈夫!どの屋根も俺らドラゴンが止まっても潰れた事ないから!むしろ、羨ましいくらいだ!俺もあんな長い滑り台、滑ってみたいぜー!!!」


 「ヒャッフー!!!ルカもやってみろって最高だぜー!!!」


 「そうだよ!魔王の嬢ちゃんもやってきなって!!!こんな機会なかなかないだろ?」


 「・・・私も良いのか??実は少し、楽しそうじゃと思っておったんじゃ・・・ありがとうドラゴン達よ!いってくるのじゃ!!」


 「おう、行ってこい行ってこい!!!ガハハハ、人って思ってたより楽しい生き物なんだな!!!!」

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