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第三話 『洞窟ってこえぇ〜』

 "感想を獲得しました"


「!!」


 きた!きた!やっぱり洞窟でよかった!これ山とかなら絶対こなかった!命はかけてみるもんだな!


 ありがとう、心優しきオタクよ。さて、早速…


「感想表示!」




 《面白そうなんで、コメントさせてもらいます。

 相手が狼ならば群れの可能性アリ

 調べてみたら、目を合わせない(敵意があると思われないため)背を向けない(追いかけられたり、横から攻撃される可能性アリ)後は自分を大きく見せる、石や岩を投げつける、狼に向かって大きな声で叫ぶ…がありますけど、異世界かつ巨大な狼だと通用するかは分かりません。

 まぁ、強く生きてみてください…

 投稿者: 夜鴉

 18歳~22歳 ----

 2022年 03月26日 15時35分》




 ある程度の文量があるのに、読まずとも一瞬で脳みそが理解する。なるほど、これも能力の一つなのか。そりゃあ読んでる途中で攻撃されたら最悪だもんな。便利だ。


 それにしてもこの感想、非常に優秀だ!あだ名はグーグルでいいんじゃないか?今日からアンタはグーグルを名乗れ!ありがてぇ!


「よく考えてみれば、襲うんなら能力発動前に俺のこと殺してるよな…目を合わせなくてよかった……」


 俺はゆっくりと退く。後ろは行き止まりだから、とりあえず壁に背をつけよう。そしたら石を投げて追い返してやる…!


 見たところ狼は一匹だけだし、なんとかなるだろ。こんな馬鹿でかいのが群れてたまるか。


 じり、じり、と音を立てて後ろに歩く。しかしその時だった。


「あ」


 後ろにあった岩に踵が当たり、見事後ろに倒れる。

 そういえばこの洞窟、足場が悪かった…。


 背後にあった壁に頭をぶつけ、俺は気絶した。


 ◇


 目が覚めると同時に、鼻に強烈な刺激臭が漂う。身体を即座に起こして周りを見渡すと、そこには骨の山があった。


「これ、まさか、お持ち帰りされたって感じ…?」


 恐らく食料庫のような場所に連れてこられたのだろう。狼は餌をその場で食べるものだと思っていたが、意外とそうでもないのか?


「どこか出口がないかな…」


 狼なんだから鍵だなんて高度な仕掛けは作れないはず。食べられないうちに逃げてしまおう。


 …それにしても広大なスペースだ。


 俺はキョロキョロと辺りを見渡し、歩く。すると、出口とも呼べる大きな穴がひとつ見つかった。


「よし、さっさとトンズラするか」


 出口に向かって歩こうとした俺の足に、何かが当たる。


「ん、これは…」


 ふと足元を見ると、そこにはナイフが落ちていた。恐らくここで食べられた冒険者の遺物だろう。


「……俺の名前デスナイフだし、丁度いいのかもな」


 ナイフを拾い、俺は再び探索を続けようとした。


「グルルルルル………」


 が、一つの足音と共に、狼の唸り声が聞こえてきた。


「おいおい、おいでなすったか」


 先ほど対峙したのと同じく大きい狼。けれど今度は状況が違う。逃げ場は多いし、何より武器を持っている。


 けど戦闘はあくまで最終手段だ。俺は凡人なんだし、早く逃げるのが得策だな。


「……今だ!」


 転がっていた頭蓋骨を拾い、狼に思いっきり投げつける。そして思いっきり逃げ出す。さっき見つけた出口へ一目散だ。


 けれど、俺は絶望することになる。


「「「グルルル………!!!」」」


 出口だと思っていた穴は、同時に入口でもあったのだ。複数の狼がこちらを見据えている。そして俺はさきほど獲得した感想を思い出した。


 《相手が狼ならば群れの可能性アリ》


 さ、最悪だ…最悪のタイミングで群れてやがる。


「逃げ場がない、やるしか…!!」


 俺はさきほど拾ったナイフを強く右手で握る。まずは一番最初に頭蓋骨を投げつけた狼だ。出口側の狼は複数だが、頭蓋骨を投げつけた狼はたったの一匹。


 俺は振り返って自身を追いかけてきていた狼に突撃する。一か八かだ…!


「…これは」


 すると、身体が自然と動く。まるで次にどのような動きをすればいいのか分かるように。


「ガルオオォオォッ!!」


 飛びかかってくる狼を難なくかわし、狼の首もとにナイフを深く刺し込む。


「ウオォオォン……」


 俺はナイフをねじってから引き抜き、倒れ込んだ狼に即座に何回もナイフを刺す。明らかに致命傷で、狼はもう動かない。


 なんで俺は戦えているんだ…?まさか俺の生前がデスナイフ・殺戮の馬場だからか?生前の記憶がまだやんわりと身体に染みているから、この身のこなしができるのか?


「疑問はたくさんあるけど、とりあえずは目の前の狼どもを殺戮しなきゃな…」


 その後は簡単だった。攻撃をかわしては首もとに刺す、その繰り返し。気がつくと5分もしないうちに殺戮は終わっていた。息が少しも上がらない。身体能力がやけに高いのだろう。俺の生前…殺戮の馬場。いったいどんな奴だったんだ…?


「…ふう、やっと異世界らしいことが出来たな」


 さて、ここからどうするか…。


 この骨の山フロアを探索するのもいいが、追っ手のオオカミが来るかもしれん。

 このまま出口に向かい、上の階層を目指すもよし、下の階層を目指すもよし、だな。てか気絶して運ばれてきてるから、今どこにいるかも分からんのよな…。


「せっかくなら能力で意見を聞いてみるか」


 もしかしたら俺が思いつかなかった選択肢を教えてくれるかもしれんしな。


 さて、さっそく…


「能力発動…!」

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― 新着の感想 ―
[一言] グーグルて…まぁ、冒険者の遺物(そこまで古すぎるものでないのなら)があるなら移動できる距離に人がいる可能性が十分にある…とはいえ、異世界定番の魔法やら魔術等がある場合は移動手段も確立されてい…
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