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7.強化合宿開始! 魔の一週間

【あらすじ】

馬車内の会話でリミとカランは仲良くなった。

アーフルとソウは自分たちのいたらない行動で、リミとカランを怒らせ、女性は怒らせたら怖いと心に刻むのだった。

そして強化合宿一日目が開始するのだった。


「全員いるな、では合宿の内容を説明する」


ヴェントは強化合宿の説明を始めた。

まずは三人グループになるようにヴェントたちが決めて、毎日二つのグループが森の奥にある小屋に行ってもらうとういことで、その他の生徒たちはヴェントとスオーロによる実技演習だという。

最後に一言伝えたいとヴェントが口を開いた。


「死ぬな」


ヴェントの一言に生徒たちは不安そうな表情をしていた。

最初はアーフルたちではないグループが森の奥に行くのだった。

演習が始まるが、アーフルはヴェントの一言が気になり、キリヤに喋りかけた。


「死ぬなって、どういうことなんだ?」


「もしかしたら、凶悪な魔物が出るんじゃないのかな」


キリヤの返答にアーフルは、そんなところに行かせることはないだろうと笑って返したが、キリヤは深刻な顔でそうだといいねと返して、演習を再開するのだった。


そして演習も終わり、みんなが旅館へ帰ろうとすると、森の奥から旅館の人たちが六個の担架たんかを運んできた。

なにを運んでいるのかと見たら、森に行った生徒たちが乗っていた。

それを見たアーフルたちはヴェントを問い詰めたが、軽くあしらわれてしまった。


「早くこっちに持ってきて!」


お姉さん?のフラワーとスオーロは治療を始め、ソウとカランとヘリアは医療魔法が使えるので、自分にも何かできないかと尋ねていた。

アーフルたちも何かできないかと模索していた。

それから治療も終わったところで、アーフルたちはフラワーにいつものことなのかと質問した。


「いつものことだけど……、ほんとにもう!」


フラワーは愚痴を吐くように答えて、医療室へ行ってしまった。

そして生徒たちは夕食を食べ始めるのだが、空気は重く暗い雰囲気だった。


「どうなってんだ」


アーフルはキリヤたちと食事をしながらヴェントたちに不信感を抱いていたが、ソウがなだめるようにこういった。


「そんなきにやまんと、自分の時に確かめればええやん」


アーフルは落ちついた様子で納得していた。

生徒たちはヴェントたちに不信感を持ち、暗い雰囲気のまま眠りについたのだった。


そしてニ日目の朝に、小屋に行く人をヴェントが決めるのだが、生徒たちは行きたくないと言い始めた。

それを見たヴェントは、また残念な顔をして話し出した。


「お前たち……、俺が」


「みんな聞いて!」


ヴェントが話を遮るように、一人の少年が立ち上がり喋り始めた。

その少年とは、実力テストの時に真っ先にやめようと言っていた少年だ。

少年はあの時のヴェントの言葉を借りるように語った。


「あの少年だれなん?」


ソウは小声でアーフルに質問し、少年が何故あそこまで言うのかをアーフルは説明した。

そして少年の言葉に感化されたのか、一組の生徒たちはやる気を出していたが、二組の生徒たちはなにがなんだわからない状況だった。

その様子にソウは二組のみんなの前に立ち上がり口を開いた。


「あっちはなんか熱い感じになってるし、こっちもこっちでやってみよや、それに致命傷はなかったから大丈夫と思うで」


ソウは二組のみんなに死ぬ心配はないだろうと元気づけ、なんとなく気合が入ったようだ。

それからアーフルたち以外のふたグループが小屋に行くことになり、また担架たんかに運ばれて帰ってきたが、みんなは落ち着いて対処する様になっていった。


次の日も、次の日も、アーフルたち以外が小屋に行こうとしては担架に運ばれてくるのが続いていた。

そして強化合宿六日目の朝がやってきた。

アーフルたちはまだ呼ばれず残りは四グループとなり、絶対にだれかが小屋に行くことになって、ヴェントがグループ決めを始め、ビータとシスオと少女ともう一つは


「リミ、カラン、ショウだ」


とうとうアーフルの知り合いが小屋に行くことになった。

アーフルはリミに近付き耳元でこう言った。


「気をつけろよ」


アーフルたちの言葉にリミは心配させまいと明るく振る舞っていた。

キリヤもなにかあれば逃げるようにと、心配そうに話しかけていた。


「あんまり無茶すんなよ……」


「わかってる」


ソウはカランに近付き、小声で喋りかけていた。

そしてリミとカランは不安を胸に抱き森の奥にある古屋へ行くのだった。


「あんたは確か、あのときの」


森を歩いている途中、カランが話しかけたのはもう一人のメンバーで、実は二日目にみんなの前で話していた少年で名前はショウだ。


「まあまあかっこよかったよ」


カランはあのときのショウを褒めるようにいった。

それを受けてショウは少しやる気が上がり始めていると、大きい熊に二本のツノが生えた魔物が現れた。


「よーし、やってやるぞ!」


リミとカランは魔物の行動を分析をするために立ち止まっていたが、ショウはおくすることなく1人で突撃していった。

そして一撃で跳ね飛ばされてしまい、尻もちをついて怯えていた。


「どうして……」


当たり前のことだが、ショウの力では魔物に傷をつけるとこは出来ていなかった。

さらに追い討ちをかけるように、魔物はショウに狙いを定めて攻撃を仕掛けてきた。

ショウはその時に、自分は死ぬんだと感じ恐怖や絶望ではなく、今まで自分でも希望や勇気を持って頑張ればなんでもやれると思っていた、自分の浅はかな考えに目を閉じて後悔し涙を流し戦うことを諦めていた。


「なにやってるの!」


「なにやってるんだ!」


ショウが目を開けると、リミとカランが魔物の攻撃を受け止め踏ん張っていた。


「頑張るのはいいけど、ちょっとは考えなさい!」


リミがショウを叱るように言葉を投げかけ、カランにどうするかと質問をしていた。

カランはまだ魔物の力がわからないから、とにかく二人で魔物の力を見極めようと提案した。

リミは了承して、二人で一斉に攻撃を始めた。


「遅いわね」


魔物の攻撃は大振りで全くと言っていいほど当たらないが、パワーは木々を薙ぎ倒すほどだ。

それだけではなく攻撃が当たっても傷が一つもつかないほど皮膚が硬く頑丈だから、こちらの体力が消耗するだけだった。


「一つ提案があるんだけど」


リミが作戦を伝えるとカランが一人で向かっていき、素早い動きで魔物の背後について首に抱きつき拳を使って目を潰した。

魔物が痛みにもがいている隙に、リミが雷を纏い全力の一撃を魔物にぶつけた。

すると魔物は倒れ込んで、起き上がる様子もなく戦闘は終わった。


「今回はうまくいったわ」


リミは雷を纏ったまま倒れることなく立っていた。

そして二人は安心したのかお互いの目を見て微笑んでいた。

カランがリミの雷を纏った状態が不思議に思ったのか話しかけた。


「もしかして、天授てんじゅ?」


リミはこの力は天授てんじゅと言って、少しの間だけ雷を纏って力が向上する代わりに、体力の消耗が激しいため今までは一瞬しかできなかったが、授業のおかげで持続時間が伸びたと説明した。

リミもカランに天授てんじゅが使えないのか聞いたが、使えないが似たようなことはできるといって、ほんの少しだけ不満をぶつけた。


「だいたいそれは、騎士になっても使えない人がいるくらい、すごいんだよ」


リミはキョトンとしていた。

そして二人はあることを思い出して、まだ尻もちをついているショウに近づいていった。


「大丈夫?」


リミが優しく喋りかけ手を差し伸べたが、ショウはその手を握ろうとはせず、ずっと目を見開いていた。

そしてショウは右手をゆっくりあげ、手を掴むと思ったが、リミたちの後ろの方に指をさしていた。

それを見たリミたちが振り返ると、そこには数十人の

人間がこちらに向かっていた。


「なにあれ!」


「普通の人じゃないね」


リミとカランは嫌な予感がしていた。

その予感は的中していて、リミたちに攻撃を仕掛けてきた。

そしてリミとカランとショウによる、多種多様な数十人との戦闘が開始するのだった。



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