Nobody was in the room.
投稿テスト
明日も学校かー、だりぃなー
人気のない駅のホーム。呟きにもならないほどに。
模試を終え、友達とも別れた。やけ気味に食ったラーメンが脳から血を奪い、腹へと送っているのを感じる。
電車が来た。乗る。
最後列の窓際のシートに座り、窓枠に肘をつく。横目で真っ暗な窓を見つめる。瞳に映るのは疲れと蛍光灯の光。
どうせまたいつも通りだ
何も変わらない。何も残らない。時の流れだけは確かに感じる。
ふと、1匹の蜘蛛が目の前をスーッと降りてきた。
いつもなら飛び退いて別のシートに移っていた。しかし何故だろう。興味がわいた。苦手なはずの蜘蛛をまじまじと見つめた。
蜘蛛は何かを吟味するような素振りだったが、窓枠を何周か辿った後、そのまま何処かへ消えてしまった。
蜘蛛は気づかせてくれた。先程まで肘をついていた窓枠にかかれたラクガキ。鋭利なものを連想させるキズで
“Nobody was in the room.”
そう書かれていた。
直訳すれば、「その部屋には誰もいなかった」
何故こんなところにこんなことを書いたのか。
しばらく考えたが、結局何も出てこなかった。
疲れた。
心地よい電車の揺れと共に、目を瞑った。乗客は他にいないようで、聞こえるのはガタンゴトンという聴き慣れた音。ただそれだけ。
ただそれだけであった。
しばらく経った。
強烈な違和感。
先程から、一度も車内アナウンスが流れていない。それどころか、一度も停車した覚えがない。降りる予定である終点の駅に、そろそろ到着してもいい頃だというのに。
後ろを振り返った。車掌室には誰もいない。
眠気が焦りと恐怖に塗り替わった。急いで前の車両に移る。やはり乗客はいない。だが、あくまで「乗客は」のはずだ。他に「誰も」いないはずなどない。
人がいるはずの運転室。だが、
「その部屋には誰もいなかった」
投稿テストにちょうどいいやと思って、なんかあったのを投下します。
実体験をもとにこねったやつですね。にしても、いつ書いたんだろうか。