俺、意外とお金持ち
20分休み
憂鬱である
クラス替えで元と千裕と別れちまったしなー、という悲しい気持ちの俺に一人の友達が現れる
「ねぇねぇ日影」
「なんでぃ、大」
この男は佐藤大、アニオタである。
けど、気持ち悪いアニオタではない。
ちゃんとアニメと現実の違いはついているし。
俺はアニオタを否定する気持ちは全くない、何故なら俺もアニオタだから。(恋愛物しか観ないけど)
俺は恋愛が好きである。これは何も現実に限ったことではない。とゆーかアニメは恋愛というか、ただ単に好きなだけである。
主人公羨ましい、あんなにモテて。
俺は別にモテたいという訳ではないが、ニ次元なら、話は別である。
だって可愛いし、表裏ないし。
「..影殿、日影殿!」
「ん?どうした」
「ちゃんと聞けよー」
「四龍さん、今日だけで3人に告られて、全員振ったらしいぜ」
「しかも全員イケメンで陽キャなんだとよ」
うーん、確かに陽キャがアイツに告る理由は分かる。
顔整ってるし、財閥だし、大人しい。
大人しいは関係ないだろ?と思ったそこの貴方、関係あるんだよそれが。
大人しい系だと、イケメンがグイグイいくと断われないらしい。(聞いた話)
今回も大人しいから行けると思ったんだろ。
けどちゃんと断ったのは、素直に凄いと思う。
まぁ、財閥のお嬢様だから断り方ぐらい教えられてるのかもしれんけど。
すると前の席の陽キャ達が、
「俺、四龍さんにアタックしよっかなー」
「やめとけ、やめとけ、田中でも無理だったんだから」
ちなみに田中というのは3人の中で一番最初に告り振られたイケメンくんである。
あんな毒舌、どこがいいんだが
「ねぇ日影俺も告ろっかな」
「お前もかよっっっ」
俺は少々呆れるのであった
帰り道、今度は正真正銘ボッチな俺は考え事をしていた。
(うーん、今日の打ち合わせどーしよう)
(高校生だから舐められるかもしれんしな、正装で行こっかな)
何をそんなに悩んでいると聞かれたからこう言うだろう
「俺意外とお金持ちなんです!!」
と言うのも実は俺、お金が好きで経済アドバイザーの仕事をしている、
意外と稼いでいて、その資金で念願の一人暮らしをしている。
才能があったのか、今度ある財閥の正式アドバイザーになる事が決定したのだ。
今日はその顔合わせで、今は顔合わせの格好を決めている所である。
家に着き、スーツを着ようとしたら
ピーンポーン
インターホンが鳴った。
「今俺は忙しいちゅうのに」
玄関を開けると、
今日の四龍さんと一緒にいた、黒服の人達が5人ほどいた。
「黒石日影さんですね、旦那様がお呼びです」
「ん????」
扉を閉めようとすると。拉致られた。(黒い車に)
「待って、俺今から、打ち合わせなんだよぉぉぉぉ」
俺の声は寂しく消えていった...
拉致されて、言われるままに行動したらなんか凄い事になった。
まず黒服の人が15人、なんか優しそうだけどボスみたいな人、後、何故か四龍さん。
「君が黒石日影くんだね。娘から話は聞いているよ」
この優しいそうな人は四龍さんの父親か。
「黒石日影って言うのは合ってるんで、帰らせてください」
と言える雰囲気でもなく、
「はい...」
としか言えなかった。
「まぁまぁ、そんな緊張しないで、本題に入ろう。いきなりだけどうちの紅音と付き合ってくれないかな」
(?????????)
静寂が流れる、(え、まじでなにいってんのこの人)
「パパ、なにいってるんですか!?」
四龍さんが言った。
素晴らしいぐらいに同意見である。
後、帰らせて。
「なに、うちの娘は今まで男性に興味なかったのか、自分から男性に話かけると言うのは一回もなかったのだ!!」
「で、今日連絡係から聞いたら、紅音から君に話かけたらしいじゃないか!僕はこう思った。紅音は君の事に恋をした。」
「でも、紅音は男性とあまり喋らないので告白ができない。だから僕が言ったあげようと言うことだ!」
またしても四龍さんが言った。
「だから、誤解ですって!この人がジロジロ見てきたから!」
「紅音恥ずかしがらなくていいんだぞ。そして日影くん!紅音を見ていたと言うことは一目惚れしたんだろう?」
「してません」
「日影くんも恥ずかしがり屋か!」
「という訳で二人には付き合ってもらう!」
「「だーかーら」」
「旦那様、今日打ち合わせが入ってました!」
「あー忘れてた!君達二人で話していてね。」
「俺も今日打ち合わせあるんで帰ります!!」
ここぞと言って僕は言った。
「日影くんはなんの打ち合わせだい?」
「経済アドバイザーに関する打ち合わせです」
「僕も経済アドバイザーとの打ち合わせなんだよ〜!」
嫌な予感がした...
「「.....」」
「いやーまさか君だったとはね!!」
「えぇ、まぁそうですね...」
今、俺の顔はかなり引きつっているだろう
「うーん、計画としては君にはここに住んでもらうつもりでいたから...」
「あ!そうだこの家、紅音と日影くんにあげて、2人きりで住んでもらおうじゃないか!」
「「.......は???」」