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プロローグ

いつもと変わらない帰り道だった。

放課後、幼馴染の早苗と一緒に帰る道。

くだらないことを言い合って、笑いながら帰る。そんな道。

とても楽しくて、とても大切で。

ずっと続くと思ってた。終わりなんて考えたこともなかった。

幸せって、ああいうのを言うんだろうって。

今ならそう、素直に思える。

今なら好きだって、伝えられる。

なくして初めて気づいた、なんて月並みなことしか言えないけどさ。

今更嘆いたって、もう戻れないけどさ。

やっぱり会いたかった。何度も願った。

1目でいい、少しだけ話がしたい。

願ったさ。でもさ.....でもよ。

なにも。

こんな形じゃなくたって。


「あんまりじゃねえか、早苗」


「ごめんね、健斗。」


「死ねよ」


「死んで」


これは、運命に翻弄される少年の物語。

そして、愛ゆえに憎悪する少女の物語。


分かたれた道は交わることは無く、世界を巻き込み、全てを飲み込む。


その様はさながら.....大蛇。


悪魔と呼ばれた少年と、救世主と仰がれた少女の物語。


嗤うのは神か。

微笑むは人か。


火蓋は切られた。


そして。


つまらない、とばかりにため息をこぼす男。


「あぁ、知っている。どれもこれも全て」


「甘美なる破滅を味わいたい。己が身で。」


「ただ、それだけだと言うのに。他はなにも望まないと言うのに」


「なあ、見ているんだろう。知っているんだろう。ならば、終わらせてはくれまいか。早い方がいい。伸ばす意味は無い。だからどうか。頼むから」


「目覚めてはくれないか」


彼の言葉が聞き届けられることは無い。

あるとすれば…そうだね。

連れておいでよ、あの子達。

待ってるからさ。ずっとね。




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