第一章5 『以心伝心』
4話の続きです。
あれから俺は『東亜大学前』という駅に向かい、『有栖川 四都葉』と名乗る少女と共に電車に乗った。
電車といっても、500年前とは全く違う形状になってる...
どうやら空気抵抗をなくすため、真空のガラスの筒の中を走っているようだ。
俺は彼女の隣に腰かける。
(しかし、だ。 高校に行くとは言ったが、高校って何をするんだ?)
俺は電車の窓の外の高層ビル群を見ながら考えた。
ほとんどの時間を戦場で過ごしていたせいもあって、高校がどのような場所かピンとこなかったのである。
そして何故か四都葉は、先ほどからそんな俺にちょくちょく、不思議なものを見ているかのような視線を向けてくる。
最初は気のせいだと思ったがしばらくして確信した。
なるほどな、少しおちょくってやるか―――――
(四都葉はなかなかいいスタイルをしているのに、胸はぺったんこなのだな。)
俺はそう心の中で呟いた。
ちらと隣を見る。
そこには顔を真っ赤にして、きつい目つきでこちらを睨んでいる四津葉の姿があった。
「やはりそうか、『以心伝心』... いいものを持っているんだな。」
相手の心を読める能力だ。
先ほどからずっと俺の心を覗いていたのか。
「...」
四都葉はまだ怒っているようで、何も答えようとはしない。
俺が彼女の表情を楽しんでいるうちに、『首都広場前』に電車が止まった。
乗った駅から15分といったところか―――
俺と四都葉は改札を抜けると高校の方へと足を向けた。
幸い、高校へのルート案内が電光掲示板に表示されていたため迷うことはなさそうだ。
精算も、大学を出るときに楓に貰ったカードで簡単にできた。
駅を出るとそこは広場だった。
中央には大きな噴水がある。
周りを高層ビルに囲まれているため、大きなコップの底にいるような感覚だ。
平日だが、沢山の人でにぎわっている。
人込みの中を通って俺たちは、終始無言のまま学校へと向かった―――――
読んでいただきありがとうございます。
今回... 少々手抜き作です。スミマセン。
正月のせいです... 私は現在堕落しています...