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第一章11 『パンツ』
博物館の一階は全て特別展示、つまり『皇 帝一』に関するものが置いてあるらしい。
一つ一つの物がきっちりとガラスケースに収まっている。
俺の腕時計、コート、手袋、時々つけていた眼鏡...
どれも懐かしいものだ...
ただ、パンツまで展示してあるとは予想外だった。 しかも5着も...
パンツコーナーには、数十人の女子が群がっていた。
「ねぇ、ねぇ! 帝一様はこれをはいてお出かけなさったんでしょぉー!」
「きゃー! こっちは勝負下着じゃないかしら!」
「すすすす、すごいわ! 帝一様のぉー! 帝一様のぉー!」
少し、というかかなりの恐怖を感じるが... 見なかったことにしておこう。
ついでに言うと、あの5着は俺のではない。
あの巨漢、『李浩然』のものである。
どういう風の吹き回しで、『李』のパンツがおれのパンツとして展示されているかは定かではないが。
パンツ女子たちを背に、俺は別の場所へ向かった。
あ、少ないな...