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真実を見極める仮面

 百合工房を後にしセシリアに、あちこち連れ回されたのだけど、あの光景が頭にチラつき、何処をどう回ったのかも判らないまま客間に戻る事になった。

 セシリアに悪い事をしたなと思いつつも運ばれて来た夕食をパクパク食べる、明日は何をしようかな?ワイバーンのマントとかは早くて3日後と言ってたな、仮面は五つも有れば充分だし、乳房の治療と男達の件は進行を聞かないと分からないし明日 何も無ければ鍛練でもしようかな…


 ” コンコン ”

 誰だろ?「はいどうぞ」

 ガチャ「妾じゃ」

「アスラ殿失礼します」

 訪れて来たのは、いつもの二人。

「アスラ、(ようや)く話がまとまってのぉ明日から乳房の治療を頼めるかのぉ?」

「アスラ殿、病気の治療も終わり直ぐで申し訳ありません」

「あー全然構わないよ、明日 暇なら鍛錬しようと思ってたから丁度いいや」

「鍛錬?では1日ずらすかえ?」

「いや全然問題無い。それで何人位いるんだ?」

「そうですね、ざっと500名程です」


 ふ〜む500名か…後々アレもコレもと言われるのも面倒だし、全て片付けてからこの地を去るかな…


「どうしたのじゃアスラ、考え込んで?何か不都合でも有るのかえ?」

「今考えながら思ったんだけど、この国の医術師や薬術師で対応出来ない者も(つい)でに治療しようかと思ったんだけど、どうだ?」


「「エッ!?」」


「な、何を言っておるのじゃ其方は?」

「そうですよアスラさん!そこまでして頂いても私どもに返せるモノは有りませんよ?」

「いや別に何かをして欲しいとか何かをくれとかじゃないよ」

「それでは其方に何のメリットも無いのじゃないかえ?」

「ん〜そうだな、なんか押し売り見たいな事を言ってスマン!今言った事は忘れてくれ」

 少し焦り過ぎたかな、二人共困った顔してるし。


「…すまぬ先ほどの其方の話 少し考えさせてくれぬかえ?」

「そうですねアスラ殿、少し考える時間を頂けないでしょうか?」

「あ〜それは構わないけど早い内に結論出してくれよ?俺の気が変わらないうちにな、それとさっきも言ったが報酬目的じゃないからな!」

「其方がそんな小さい男じゃない事は妾は、充分解っておるのじゃ」

 然し この者は急に何をいい出すのじゃ?やはり神からの試練なのかえ?


「さっきの話とは別で提案が有るんだけど聞いてくれるか?」

「何でしょうアスラ殿?」

「今から捕らえられてる男達に会えないか?無実なら手当をしてやりたいし…」

「今からなのかえ?」

 また急に突拍子も無い事を言うのぉ


「あぁ 今からだ、無理か?サッサと真相を突き止めたいし、もし脱走でもされて感染が拡大するのも嫌だしな、上手く逃げ出してこの国で起きた事を噂されても困るだろ?」

「そうじゃのぉ其方の考えも一理あるかのぉ…じゃがどうやって?」

「アスラ殿、以前に仰られた真相を探る手立てが有るのですか?」

「あるぜ」

「どのような手なのじゃ?」

「私も是非お聞かせ下さい」

「コレを言ってもいいけど、俺の事を疑ったり怖がらなければ話すけど、その覚悟は有るか?でなければ話せない内容なんだ…」


 コレを話して人間扱いされるかどうかだよな…もし人として見てくれないようなら早々に立ち去るかな…


「今更其方を疑う必要も無いのじゃ」

 妾は其方を信じておるからのぉ。

「私もですよ」

 信じていますとも、貴方が神の化身だと仰られても信じますよ。


「…え〜と、エロイナ素直に俺を信じてくれてありがとうな。因みにクレアさん、俺は神の化身じゃないから」

「エッ!エエエエエエエッ!?」

「クレア!急に大声なんか張り上げて、どうしたのじゃ?」

「エッ!?エロイーナ様!だって、だって!今私が思った事、アスラ殿が言い当てたのですよ!」

「何をバカな事を言っておるのじゃクレアは?気を確かに持たぬか!」

 そんな事出来るのは神にしか出来ぬじゃろうにバカバカしい。

「エロイナ、俺は神じゃ無いけど それが出来るんだ」

「エッ!エエエエエエエッ!?」


 二人が落ち着くのを待ってから話をした方が良さそうだな、さてどんな返答が返ってくるかな…


「アスラ!其方は人の考えが読み取れるのかえ?」

「まさか!そんな事が出来る者など私は聞いた事ありませんよ?恐らく他種族にもその様な者など…」

「エロイナが言うように人の思考は読める、クレアさんの回答は他種族でも、いるかもしれないぜ?こんな能力、普通に持ってますなんて言わないからな」

「では何故私達に、その事を伝えたのですか?」

「ん〜そうだな?信用出来そうだったからかな?」


「「なっ!」」


「アスラ!其方 妾と出会うた時から妾達の思考を読んでいたのかえ?」

「ああ それは無い!今初めて思考を読んだ、最初から読んでたら捕まる事も捕まった後も難なくやり過ごせるだろ?」

「では何故それを使わぬのじゃ?その能力を使っておれば妾に耳を切り落とされる事も無かったではないかえ?」

「あ〜それな、この力は必要な時以外ほとんど使わないようにしているんだ」

「それは何故じゃ?」

「そうですね私も気になりますね、そのような力が有れば国を治めるのには便利な力かと?」

「この力をフルに使っていたら、人を信じられなくなるぜ?そりゃ敵も居なくなるが味方も居なくなる、そして人間不審になり俺も恐らく今の人格では無くなる筈さ!だから必要以外使わない!二人共心を覗かれて嬉しく無いだろ?」


 人の心ばかり覗いていたら、本当に人を信じられなくなるからな…人格が破綻した自分なんて想像もしたく無い!


「確かにアスラの言う事も一理あるのぉ…誰も信じられなくなる人生程面白味が無いのぉ」

「そうですね…ですが何故その様な重要な事を我々にお話ししたのですか?」

「さっきも言っただろ?二人を信用したからだよ、今の話を聞いて俺の事が怖いと思うなら今すぐ、ここを立ち去るし話を聞いて納得してくれるなら、お前達の手助けは するけどな どうだ?」

「そこまで言われてアスラを信じないほど妾は愚かでは無い!」

「そうですね、私もエロイーナ様と同意見です!」

「じゃあ話は決まったな!今から捕らえられてる男達の所へ行こう。それとお前達が俺に敵対しない限り思考は読ま無いから安心してくれ、約束する」


 話もまとまったので、早速男達に会いに行こうとしたらエロイもクレアさんも一緒に同行して一部始終確認したいらしいので、それならばアスラは居ないものとして考えて欲しいと伝えた。


 牢屋に向かい鉄格子の前に立つ、そして呻きながら転がっている男達を順番に眺めた、食事だけはマトモに与えてくれと言ったので、やつれた者は少ない。

 それにしても酷い臭いだ鼻がバカになりそう…


「おい!お前達助かりたいか?」

「あ、あんたは誰だ?」

「私の名は”イナリ”女帝の命を受け、お前達を助けるか否か判断に来た者だ」

 俺達の前に突然現れた者は狐の面をしたイナリと言う者だった!俺達を助けに来てくれたのか!?

「た、助けてくれ!俺は何も知らない!」

「俺も何もやって無い!」

「オ、オレもだ!た、助けてくれ!」

 ザワ ザワ やってない!助けて!ザワ ザワ おれじゃない!


「イナリ殿、全員無実を主張していますが如何致しましょう?」

「そうだな…だが既に誰の犯行かは特定出来ている」

 ザワ ザワ ザワ

「それは誰なんだ?」

「そうやって罪をなすりつけて俺達を殺すのか?」

「今初めて会ったのに誰の犯行かなんてバカげてる」

 ザワ ザワ ザワ


「そうだな、初めて会うのに誰の犯行か判るのも、お前達からしてみればバカげてるよな、今 身に着けているこの仮面は真実を見極める仮面なのだよ」

「そんなもの信じられるか!そうやって罪をなすり付ける気だな」

「「そうだそうだ!」」

 ザワ ザワ ザワ


「嘘かどうか真実を見極めよう。お前の名は…ドリーだな」

「名前なんか誰かに聞けば分かるだろ!名前を言い当てたくらいで真実なのか分かるか!」

「お前は、隣に住むキャサリンに恋をし、いつも物陰から その娘の行水を覗いていたな」

 ザワ ザワ

「なっ何故それを!」

「それから「あー!もういい!あんたの事信じる!」

「お前!俺達を嵌める為に口裏を合わせてるな卑怯だぞ!」

「お前の名はジャンか、Cランク冒険者、彼女いない歴27年…女を抱きたくて子種の提供に志願…」

「エッ!何故それを!?」

「さっきから言っているだろ?真実を見極めれると」

「な!」

 ザワ ザワ ザワ


「ここまで言ってまだ信じられんのか?では、お前!名はローリー23歳、彼女はいるようだな…ここでの志願は早漏を治す為、手当たり次第女を抱く事…お前最低だな…」

「う、うるさい!信じるからそれ以上は言わないでくれ!」

「どうだ?お前達俺を信じるか?まだ信じられないようなら、お前達の恥ずかしい話を納得するまで暴露すだけだ」

「信じる!信じるからもう止めてくれ!みんなも信じるだろ?」

 《《《コクコク》》》


「なぁあんた、聞きたい事があるんだ!」

「何をだ?」

「俺達が捕らえられている時、一人の青年が居たんだ、その青年は俺達を助けたいと言い、そこの女帝に耳を切り落とされ、その後姿を見ないんだ!彼はどうなった!?あんた知らないか?」

「ふむ…女帝殿その青年は、どうなったのだ?」

「アノ者か?アノ者は、あの後もお前達を助けたいと妾に願い出てのぉ〜妾に勝負して勝つ事が出来るようなら助けてやると、闘技場で闘ったのぉ」

「ほう、それで?」

「妾がここに居る意味が解るかえ?」

「ふむ闘い死んだのだな」

「なっ!何て事を!彼には一切罪が無いと言うのに!」


「そうだな一人の犯行の為に罪の無い者が死ぬ、いい加減名乗りでてはどうだ?名乗り出ないようなら名乗り出るまで一人ずつ処刑でもしてもらうか?」

「それは横暴だ!」

「それもそうだな、では少し休憩を入れよう、我々が戻って来るまでに当事者が名乗り出てくるのを期待する。一人の青年が己の罪の為に死んで平気で居るような輩でない事を私は願うだけだ」



 ◇ ◇ ◇


「アスラ、誰の犯行か判っておるのじゃろ?」

「あー、もちろん判っているさ」

「では何故あの時 アスラ殿は、誰がやったのか言わなかったのです?」

「全てアスラに任せると言った手前もあるが妾もそれが気になるのぉ?」

「ん〜最初は俺も、そのまま誰の仕業か言おうと思ったんだけどな思考を読み理由を知って少し考え方を変えたんだ。それよりエロイナは上手く話に乗ってくれたな!名演技だったぞ」

「そ、そうかえ?そんなに妾の演技は上手かったかえ?」

 妾は演技上手なのじゃなウンウン


「アスラ殿!話を逸らさないで下さい!エロイーナ様も調子に乗らないで下さい!」

「す、済まぬ。そうじゃアスラ!何故あの場で言わなかったのじゃ?」

「そうだな…そいつが身体の不自由な妹の為にやった事が一つかな」

 この二人に話をして納得してくれたら、いいんだけどな。


「身体の不自由な妹の為に?それが我らアマゾネスと何の関係があるのじゃ?」

「その前に一つエロイナに聞きたい事があるんだけど、お前二年位前にランバー国の王子と揉めてないか?」

「ランバー国の王子?」

「エロイーナ様、アレですよ。行き成りこの国に訪問して来てエロイーナ様を一目見た途端、私の妃に成ってくれと訳の分からない事を言っていた男ですよ」

「あー!あの軟弱な男かえ!妾を欲しいと言うから、それならば妾を倒し跪かしてみよと闘った末、一撃で伸びた男よのぉ〜あの後逃げるように帰りよったのぉ」

 そう考えるとアスラは凄いのぉ 妾の攻撃も一切喰らわず妾を傷付けること無く妾を跪かすのだからのぉ 万が一”俺のモノになれ”と約束していたら今頃妾は、ハッ!妾は何を考えておるのじゃ!?


「エロイナ思い出したか?」

「お、思いだしたのじゃ!」

「エロイナ、顔が赤いぞ熱でもあるのか?」

「な、何でも無いのじゃ!間違っても妾の思考を読むでないぞ!」

「はぁ?読む訳ないだろ?俺って信用無いのか?」

「其方の事は誰よりも信じておるのじゃ!それで話の続きは何なのじゃ?」

「ハッキリ言って逆恨みだ!」


「「ハァ?逆恨み!?」」


「そう、逆恨みだ。その王子のプライドに傷を付けて追い返したんだからな」


 そして今回の真相を話し出す。性病を持ち込んだ犯人はその国の下級兵士、両親と身体の不自由な妹と四人暮らしの真面目なヤツで身体の不自由な妹の治療費の為に誰もが嫌がる仕事も率先して少しでも治療費の足しになるよう真面目に働くランバー国の下級兵士。


 その真面目に働く下級兵士の事をどこからか噂を聞き付けた、エロイナに負けた王子は、その男にアマゾーン国へ行き女を抱いてこいと命令する、見返りは妹の治療費として 多分嘘だろうけどな。

 嫌々ながらも妹の治療費の為ランバー国を出る前に性病に感染している女を無理矢理抱かされたようだ、可哀想に…。

 そして子種の提供者の一陣に紛れこまし、運がいいのか悪いのかアマゾーン国に入国し女を抱くまで症状が出なかったようだ。


 ハッキリとした思考までは読み取り辛かったが恐らく、その王子は第5王子…極秘任務扱いのようなので、その王子の単独のようだ…ランバー国自体は治世も良く王もまともな感じがする…やはりその王子自体に問題があるのと違うかな?その辺りも踏まえて二人に話をした。


「ふむ成る程のぉ」

「で、ランバー国の噂とか この国には流れて来てないのか?」

「私もあの後極秘でランバー国を調べましたが大方アスラ殿の思考のように国も王も真面だと思われますね」

「それでどうする?いや どうしたい?」

「妾はアスラに任せた以上其方に、この件は任す」

「そうですね…結果的には既にアスラ殿に助けられたのでエロイーナ様と同じようにアスラ殿に全てお任せします」

「どうせ其方の事じゃから助けれる者は全て助けたいのじゃろ?」

「エロイナ!お前も俺の思考を読めるのか!?」

「そんなもん見え見えじゃ」

「アスラ殿は分かりやすいですものね」

「そうなのか?」

「そうじゃ」


 それじゃ話もまとまったし行動に移りますか、さっさと片付けてしまおう。



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