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家を買う相談

 それはユーリア達と別れ宿に戻ってからの出来事、何となくテーブルに着き夕飯の支度をしているマスターとルチハの会話を聞いて思いついた。


「嬢ちゃん、そこはスパッと切って そうそう、手早く処理な!お〜上手いじゃないか、嬢ちゃんは飲み込みが早いな。これだけ上達すれば自分の店も出せそうだなガハハ」ウンウン

「ありがとうございます師匠!」ニコ


 凄いなルチハ。マスターから店まで出せそうとか言われて、かなり料理の腕 上がってるんだな……店か店…それもイイかもな、今晩ルチハとシャルにでも聞いて見ようかな。


 その日の夜ルチハとシャルが揃ってから話を切り出した。

「二人共ちょっと聞いてくれるか?」

「どうしたの、お兄ちゃん?」

「アシュラにぃなーに?」

「ウン、いつまでも宿屋暮らしも、どうかなって思ってな」

「え!私とシャルもアスラお兄ちゃんの修行の旅に連れて行くって事?」

「シャルいくいくー!」

「いや、そうじゃないよ、ワザワザ危険な旅に大事な妹達を連れて行かないよ」

「シャルは、だいしょうぶだよー」

 ワクワク


「ハハ、シャルは元気だな、実はな家を買おうかと思ったんだ」

「え、家を…?」

「アシュラにぃ家かうのー?」

「はっきりと決めた訳じゃないけどな二人に相談してから決めようと思ってな」

「お兄ちゃん、家って物凄く高いんでしょ?お金は大丈夫なの?」

「あー その辺は大丈夫だ!」


 そう以前王様に渡し返してもらった宝石なんだけど爺さんの話では換金をすれば家を一軒買っても十分お釣りが返ってくる位の金額になるそうだ、その時は何も考えていなかったけどな。


「どうだ?自分の部屋とか欲しいなら考えるし、ルチハが自分の料理で店を出したいとか、そんな気持ちがあるなら、それなりの物件探すけどな。それに王都は治安もいいし、ここには知り合いも結構増えてきて拠点を構えるには丁度良いかなって」

「え?自分のお店!」

「自分のへやー」ニパッ!

「旅から帰って来てルチハの自慢の料理を食べれるとか最高だしな」ニコ

 アスラお兄ちゃんが帰って来た時、料理を振る舞える…


「ウン お店の事は、まだ自信が無いけど自分達の家は賛成だよ」ニコ

「じゃあ、明日にでもマスターに相談してみるな、店の事は後でも何とかなるしな」

「やったーアシュラにぃだいすきー」ガシッ

「あ、私も お兄ちゃんの事大好き ゴニョゴニョ」ポッ

「あ〜俺も二人の事は大好きだよ。種族は違うとは言え大事な妹だからな」ニッ


 妹……ん〜ん いいの妹でも大好きなアスラお兄ちゃんの側にいられるんだから。



 翌日


「そうか家を購入するのか、にいちゃん資金の方は大丈夫なのか?」

「あー 今持ってる金で何とかなると思うんだけどな、無理なら貯めるさ、でルチハは、もし店をやりたいと言ったら大丈夫な腕なのか?」

「あー問題ない、まだ少し荒削りだが毎日料理を作っていくうちに直るだろう、店をやる気がない時は、ウチでそのまま働けばいいしな」

「その時はマスター頼む!女の子二人だから成長も早いだろうし自分の家というか部屋を与えてやりたいのが本心だけどな」

「そうだなウチも坊主が増えてニーナもドンドン成長していくからな、改装も考えないとなガハハ」

「マスターも大変だな」ニヤ

「それはお互い様だガハハ」


「それで、一から建てるのか?それとも中古物件でも探すのか?」

「中古で条件が、合えばいいかなって思っているんだ」

「そうか、当ては有るのか?」

「いや無いな、マスターは詳しい方か?」

「俺は、その方面は疎いからな」

「んー、じゃあアルン商会の店主と親しいから、その人に相談してみるかな」

「おーアルンさんは信用おける人だから間違いないな」






◇ ◇ ◇


 そして久々にアルン商会へ、狐面では最近来たけどアスラで来るのは久々、アルンさん居てるかな?

 アルン商会へ到着し、店の店員に声を掛け店主に会いたいと伝えてもらった。

 暫くして奥の方から見知った人がやって来たアルンさんだ。


「あ、アスラさん!お久しぶりですね。また色々活躍してるそうじゃないですか」ニコニコ

「アルンさん、お久しぶりです」ペコ

 ん?俺活躍した憶えが全く無いんだけどな、何の事だろう?

「ここで立ち話も人の目が有りますのでササ奥へどうぞ」

 アルンさんに促され奥の応接室へ通された。


「アスラさん改めて、お久しぶりです」

「こちらこそ、お久しぶりです」

「今日は妻の為に来て下さったのですか?私はアスラさんには何も、お話してなかった筈ですけど?」

「え?全く別の用事ですけど、奥さんに何かあったんですか?」

「あ、これは失礼しました。てっきり妻の様子を診に来て下さったものと思いましたアハハ」

「奥さん怪我か病気でもされてるんです?」

「いえいえ全く、妻は元気ですよ」


 全く話の内容が掴めない俺が困惑していると ”コンコン” と、ノックの音がし


「失礼します、アスラさん お久しぶりです。あなた、お茶の用意が出来ましたよ」

「ミリーネ無理しなくても良いですよ、お茶なら私が用意するから」

「久しぶりにアスラさんに、お会いするのですから、これくらいはフフ」

「ぁ!」


 アルンさんの奥さんの、お腹を見れば、あらま!妊娠してるじゃないの!………え、まさか…さっきのアルンさんの言葉「色々活躍して」つまり俺がイナリ先生だとバレてる…


「どうかされましたか?アスラさん」

「アルンさん、いつ俺がイナリだと気付いていたんです?」

「あ、その事ですか。最初に気付いたのはミリーネですね」

「はい私です。アスラさんが何度か私どもの お店へお菓子を購入して下さるのを見て、アレって思ったんですけどね、狐のお面をして素性を隠されているようだったので主人に相談したのですよ」

「そして私もアスラさんの狐面を拝見し何をなさっているのか気になり、その行動を見てみると、それはね私もビックリしましたよ」


 ハハ流石一流の商売人だな面をしてても素性がバレるとは…


「アルンさん、ミリーネさん、俺がイナリというのは他に誰か知っています?」

「安心して下さい。この事を知っているのは私達二人だけですよ、誰にも話していませんよ。アスラさんが余り目立つ行動を取らないよう仮面をして行動する姿は直ぐに理解出来ましたからね」

「あなた、折角アスラさんが来て下さったのですから、お願いしても良いかしら?」

「あ、でも今日はアスラさん、別の用件らしいですよ」

「あら、じゃあアスラさんには日を改めて お願いしましょうか」


「ミリーネさん俺は全然構わないので言って下さい。診察すればいいのかな?」

「はい、アスラさん。お腹の赤ちゃんの様子を診て下さい」ニコ

「じゃあ」ジィー

 透視し、お腹の様子を確認、ウン問題ない大丈夫だ。


「はい!問題ないです」

「え、アスラさんもう終わったんですか?」

「アルンさん異常は無いですね。ミリーネさん体の調子が悪い所とかありますか?」

「そうね〜?少し肩と腰が凝って痛いくらいかしら?」

「じゃあ少し体に触れますね」

 肩と腰のツボを指圧しながらヒール!


「はい終了治りましたよ」

「あらホントだわ!凝りが消えてる!」

「アスラさん、やはり仮面をして行動したのは正解でしたね、貴方の力は神か奇跡に近いモノですよ」ウンウン

「そうかな?」

「全く貴方は…自覚が無いと言うか、お人好しと言うか…でもそんなアスラさん だからこそ私は貴方を信じています」

「本当にアスラさんは、神様のようなお方、この子を診て頂きありがとうございます」

「ハハ」この似た者夫婦め!


 家の相談に来たのにドンドン話が逸れて行く。もう逸れるついでに、上の()と年齢が離れているのに何故子供を作ろうと思ったのか聞いてみた。

 何でも娘さんの出産が難産だったらしく、次の子供をと考えたけど、その難産のイメージが強く出た為ズルズルと今に至った見たいだけど、ルチハとシャルの着替えをさせてる時ミリーネさんが、やっぱり子供が欲しいと決意した結果!できましたー! なるほどね〜。


「アスラさん、この子の性別とか、分かりますか?」

「ミリーネ、私は元気に産まれてくるなら、どちらでも構わないよ」

「そうね元気に産まれくれるのなら…でも男の子を将来アルン商会を継ぐのは男子です。娘には継がせません!」

「それなら分かりますよ、さっき見たし、結構この手の質問多かったから問題無いなら今言いますよ」

「アスラさん本当ですか?」ゴクリ

「アスラさん言って下さい」ドキドキ

「えっと おチンチンあったから男の子」


「あなた!」「ミリーネ!」


 あ、二人共手を握り合ったまま泣いてる……暫く そっとしとこう。

 話はアルンさんが落ち着いてからでいいや。


 アルンさんも、どっちでもいいとかいいながら、男の子欲しかったんだ店を継ぐ跡取りか…まだ産まれてないけど、おめでとうございます。



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