誰かー!俺にサイコセラピーお願いします!
翌日目を覚まし、昨夜の事を振り返る。
シャルの囁きで俺から女性の匂いがするとか、心当たりが有るので一瞬だけ胸にグサッときたが別に浮気とかしてるのでは無いので、開き直ってイヤ違う正直にルチハとシャルに、お姫様との関係と俺の想いを打ち明けた。
終始それを聞いているルチハは複雑な顔をしている、シャルは何が嬉しいのかワクワクしながら話しを聞いていた。
話しを終えて暫くルチハは俯いたまま無言だったんだけど、急に何かを思ったのか顔を上げ、俺の手を握り締め「私お兄ちゃんを応援するから、してるから頑張って!」と呟いていた。
シャルは何か訳の分からない事を「にぃちゃん、おねーちゃんがんばれ」言いながら目がキラキラしてた様に見えた。シャルは人の恋話が好きなのかな?
話しを終えた後、ルチハも一緒に寝ると言っていたので元々三人で寝る予定だったので別に問題無く寝床に着いたんだけどルチハがいつも以上に俺にくっ付いてカラダを押し付けて来るもんだから、早く寝る予定が夜中まで悶々としてね、もう!精神的にダメージが来る夜だった。
そりゃあ血の繋がりはないとはいえ、一応は妹だ。間違いが起きる前に一緒に寝るのは止めないとな、小悪魔アリアの事も思いだすし。
朝食を食べ終えた後、お城へもう一度行って来ると皆んなに伝え、ヴォルフに朝食を与えた後、出掛けた。
皆んなに、何故また行くの?と言う顔をされたが無視!ルチハとシャルだけは、普通に「行ってらっしゃい」と言っていた、昨夜正直に打ち明けたのが正解だったのかな?
「ルチハお姉ちゃんライバル出現だね」
「ウンだけど、お兄ちゃんへの想いは誰にも負けないもん。この話しは皆んなに内緒だよシャル」ニコ
「ウンわかったー」ニパ!
お城へ到着した俺だが、爺さんと お姫様は学園だと思いながら一応門番に爺さんは居るか確認したところ、運がいいのか悪いのか今日は学園が休みらしい…
昨日のように兵士さんに連れられながら兵士さんに「昨日は、いつお帰りに?」の質問に、笑いながら誤魔化した。
そして侍女さんにチェンジして、いつもの部屋と思っていたら違う部屋(少し華やなか部屋)で待つ様に言われた「コンコン」と、ノックする音が聞こえたので「どうぞ」と返事を返し、中へ入って来た人は!
「お待たせしましたね、アスラさん」
思わず絶句した後にハッと気づき挨拶をしなくては!
「おはようございます王妃様!」ペコ
ど、どうして王妃様が?昨日の事か…
「いつもの様に楽にして下さっても構いませよ、アスラさんフフ」
「は、はぁ」
「昨日聞きましたよユーリアに」
ドキッ!「え、何を」ドキドキ
「とても素晴らしい物を贈り物に下さったとか…ユーリアも大変喜んで、おりましたわね。王族である以上どこで暗殺の目が光っているか分からないものですからフフ」
「あ、あれね」
ビックリした〜
「アスラさん、贈り物を渡す時にユーリアに何かしました?」
ドキ!「え!お、俺は何も!」
これ絶対にヤバイやつだ!
「では、どうして贈り物を渡した直後に逃げる様に王宮から出て行ったのでしょうね〜?」
あー絶対バレてる、もう正直に言って許してもらおう。
「あの〜正直に話しますね、お姫様に贈り物、誕生プレゼントを渡した後に俺もつい最近18歳に成ったんだ〜と話しをしてて、お姫様が俺に何か贈り物をしたいと言ってきたのでー」
「ユーリアがアスラさんに贈り物を?」
「はい、ちょっと調子に乗ってと言うか、お姫様はそんな事しないだろうと思い冗談で贈り物はキスをしてくれと言ったら…」
「そう言う事だったのですね、分かりました。それなら良いのですよフフ」
「え?」
な、何が良いのですか?
「あの子俯いたまま顔を見せなかったから、てっきり喧嘩でもしてアスラさんが飛びだして出て行かれたかと思ったの、あの子、照れて顔を上げなかったのねフフ」
「あの〜王妃様は怒ってるんじゃないのですか?」
「今事情を知ったのです、勿論怒りますよ。どうしてアスラさんは、その後何もしないで出て行かれたのですか?私がユーリアの立場なら押し倒して欲しかったと思いますよフフ」
「エ?エエエエエエエエエエ!」
な、な、な、なんだ一体!
「貴方もユーリアの気持ちは気づいているのでしょう?私は貴方とユーリアが早く幸せになるよう応援していますの、お解り頂けましたか?」
「そ、それは嬉しい一言ですけど、王妃様が許しても王族でも貴族でも無い俺を王様が許す訳ないだろうし」
「クス、陛下も恐らく貴方の事を認めていると思いますよ、反対するようでしたら私が!」ゴゴゴゴゴ!
ヒィィ 今の王妃様の顔怖い!
その後も何故逃げたのか問い詰められるわ、延々と質問なのか説教なのか途中で訳わからなくなって、早く解放してくれよ〜と心に思ったのは内緒です。
そして王妃様は自分の言いたい事、聞きたい事を確認して納得したのか出て行かれた……昨日から色々精神的にダメージが蓄積している俺に誰かサイコセラピーをお願いします!
王妃様が部屋から出て行かれた後、暫くして、またノックの音がした!
「コンコン」
次は誰だ!?「ど、どうぞ」
部屋の中へ入って来たのは野郎ばかりの、いつもの重鎮達、思わずホッとしてしまいました。
「アスラ殿、久しいな」ニヤ
「アスラ君、お久しぶりです」ニコ
「アスラ殿、元気そうで」ペコ
「アスラ殿ご無沙汰しております」ペコ
「小僧、王妃様から、こってり説教されて反省しておるようじゃな」ニヤ
クソ言い返せない!
「皆さん、お久しぶりです!」ペコ
「アスラ殿、畏まらなくても、いつも通りで良いぞ」
「で、今日は皆んな揃ってどうしたんだ?」
「うむ、ユーリアに良い贈り物をしてくれた礼と、その良い物が何処のダンジョンで入手出来たか聞きたくてな、構わぬか?」
「あ、丁度その事で俺も皆んなに話があったんだ」
「小僧それは、どう言った事じゃ?」
「その前に確認な、ここに居るメンバーを信用して喋るから今から話す事を他言しないで欲しいんだ、それが約束出来るなら話すけど…」
全員の顔を見て納得してくれたのか、皆んな頷いてくれた。
「お姫様に、あげた物はマナの森の奥にあるダンジョンで手に入れた」
ガバッ「何じゃと、マナの森にダンジョンが存在しておるのか?」
「まぁ爺さん慌てるなって、まだ話は続きがあるから」
「うむ、すまぬ」
「アスラ君、話の前に確認したいんだけど、アスラ君はマナの森では平気なのかい?」
「あー平気だ王子様。俺魔力ないからな、全然へっちゃら」
「あ、そうだったね、失礼な事 聞いて済まない」
「あー、気にしてないから。で、話の続きなんだけど、そのダンジョンはもう既に存在してないかも知れない」
「ダンジョン・コアを潰したのか?」
「まぁ、そんなもんだ」
「そうか、それならば仕方ないかの〜もし可能ならばアノような物が入手出来ると思うとったんじゃが…」
皆んなシーンと、しちゃったよ。
「それで話は本題に入るんだけどいいかな?」
「小僧お主まだ何か隠しておるのか?」
爺さん人聞き悪いな〜隠さないから話しをしてるのに!
「マナの森奥深くにエルフの里がある」
「何?アスラ殿、それは本当の事か?」
あらま、皆さんお互いの顔を見合わせてザワザワしだしたよ。
「兼ねてからの噂は本当じゃったのか、小僧間違いないのじゃな」
「あー、間違いない。って言うか、そこで俺 客人扱いとして何日間か滞在してたからな」
「何じゃとエルフから客人扱いとな?」
「爺さんもアレか、一部のエルフが人間を嫌うように、エルフを嫌っているのか?」
「バカもん!ワシがエルフを嫌うものか!あれ程魔力、魔法操作に優れた種族を尊敬しても嫌う訳なかろうが!」
「それを聞いて安心したぜ、皆んなが皆んな爺さん見たいな考えなら良かったんだけどな、人間と言う種族は欲望の塊のような馬鹿な生き物だからな、その犠牲がエルフを攫い奴隷へと愚かな行いをする。まぁエルフだけじゃないけどな、獣人も同種族にまでな」
あらら、またシーンと、しちゃったよ。
「アスラ殿の言う事は最もな意見だ…」
「まぁ今のこの世界の社会システムを直ぐに改善しろなんて俺は言わないぜ、王様が今出来る事をして次の世代の王が出来る事をしたらいいんじゃないかな?」
「余に出来る事をか…」
「次世代に出来る事を…」
「あ、ごめんごめん少し話が逸れたな、だからエルフを攫ったらダメなのも大事な事だけどマナの森に無闇に立ち入って欲しく無いのが本題なんだ」
「この話が公になればエルフとの戦争も有り得ると言う事じゃな」
「そうだな…あって欲しく無いな、あった場合俺はエルフ側に付くかも知れない…」
「それは余としても避けたい話だ」
「それに、あそこにエルフの里があると知れたら例の勇者が間違い無く侵略に来そうな気がするからな、だから森へは理由を付けて出来るだけ干渉しないで欲しいんだ」
「アスラ殿、余が生きている限りは色々と策を練ろう」
皆さん真剣な顔で色々考えてらっしゃる。考えて実行するのは貴方達の仕事なので任せたぜ!
「あ、大事な事言うの忘れてた!」
「なんじゃ小僧まだあるのか!」
「これを聞いたら、森へは干渉したくなくなる筈、あそこの森の守護は、嘗て五百年前に勇者と共に闘った竜ってエルフが言ってた!」
「「「「「なんですとー!」」」」」




