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シャルの囁き

 焦り過ぎてワープして逃げだしたのは、マズイよな爺さんにも怒られそうだし…明日にでも、お姫様の居ない時間帯に行こう。


「あ!アシュラにぃおかえりー」

「お兄ちゃんおかえりー」

「あ〜皆んな、ただいま」

「アスラさん、おかえりなさい。夕飯の準備まで、まだ時間あるから部屋で寛いでいらしてもいいですよ」

「女将さん、ありがとう。女将さんお腹は大丈夫?無理して動かなくていいから」

「フフ、私は受付で座ってるだけよ、後の事は、皆んなが動いてくれるから」

「それならいいんだ、まぁアノ二人も居るしな」


「何々私達の噂?アスラ君おかえり〜」

「アスラおかえり。噂話良くない!」

「いやいや噂してないし、二人が女将さんの分まで頑張ってるなと思ったんだ」

「私達の出番は今からよ〜」

「へ、出番?」

「そうよ〜私のお婆ちゃんが産婆だから私も出産時の補佐をするのよ〜、ポアンは、お婆ちゃんへ伝言と連れてくる役目よ〜」

「任せて、担いで連れてくる!」

「なるほど〜それは、イイ!」

 へ〜マリーさんのお婆ちゃん、産婆さんだったんだ。マリーさんは補佐役なんだ、凄いなぁ〜。



 夕飯まで時間あるようなので部屋で寛ぐ事にした。部屋へ入りベッドへ腰掛け、お城での事を思い出す…思い出す…ダメだ頭から湯気が出そうだ。

 しかし、俺ってヘタレだよなぁ〜ハァ〜お姫様も勇気を振り絞ってキスしてくれた筈なのに、逃げ出すとか最低じゃん…お姫様の事を「いつか攫いに行くぜ」だ。

 明日もう一度お城に行くから、逃げだした事、謝ろうかな。ハァ〜気が重い。


 どれくらいかボ〜としながら悩んでいたら、部屋までシャルが夕飯の準備が出来たと呼びに来てくれた。

 一階の食堂へ行きテーブルに着くと久しぶりにマスターの料理がやって来た!

 ルチハの料理か確認したら今回はマスターが包丁の切れ味を確かめたいとかで、次回はルチハの番だって。

 早速その切れ味をじゃなく、料理の味を確かめよう。


 パクリ ムシャムシャ「うま〜い!」

 久しぶりのマスターの料理最高だー!旅の各所で色々食べたけど、やっぱりマスターの腕に並ぶのはルチハ?位か?マスターは料理の腕も凄いけど指導者としても凄いのかな?ルチハのセンスが良いのかな?などと考えながら美味しい料理を完食!


「ごちそうさまでした」

 するとマスターがやって来た。

「どうだ、今日の料理は?」

「あー、マスターの料理は最高に美味いなぁ〜」

「にいちゃんが、くれた包丁が良かったんだよ、ずっと前から欲しかった包丁を然も調理に合わせてセットで貰えたからな、本当に感謝する。ありがとよ」

「マスターの料理がもっと美味しくなるなら、安いもんだぜ」ニヤ

「ハッハッハにいちゃんには参るな」


 マスターと雑談してて思い出したので、急いで部屋までバックを取りに行き戻って来て、マスターに例の肉を見せる。


「マスター、この肉なんだが美味しく料理出来そうか?」

「あ?この肉は、何の肉だ?」

「キラーモールの肉さ」

「え、キラーモールの肉だって!」

 そこでマナの森での事を話し出す、俺が普通に焼いて塩胡椒のみで食べた事、エルフの里での事は、ボヤかしながら近くの村と偽って、キウイに似た果物で肉質を柔らかくしていた事などを。


「にいちゃん、これキーウィじゃないか!この果物中々手に入り難い物だぞ、普通に食べても美味いし、贅沢に肉を柔らかくする材料に使うなんて!」

「え、そうなの?いっぱいあるからマスターいるならあげるぞ」

「マジか!にいちゃん買い取らせてくれ、市場にも中々流れてこない物だからな」

「マスターには、世話に成ってるから欲しいだけ、あげるよ」

「そうか、ありがとよ」


 そんな希少な果物だったんだ、エルフの里には、いっぱいあったのにね。

 あ、そうだアレも出してみよう、オレンジ色のリンゴ、アレもいっぱいマナの森に自生してたから採れるだけバックへ放り込んだからな。


「マスター、こんな物もあるぞ、いるか?いるならいっぱいあるぞ」

「ブフォ!にいちゃん、これリンガップルじゃないか!」

「リンガップル?」

 なんだそれ、ダジャレみたいな名前だな

「あー、それマナの森でしか自生しない果物だぞ」

「そ、そうなのか、欲しいだけあげるぞ。いるだろマスター?」

「あ、あー!ありがとよ」

 にいちゃんと話をしてたら、感覚が麻痺しそうだな、中々手に入らないモノが次から次へと……だがおもしれーぜ。


「肉は調理してみないと分からないが、リンガップルは、色々出来そうだな考えるだけでワクワクしてくるぜ」

「マスター期待してるな」

「おう、任せとけ」

 食事も終わりヴォルフの様子を見に裏庭に向かった、裏庭行けばヴォルフとシャルが居てる何やらシャルが一方的に話をしてるようだ、ヴォルフの頭に『?』マークが出てる様に首を傾げている。


「どうしたんだシャル、ヴォルフと何を話してたんだ?」

「あ、アシュラにぃーちゃん!ポアンねーちゃんみたいに話ししてたのー」

「え、どうやって?」

「ガルル、ガルガルって、いったのー」

「ハハ、それは多分狼の言葉だから真似しても通じないと思うぞ、だろヴォルフ?」

『ご主人様、お姉ちゃん何て言ってるの?』

「ヴォルフと、お話ししたいんだって」

『ウン、するする』

「シャル、ヴォルフもシャルと、お話しするって言ってるぞ」

「えー!アシュラにぃヴォルフの言葉わかるのー?すごーい!」

「あ、あー少しだけなハハ」


 凄いのは俺じゃ無くてヴォルフの方だよ。俺意外の人の言葉はエルフの里ではヴォルフには通じ無かったけど、俺に付いて回りエルフと俺の会話を聞きながら、ある程度まで聞き取る事が出来る様に成ったからな、能力頼みの俺からしたらヴォルフは凄い奴さ。


「シャル、そう言えば夕飯だぞ、いっといで」

「うん、いってくるーヴォルフまたねー!」タタタ

 相変わらずシャルは元気だな。


「そうだ、ヴォルフにも晩御飯だな」

 バックの中からヴォルフ用の肉を取り出し与える。

『ワーイいただきまーす』ガツガツ

 美味しそうに食べちゃって、暫くヴォルフが食べ終わるのを見て


「ヴォルフ、今から言う事をしっかりと聞いてくれるか?」

『ウン』

「今日ここで会った人達は分かるな?」

『ウン分かるよ』

「その人達は俺にとってヴォルフと同じくらい大事な人達何だ分かるか?」

『ウン、大切な群れだね』

「お、おう。だから何か合ったら俺よりも優先で護って欲しいんだ」

『ウン群れの仲間護る』


 ヴォルフはホント賢い奴だな、そうだ明日ヴォルフの寝床でも作ってやるか、明日は色々忙しくなりそう。


「ヴォルフ今日は、ここで寝てくれな」

 そしてバックから野営してた時のシートと俺の毛布を取り出してヴォルフに与えた。

『ウン大丈夫だよー、コレご主人様の匂いがスルー』ブンブン

「そうか、それはもうヴォルフのモノだからな、包まって寝ていいぞ」

『ワーイありがとーご主人様』

「じゃまたな」




 今日は少し精神的に疲れたので旅先での話しは後日という事で、少し早いが明日の為に早めに寝ようと思い、ベッドへ横に成った。


「アシュラにぃ、シャルも一緒にねていい?」

「あーいいぞ」

「お、お兄ちゃん私も!」ポッ

「あーいいぞ、二人共甘えん坊だな」

 そして二人が俺の寝床へ入って来て寝ようと思った瞬間?


「お兄ちゃん私、一人で寝る」スー


「ぇ」

 あれれ、ルチハどうしたんだろ?

 すると小声でシャルが耳元で囁いている


『にぃーちゃん女の人の匂いがするよ』


 エ、エエエエエエエエエエエエエエ!



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