ここはどこ?
ダンジョンから出て来れた俺達は、宝箱から手に入れた進化の実(仮)を食べたところヴォルフが淡い光に包まれた後に進化したみたい。俺はと言うと進化はしてないようだ。でもヴォルフの言葉が分かると言う事はテレパシーの能力が上がったのか?ヴォルフが進化したからなのか?ヴォルフに意識しながら会話したらいいか。
その前にヴォルフのステータスを確認しよう。
【名前】 *ヴォルフ
【年齢】 *4ヶ月
【種族】 *白狼⇨銀狼
【レベル】*53
【体力】 *533
【魔力】 *583
【俊敏性】*640
【スキル】*風魔法.身体強化.魔力回復(微
【称号】 *ーー
【加護】 *ーー
ふむ、なるほどね白狼から銀狼へ進化?クラスチェンジ?したのかな、後は魔力回復(微が追加されてる。
『ご主人様ボクをジッと見てどうしたの?』
「いや何でも無い、ヴォルフの毛並みがキレイだなって見てたんだ」ナデナデ
『ワ〜ありがとうご主人様〜』
ふむ、意識したら聞き取り易くなったと言う事は俺の能力が上がったんだな。でもテレパシーのようなテレパシーじゃないような?心を読むんじゃなく、あくまで会話だからな、あー もうどうでもいいや会話し易くなったから。
「ヴォルフ、毛並みも変わった事だし またカメラに収めるぞ〜ポーズとってくれ」
『ワーイまたカメラで写してくれるの〜ヤッター!』
そうカメラに収めてヴォルフの成長記録をしていたんですよ、日々成長する姿を記録出来るのってイイね!
「そんなポーズでいいのか?自然体でいいぞ自然体で」
『これでイイよ〜』
パシャ、パシャ、パシャ!
「ヴォルフ撮れたぞ、見るか?」
『見る見る、ウワ〜ボク前と全然ちがうーウワ〜ウワ〜』キャキャ
スマホのカメラ機能で収めた自分の姿を見たヴォルフは凄く興奮してキャッキャとはしゃいでいる、カラダはデカくなっても中身は子供のままだなぁ〜と写したモノを見ていると、妙な違和感が有る!もちろんヴォルフにではない。
ヴォルフを写した背景にだ!その背景を確認したら、マナの森では見かけなかった大きな、いや巨大な木が写ってる、スマホをポケットへ入れ実際にヴォルフの背景を見たら……
「ここどこだ?ヴォルフ!この森は、お前と出会った森か?マナの森って言うんだが」
辺りをキョロキョロし地面や周辺の匂いを嗅いだヴォルフは『知らない森の匂いだよ』
「知らない森だと…」
ダンジョンから出て来れた場所が森だから安心しきってた…ここは一体どこだ?
迷う前にアレだな、ヴォルフの頭に手を乗せ(ワープ)…移動しない、ここも魔素が濃いのか?
「ヴォルフこの森は、マナの森の様に魔素が濃いいか分かるか?」
『ウ〜ん薄いよ』
…と、なると結界しかあり得ないんだけどなぁ〜今の俺で結界を瞬間移動出来ないなんて、以前より相当レベル上がってる筈なんだけどな…それとも結界をワープですり抜ける事自体無理ないのか?ともかく今の俺達かなりヤバいんじゃない、もしかして。
「ヴォルフ、近くで人の気配はするか?」
『近くで人の気配は、しないよ。唯遠くで何か生き物の気配は、するよ ご主人様』
「その生き物は魔獣か何か分かるか?」
『ん〜そこまではわからないよ』
「そうか」
『でも、ご主人様 そいつら少しずつこっちへ近づいてる』
ヴォルフの一言で急ぎ身を隠した、森という事もあり身を隠すには問題ない、あるとしたら今近づいているモノが何かだ!
カラダが隠れそうな生い茂った草むらの中で様子を伺う。
「ヴォルフ相手が何か分からないから魔獣以外手を出すなよ」
『ウン分かった』
暫くこっちへ向かって来るという方向を草陰から覗き見ていたが一向に姿が現れない。
すると何処からか声がした。
〔きさまら何者だ!どうやってこの森に入ってこれた!答えろ!〕
どこからか声がするが姿が見えない…
『ご主人様木の上に人がいるよ』
「お、木の上か?」
上を向き木の上を見たが人影らしいモノが見えない、上手く隠れてるんだね。
さて、どうしようか……
〔答えろ、何の目的があって この森へ入って来た!〕
目的もなにもダンジョンから出たら、この森でしたって通じないだろうしな…ハァー 仕方ないな相手が何か分からないし。
「俺はー、敵じゃない!」
草陰から出た俺は大声で叫んだ!両腕は頭の後ろへ組んで敵意が無いですよ〜っとアピールしつつ、攻撃されても背負っているリュックからいつでも武器は出せる様に。
〔きさまの連れている獣も大人しくさせろ!〕
「あー分かった!ヴォルフ伏せをして大人しくな」
『ウン大人しくしてる』
ヴォルフも草陰から出てその場で伏せをさせ敵意が無いことをアピッた。
〔きさま達は何者で何の目的があって、この森に立ち入った、答えろ!〕
「俺は旅をしながら冒険をしてる者だ、気付いたらこの森に迷い込んでいた!嘘は言ってない!」
ウン、嘘は言ってない筈。そうしてお互いに無言のまま数分が過ぎた頃、声の主達が姿を現した!
目の前に姿を現した者達を見て、アっと驚くと同時にこの世界に来てから一度も会った事の無い者達だった、そう その者達はエルフ!
エルフじゃないの!初めて見た、空想でしか見た事が無いエルフを興奮するな〜男のエルフが二人に女のエルフが二人!しかも両方美形!想像してたエルフそのままだし、やっぱり耳も尖ってる!
「きさま!何をニヤついている」
「あ、すみません。初めてエルフの方を見たもので少し興奮してしまいました」
「怪しい奴だ縛りあげろ!」
「え!?」「ガルルゥ」
「ヴォルフ、大人しく!」
『エ?ウン分かった』
「大人しくしてるのが賢明だ、何もなければ直ぐに森から出してやる」
あ〜あエルフに捕まってしまった…ここは恐らくエルフの森なんだね、何故ダンジョンの出口からエルフの森に転移したのか分からないけど別にエルフと争うつもりもないし何の疑いを持たれて連行されてるのやら?しかし縛られた挙句にリュックとスマホを没収されたのは痛いな…返してくれなかったらヴォルフと暴れちゃうかもよ?
取り敢えずここは大人しくしてこのエルフに付いて行きますか、何が待ち構えているのやら、あの時興奮してニヤつかなければ良かっかな、少し反省だ。




