移動しながら情報収集
お!ヨハン爺さん目を覚めました。
「うぅぅ……ここは?婆さんが微笑んで手招きしてたんじゃが……目の前に小汚い小童がおる……」
ちょ! ヨハンさん それって三途の河じゃん怖!
それと 小汚い小童って!
「何訳わからんこと言ってんだ?爺さん死にかけたんだよ!ここに居る彼に助けられたんだよ」
「死にかけたじゃと?そうかワシは、あの時……急に胸が苦しくなって……そこで……」
「ヨハンさん本当に良かったです。サッ詳しい事情は馬車の中で話しますので馬車へ移動しましょう」
「ああアルンさん 護衛する側じゃのに皆んなに迷惑かけたな 本当にすまんかった、それと そこの坊主、助けてくれて感謝じゃ」
坊主……確かに爺さんからしたら俺坊主だけど、まぁこの様子だと後遺症もなさそうだな。
ヨハンが復帰したことで一行は王都へ移動を開始するのであった。
ガガール、バリー、ビリーは荷馬車へ、箱馬車には御者ジーク、ルイス、中へアルン、ヨハン、アスラという組み合わせで進みだす。
よし!移動中に色々情報を集めますか
「アスラさん何度も言いますがヨハンさんの命を救って頂き本当にありがとうございます」
「いやいや、それはもういいですって!」
「いや、ヨハンさんは国の宝ですから、私の護衛依頼中に死亡だなんて、考えただけでも怖ろしい」
「国の宝?と言いますと?」
「ハイ、ヨハンさんは元宮廷魔導士のトップしかも今代の賢者と言われた方ですので」
「もうその話しは、ええじゃろ昔の話じゃ……伝説の賢者様に比べたら、肝心な時に死にかけて足を引っ張る、ただの老いぼれ爺じゃ!今は小童共のお守り役じゃ」
えー賢者!この人結構凄い人だったのね! てか、さっきから爺さん俺の事ジーっと睨む様に見てるんですが目が怖いよ……
ここでテレパシーを使って思考を読むのもなぁ幼少の頃テレパシー使って他人の思考、感情が一気に頭の中に流れ込んで三日三晩寝込んだからなぁ……まぁ能力操作の未熟が原因だけど、あれ以来 思考を読むのは封印してるし。
「ところで坊主、体調の方は大丈夫か?」
エッ!?
「何言ってるんですかヨハンさん!体調の心配はアスラさんじゃなく貴方でしょう!」
体調って?馬車酔いの心配か?
「いえ問題ないですよ、馬車酔いもしてないし、お尻も痛くないですし」
こっそりヒーリングしてます。
「いや、そう言う事じゃないんじゃが体調に問題ないならええ!」
「ところで、お二人にいくつか聞きたい事が、あるんですが質問してもいいですか?」
「ワシら二人に答えれる範囲なら、なんぼでも聞くがよい」
「ええ私も構いませんよ」
それから二人に、記憶の欠落を理由に、いくつか質問をした。
今から向かう国はヴァルトリア王国、国土も広く先代、今代の王の治世も良くかなり平穏な王国らしい。
逆に近隣諸国は、かなり小競り合いが絶えないため小規模な戦争もあるとか……
近年戦争を行いながら領土拡大している要注意国ダミアン王国が、かなりヤバイ国らしい。
うん、その国には行かない。
一応今から向かうヴァルトリア王国入国には入国審査があり入国税も掛かるらしいが、仮入国で3日以内に入国税を払えば問題ないとか。
恥をしのんで無一文とアルンさんに伝えたところ盗賊捕獲の報酬を全額くれるらしい。
いやそれは、ダメだって!一部でいいよ。
「アスラさん、まだ他に聞きたい事はありますか?」
「そうですね、まだいくつか聞きたい事は、あるんですが」
っと質問しようと思ったところ小声でアルンさんが話掛けてきた。
「アスラさん、記憶の欠落は嘘ですよね?他の護衛のメンバーは信じたみたいですけど、その身に付けてる身なりからして、この大陸の国々で見た事がない生地、この国、いえ恐らく この大陸の国の方ではないのでは?」
「うむワシも、そう思ったところじゃ……坊主外海から来たのか?」
なんとまー!鋭い二人の突っ込み!半分不正解だけど。
「あーまぁ問いただしたいとかじゃないので、色々事情もおありのようなので話たくない事は結構ですよ」
「うむ そうじゃな」
「確かに俺は、この大陸の者では、ないです。俺の住んでた国は周りを海に囲まれた小さい島国なんです。どういった手段でこの大陸に来たのかは言えないが、目的なら話せます」
嘘は言ってないよな
「うん!そうと分かれば話は早い!じゃんじゃん聞いて下さい。私 商いを営んでいるので、こう見えても人を見る目は、あるんですよアスラさんは人を騙して悪事を働くような悪い人間ではないと!」
ぁ なんか今ジ〜ンと来たわ
テレパシー(テレパス・人の心(思考)を読む事が出来たり、言葉を発さずに相手に話しかける事が出来る能力。