屋台フェス最終日
翌日以前治療の為滞在した時に使用していた部屋の中で軽く汗を流しながらカラダを動かしていた。
しかしお城暮らしも慣れたらクセになりそうで困るなぁ〜毎日フロに入れるのも考えもんだ。
前の世界では、それが当たり前だし、この世界じゃあ普段は濡れたタオルでカラダ拭くだけだし、旅の時は川とかでカラダ洗ってたからな。
少し贅沢がカラダに染み込んで鍛錬を疎かにしてたのもあったから屋台フェス終わったら欲しいモノもあるし旅を再開するか……
“コンコン”「アスラいるかい?」
「あーいるぜ、鍵は掛けてないぞ」
“ガチャ”「入るぞ」
「おはようバールド、何か用か?」
「ああ、おはようアスラ。アスラはフェスが終われば直ぐにこの国からいなくなるのかい?」
「あぁーフェスが終われば、この国とも一旦おさらばさ」
「そうか……淋しくなるな」
「そうか?俺はいつでも来れるから全然淋しくないぞ。バールドだってエリーゼ姫が居るから淋しくないだろ?」
「あ、いや それは……」
妹のルナの事だよ!アスラからしても僕と一緒で、妹扱いなんだろうな…ルナからしたら…王宮の姫と一介の医術師では結ばれぬか…
「どうしたんだ考え込んで、また悩みだしたら折角生えた毛も抜けてしまうぞ?」ニヤ
「アスラ!それは禁句だ!エリーゼ姫の前で髪の毛の事は言わないでくれよ」
アスラを見てたら人の心配より自分の心配だな、ごめんよルナ!兄にはこれ以上踏み込めない。
「で、姫とのデートはいつだ?今日か?」
「明日の最終日だよ。夜には、ちょっとした晩餐会もあるしね」
「へ〜晩餐会か、まぁ王族ではない俺には関係ないしな、その頃にはこっそり帰るさ」
「そうか…そうだな、すまない」
「別にバールドが謝る事じゃないだろ?俺は唯の客人だからな」ニヤ
バールドとの話も終わり、丁度ルナ姫様も朝の習い事の時間も近いと言う事で、サッサと2日目の屋台フェスを楽しみに出掛けた。
昨日周り損ねたところも見終わったし、俺の屋台を出す所も確認した事だし今日は帰りますか〜帰ったらまたカラダ動かすかな明日の屋台フェス待ちどおしいなぁ お客が綿菓子 どう反応するかも楽しみだしな。
・翌日屋台フェス最終日
「ねーねーアスラ!帰って来たらお土産に綿菓子いっーーぱい持って帰って来てね」
「あ〜 いっぱい作って持って帰ってきましょう」
ルナ姫様と約束した後に指定された場所へ屋台を取りに行き現地へ向かった。
既にタライのような器は屋台にセットされてるので引っ張って運ぶだけだ、後の材料は昨日リュックへ入れてる。
今更だけどこのバック便利だよなぁ〜ルチハとシャルの分も欲しいな、何処で手に入るんだろうコレ?
ダンジョンとかで戦利品として手に入るのかな?ダンジョンも行ってみたいな。
帰ったらヨハン爺さんにでも聞くか!
よ〜し昼前だけど現地到着!他の屋台で腹ごしらえしてから作業にかかるかな。
う〜満腹。よっしゃ綿菓子作り始めますか!
最初は客に目立つ様にカラフルな綿菓子を作り〜それを台の脇に綿菓子の棒が入る位の穴に一本ずつ差して見栄え良く目立つ様に並べて、ハイ完成!
後は客が気付いて買ってくれるのを待つばかり〜。
「にいちゃん、その綿菓子って お菓子なのか?」
「ハイいらっしゃい!そうですよ甘くて美味しいお菓子ですよ〜一本中銅貨一枚です」
「へ〜お菓子なのか〜じゃ子供の分と俺の分2本おくれ」
「ハイ、まいどあり〜口の中で直ぐに溶けるから注意して食べて下さいね」
おっし売れた!中銅貨一枚で安いのか高いのか分からないけど砂糖自体がいい値だから安いんだろな?
さて、さっきの客の反応は?
「おとうさん、これフワフワしておいし〜」
「どれどれ、おほ!これは、うまい!」
中々いい出だした。
「おか〜さん、アレ食べた〜い」
「はいはい、あら?これは食べ物なの?」
「はい、綿菓子と言う お菓子です。甘くて美味しいですよ」
「じゃ二つちょうだい」
「はいはい、まいどあり〜」
客が増えて来そうな予感、少し作りだすかな
「ホントに綿みたい、甘くておいしいわ」
「おか〜さん、わたがし おいし〜ね」
いい反応だ!っと、客がどんどん増えて来た!大急ぎで増量だー!
買ってくれた、客の反応が良くてリピーターまで来る始末!気付けば長蛇の列だー!
作って売っての繰り返しで休む暇もなかったけど、少し落ち着いてきたなフゥー
行列最後の客だ!
「何の行列かと思ったら、あんちゃんの店か!コレは綿みたいだけど食べれるのか?」
「おー あんたらか、綿菓子って言うお菓子で、もちろん食べれるぞ」
「アシュラ!7本くれ」
「まいど〜って、あんたら甘い物大丈夫なのか?」
「ウチのメンバーは、甘いモノ大好きだ」
「そうか」
厳つい獣人でも甘い物に国境はないんだね!
「うひゃー大将、コレふわっふわで、うまいっす!」
「不思議な食べ物だ!うまい!」
「何だこれー、口の中で一瞬で溶けたぞ!おもしれー食べもんだ!」
やいのやいのワイワイガヤガヤ
「アシュラうまいなコレ」
「オウガだったかな?うまいだろ。所で今日は腕相撲しないのか?」休憩かな?
「アー、二日間で たんまり稼いだからな今日は観光だ」ニヤリ
「へ〜そうなんだ〜」
オウガに勝てる奴いなかったんだ。
「アシュラ、お前は商売人なのか?」
「あ、俺?旅の冒険者兼たまに商売人さ」
「ホ〜冒険者なのか、獣人の国に来た事があるか?」
「行ったことないな」
どこにあるんだ?
「そうか、オレ達は普段獣人の国を拠点にしている、獣人の国に来るような事があれば、オレが国を案内してやる」
「ほ〜それは有難い、寄るような事があれば、あんたを頼るよ」
「じゃあな、待ってるぞ」
ゾロゾロ
あらら行っちゃった、さっきのは何だったんだろ?待ってるぞって?社交辞令かな?
さてと客が増える前に綿菓子作っとくか。
作りながらアレコレ思う、やっぱりこの世界には綿菓子は無いようだ、せめてビニールでもあれば お持ち帰りも出来るんだけどな…
ん?前から知ってる奴が来る…
「アスラ、綿菓子を彼女と私の分お願いする」
「お、バールドと姉ちゃんか2本だな、ほいサービスだ」ニヤ
「アスラ、いくら私達が王族と言っても それは困る。しっかり料金は支払うよ」ニコ
「そうよアスラ君」ニコ
「そうか?そうだな、すまんな」
見せつけるようにイチャイチャしやがって!
「へ〜これがアスラ君が作ったお菓子なんだ〜、本当に綿の様に見えるわ」
「私も一度アスラに無理言って試食させてもらったけど、凄く美味しいよ」
「いただきます」
本当は外で食べるのは王族として、はしたないけど今日くらいは、いいわよね。
「あ、口の中で綿が消えたわ?でも甘くて 美味しい」ニコ
「では私も、パク…ん〜不思議な食感だぁ アスラの綿菓子は、本当に美味しい!」
「お前ら食べたら、サッサとデートの続きしてこい!綿菓子気に入ったなら後で、お城に持って行ってやるからシッシ」ニヤ
「そうだなエリーゼ姫 時間ギリギリまで楽しみましょう」ニコニコ
「はいバールド王子。じゃまたねアスラ君」
ニコニコ
ハァ〜あいつら見せつけやがって!なんか一気にやる気抜けたー。
「ルナ姫様の綿菓子作ったら帰ろうかな…」
結構作ったな、取り敢えずバックの中に入れて片付けようかな、今日はもう閉店!
「もう閉店か?」
「あー見たら分かるだろ、今片付けてるとこ」
爺さんか、護衛しろよ
「何じゃ折角小僧が作った綿菓子と言う物を食しにきたのに、姫様もう閉店らしいですぞ」
「姫様?」
爺さんの後ろに隠れる様に…あらま!
お姫様じゃないの!
「お姫様も来てたのか!」
お姫様の護衛か。
「はい…」
「陛下から、お許しが出たのでな」
「王様も娘2人に甘いなハハ」
「姫様、ワシは少々歩き疲れたので近くのベンチに座って休憩して来ますじゃ、暫くしたら戻って来ますので小僧と話でもお願いしますじゃ」スタスタ
あらま!行っちゃったよ、爺さん。
一応人目もあるから、余りお姫様とかって呼ばない方がいいよな。
「ユーリア!」
「え、はい」
今名前で!
「はい!綿菓子食べて感想聞かせて」ニヤ
「はい、アスラさん」ニコ
「どうだ?」
「フワフワで不思議なお菓子ですね。でも甘くて美味しい」
「喜んで貰えて良かった」二〜
「アスラさん、前に頂いたコーシーとこの綿菓子は、アスラさんの世界のモノなのですか?」
「そうだぜ。この世界で探せばもしかして、あるかもしれないけどな」
「アスラさんは、この世界での目的が叶えば元の世界へ戻られるのですか?」
「いや、帰らないぜ。と言うか目的が終わる終わらない関係無しで帰れないと思うんだ」
「本当ですか?ずっとこの世界へ居て下さるのですか?」
「あー死ぬまでずっとこの世界にいるよ。って何の話だ?」
「私アスラさんと初めてお会いした時から貴方の事が…ボソボソ」モジモジ ポッ
「え、初めて会った時って目が見えなかったんだろ?」
「私は目がずっと見えなかった事もあり声を音で感知する事が出来たのです」
声を音で?音で様々な事を識別、認識できる能力か、なまじ視力が無い分 魔力で聴力が強くなったんだ…
「貴方のアスラ様の音は今まで聞いたどの音より 誰よりも優しく温かいモノでした…でもそれだけでは ありません。貴方はずっと暗い闇の中から私を救ってくれたのです。だから貴方の事が…」
「ごめんユーリア…………」
「え…」
アスラ様…
「ごめんユーリア、恥ずかしい話だけど俺もなんだ」
「え、え?」
「俺もユーリアと初めて会いユーリアと話してるうちに好きになったんだ」
「アスラ様…」カー
「でもなユーリア、俺はもっと旅をして世界を見たい!そしてもっと強くならないと俺と関わった奴等を守れないんだ。勿論ユーリアもだ、だからその時にユーリアの気持ちが変わってなければ俺はユーリアを攫いに行くぜ!」
「はい、アスラ様!」
爺さんのわざとらしい演出のせいで、知らない内に告白タイムになってしまったじゃないか!あ〜恥ずかしい。
でもお姫様の気持ちも聞けたし俺の気持ちも伝えれたから良かったのかな…?




