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夜の茶会

「あーめんどくせー」


 などとボヤきながら夕飯後「やすらぎ亭」を出た俺は、お城がある方までブツブツ言いながら歩いている。

 今日は歩きの移動ばかりだな……お城でヨハン爺さん何の話なんだろう……話をする場所が場所なだけに厄介事決定だ……

 なんか帰りたくなったなぁ

 あ、色々考え事しながら移動してたから、もう城の前だし ハァー 諦めて行くか。


「あの〜」

「止まれ!ここより先は許可がある者しか通れんぞ、用がないなら今すぐ立ち去れ!」

「あの〜ヨハン爺さんにココに来る様に呼ばれたんだけど」

「何、賢者(ヨハン)様に……貴様名前は?」

「アスラだけど」

「アスラ殿ですか、失礼しました。話は賢者(ヨハン)様から伺っております」


 おー話しは通ってる見たいね別の兵士に連れられて、城内からはキレイな侍女(メイド)さんの案内にチェンジ!迷子にならない様、侍女(メイド)について行った。

 侍女(メイド)さんに連れらて移動してると、キレイな侍女(メイド)ばかりじゃないの!すれ違う時微笑みながらお辞儀してくれる、こう言う職場ってイイよなぁ。


「こちらの部屋で寛いでお待ち下さい。準備が整い次第お呼びしますので」ペコ

「はぁ」


 この部屋じゃないのか、まぁイイや待ってよ

 待つ事数分「コンコン」ん?ノックだ誰か来たのか


「ワシじゃ入るぞ」

「あ〜なんだヨハン爺さんか」

「うむ、もう暫くしたら別の部屋へ移動する。そこでは王族の者と一部の者しか入れない部屋じゃ」

「そんな部屋に何処ぞの馬の骨か分からない俺なんか入ってイイのか?」


「うむ、陛下の御意向なのでな」

「ふ〜ん、じゃあ相談事も王家絡みなんだな」

「うむ、その件も含めて部屋へ移ってから話しをしよう」


 あ〜なんか嫌な予感がする……


 コンコン!「失礼します。準備が整いましたので私どもに付いていらして下さい」ペコ


 侍女(メイド)さんに連れらて行った先の部屋の前、なんと豪華な扉だこと。

 部屋の前には護衛の騎士さんかな?複数待機してるし、えらいこっちゃ!


 部屋へ入ると、これまた豪華な室内!辺りを見れば見知った顔何人かと、一人知らない綺麗な女性……多分 お姫様のお母さんじゃないかな?

 王様の後ろで控えてるのは近衛の隊長さんだっけかな?名前忘れた後は王族と爺さんだけか……あの金髪イケメンは、お姫様の兄ちゃんか?


 う、少し緊張の虫が騒ぎ出した……ここは開き直って、最悪何かあればテレポで逃げよう。


「アスラ殿良くいらしてくれた中に入って寛いでくれ!」

「はぁ」

 王様態度変わってら

「アスラ様お掛けになって下さい」ニコ


 お姫様!様付け禁止だって言ったのにハァ…

「初めての方も居られるので、アスラといいます、初めまして」ペコ


「初めまして(わたくし)ユーリアの母エレナです。一応この国の王妃もしていますわ、この度はお忙しい中良くいらして下さいました。心から感謝致しております」

「はぁ…」


 一応王妃だって!何か皮肉まじってるね、王様が俺に対してやらかした事の当てつけなんだろね。

「この度は、陛下に変わりユーリアの母としてアスラ殿には非礼のお詫びと、娘ユーリアの目の治療をして頂き心から感謝しております。アスラ殿本当にありがとうございます」ペコ


 あらま、王様差し置いて!

「エレナ、それは余が言う台詞だ、アスラ殿以前の非礼申し訳ない、そしてユーリアの目を治療してくれて、ありがとう」ペコ


 え〜俺なんかに王族がペコペコ頭下げたらダメじゃないの?


「あ〜王族の人がそんな頭下げなくてもいいですって、俺も感謝されたくて お姫様治したんじゃないから……って、王族の人にこんな言葉つかいマズかったかなハハ」


「良い良い恩人のアスラ殿にそのような事で余もいちいち腹も立てぬ、ましてここには身内しか居らぬ堅苦しいのはなしだ、いつも通りで良い」ウンウン


「アスラ君、私はユーリアの兄ディーンです。先日は不愉快な思いをさせて申し訳ない、そして私からも言わせて欲しいユーリアの事、心から感謝する、ありがとう」ペコ


「ハハ……もういいって……」

「小僧諦めるんじゃなワシが言うのもなんだが、ここに居る一同皆姫様を心から愛していると言う事じゃ」

「まぁ お姫様を見ればわかるぜ、これだけ素直な優しい性格な子、周りから本当の愛情がないと、こんなにいい子に育たないからな。普通いいとこのお嬢さんなんて私は不運に生まれたとか周りが悪いだの人のせいにしてワガママに育つもんだ。そんな子じゃ治す気にもならんからな」

 うん、ドラマや漫画じゃそうだった。


「……」ポッ

「ちょっとアスラ君!ユーリアを褒めすぎよ、ユーリア赤くなって固まってるじゃない」


 あらま〜ホントだ。って、それ爺さんが心から愛してるとか恥ずかしいセリフを言ったからじゃないの?

 あれ?みなさん目が点になってるし 何かまずい事言ったかな?


「ハッハッハ愉快だ!アスラ殿其方 一度しかユーリアに会ってないのに、それに気付くとは大したものだ。しかもユーリア以外の事も何処かで見た事のある口振り其方は不思議な男だな」

「はぁ…」

 やべ 調子に乗って喋り過ぎたかな……


「陛下お茶の用意も出来たようですじゃ」

「うむ用意致せ」

「アスラ殿いえ、もうアスラさんで良いかしら?」

「王妃様、呼び捨てでもイイですよ」

「いえ アスラさんとお呼びしますわ。アスラさん甘い物とか大丈夫かしら?」


「あー 全然平気ですよ、むしろ大好きです」

「まぁそれは良かった。料理長に美味しいケーキなどを作らしたので食べて下さいね」

「はい」

 お、ケーキだって!この世界に来て初のスウィーツ、異世界のケーキって、どんな味だろ?


「あ!じゃあケーキに合うお茶 俺が用意してもイイかな?」

 リュック(マジックバック)持って来て良かった。

「え、アスラさんが?」

「はい、熱いお湯を貰えるだけで良いので」


 え〜と、砂糖、ミルクはあるな……カップは紅茶用かな?まぁなんでもイイや


「まぁ見ていて下さい」

 いつもの手順でバックからコーシーセットを取りだして〜コーシー豆をミルで挽き「ゴリゴリ」挽いた豆をネル袋へ入れセット完了!


 チラリおー全員コーシーに釘付けじゃないの!王様と爺さんはクンクン匂いを嗅いでる

 よ〜し次行ってみよう。

 セットしたコーシーに熱いお湯を少し注ぎ軽く蒸らしたら徐々にお湯を注ぎ〜この鼻をくすぐるこの香りたまら〜ん!


「ハイ!出来上がり〜コーシーを淹れました。皆さん香りを楽しみながら一口飲んで下さい。口に合わないようなら好みで砂糖とミルクを入れたら、また違う味わいになるよ」

「小僧この黒い液体は何じゃ?」


 黒い液体って酷いなぁ

「それは、コーシーだぜ。毒なんか入れてないから大丈夫さ」


「美味しい……アスラ様!これ凄く美味しいです!それに(こう)ばしくて良い香りまでします!」


 お、お姫様は通だなブラックで飲んでる。

 お姫様が飲みだしたから順に飲みだしたな


「なんと!コレはうまい!」

 どこで入手出来るか後でアスラ殿に聞くか

「本当に、こんな美味しいお茶初めてだわ」

「ふむ、何とも良い香りじゃな、しかもこの癖の無い苦味がたまらんの〜」


「そうですね僕、いえ私もこの苦味と微かな酸味がとても美味しく感じますね」

「私は、そのままでも美味しいく感じたけどミルクを入れた飲み方が好きだわ〜ケーキを食べた後飲んだら余分な甘みを洗い流す感じがするわね〜」


 姉ちゃんも結構食通なのか?みんなケーキ食べながらコーシー試してるしニヤ

 あ〜この和やかな流れで相談事スルーしないかな〜良し話題を振らないようにしよう


「隊長さんも一杯どうぞ。ハイ」

「いえ私は護衛の身であるのでお構いなく。気持ちだけ頂いて置きますアスラ殿」


「ギブソン!」

「ハッ!陛下」

「構わぬ其方もコーシーを飲むが良い。こんな美味しい飲み物、今飲まないと後で後悔するぞ」ニヤ

 ギブソンの奴もビックリするぞ


「ハッ、陛下ありがとうございます」ペコ

「ギブソンそんなに堅くならなくても良い」

「ハッ、陛下!アスラ殿、陛下のお許しも頂けたので、有り難く飲ませて頂きます」

「隊長さん、まだ堅いですって楽にしましょ 俺なんか開き直ってるんですよ」


「ハハ…では、頂きます。"ゴクリ"……!うまい!これは……"ゴクリ"……うまい!」

「どうだギブソン?飲まなかったら後悔してただろう?」

「陛下のおっしゃる通りです。これは本当に美味しい、アスラ殿ありがとう」ペコ


「いえいえ お代わり欲しい人は幾らでもあるんで言って下さい。では俺もケーキを頂きます!」パク

「!うま〜い、このケーキ美味い!」パク

「うほ〜最高にうまい!コーシーにも合う」

 うわ〜マジこのケーキうまいわ〜異世界料理、スウィーツまで美味いとは……ブツブツ


「そう言えばアスラさんは、日の和ノ国出身らしいわね」

「ん、いや俺は日本しゅ……ぁ」

 あ、やべケーキに夢中になりすぎた……今の聞かれたかな……知らん顔しとこ


「爺、アスラ殿は日の和ノ国の者では無いじゃないか」

「ハ、陛下。それはあくまでワシの予想と言うておった筈じゃで……小僧お主、今()()()と言うたな?」


「いや何の事だろ……」

 うわ〜何か場が静まりかえって注目されてる


「小僧お主、()()()()じゃな」

「爺それは誠か!」ザワ

「え、アスラ様……」ザワ


「…………」

 あ〜絶体絶命ピーンチどうやって誤魔化す?


「嘗て500年前にこの世界へ召喚された勇者と賢者のお二方カツヤ様ケンジ様の召喚前の出身国が『ニホン』とワシの持つ文献に記載されておる!」


「ハハ……そんな物まで500年前から残っていたのか……もうここまできたら隠しようがないな……」

「ではやはりお主は……」

「爺さんの言う通り異世界人だよ……」


「なに!それは真実なのかアスラ殿!」

「あー 間違いない、本人が言ってるんだからな。だから元々この世界の人間じゃないから魔力が無いんだ……」


「小僧ちとそれは、間違っておるんじゃあ無いか?カツヤ様とケンジ様共に二人魔法を使い魔王と闘ったと記載されとる」


「あー それか、どう説明したらいいかな〜ん〜基本異世界に召喚、転移、転生する者はチート能力として授かる力があるんだ。剣技だったり、魔法、後は固有スキルとか、異能もかな?」

 漫画、アニメ、小説では、そうなんです。


「ふむ、そのチート能力と言うものが理解し難いが、お主には魔力が無く別の力を授かったと言う事かの〜」


「いや俺の能力は前の世界から俺自らが持ってる力だぜ」

 魔力がなくても超能力は使えるぜ!

「アスラ殿、余から質問だがひとつ聞いても良いか?」

「あー 俺が答えれる事なら」

「アスラ殿は、()()()から召喚された()()殿か?」


「ん?彼の国?勇者?何だそれ。俺は召喚じゃなく転移して、この世界に来たんだぜ」

「では、()()()()()も知らないと……」

「ん?その言い方って勇者が召喚されたのか?」


 ウハー衝撃な事実!勇者召喚されたんだ。

 どんな奴だろ?やっぱ魔王と闘う為に召喚されたのかな?……ん?魔王……この世界に魔王って……まさか魔王復活とか新たな魔王誕生!?


「うむ、()()()より()()は召喚されておる!しかしアスラ殿が()()の一行でないのは、せめてもの救いだ」

「はぁ?どう言う事?」

 全く分からん

「その()()なのだが……我が国の情報では()()として有るまじき行い振る舞いが絶えぬのだよ……アレは()()では無い……」


「王様、少しその辺の事俺に話してくれないか?」


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