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再び商業ギルドへ

 商業都市へ到着した俺はまず始めに商業ギルドへ向かう事にした。


「今日は、どう言ったご用件ですか?」

「え〜と、ギルマスか副ギルマスに会いたいんだけど取り次いでもらえないかな?」

「少々お待ち下さい」ペコ


 この受付嬢は礼儀イイね、中々教育出来てるじゃないの。

 待つこと数分で副ギルマスの名前何だったな?……まぁイイか、婆さんがやって来た。

「おや?お前さんはアスラじゃあないかい」

「ああ お久しぶりです」ペコ


「お前さんが急に居なくなってから連日"マッサージ屋は何処行った"って問い合わせが凄かったんだよ」

「あー急な事で連絡するの忘れてたなハハすまない」

「で、今日はどんな用件だい?」

「ここじゃあ……ちょっと個室で話したいんだが?」

「ん?そうかい、余程大切な話なんだね、じゃあ爺のとこで話し聞こうかい。付いといで」


 そしてまたまたギルマスの居る部屋まで付いて行くことになった。


 コンコン

「あたしゃだ入るよ」ギィ〜

「何じゃエンザ婆、ん?後ろにいるのはアスラじゃあないのか?」

「あーご無沙汰してます」ペコ

 そうそう エンザ婆さんだ


「マッサージでも してくれるのか?」

「いやいや大事な話があって」

「何じゃつまらん奴じゃな」

「話が終わってからでも イイならするぞ?」

「じゃあまず話を聞こう」ニコニコ


  調子狂うな、この爺さん……

「話と言うのは、()()()()の事なんだがギルドで信用おける商会を紹介して欲しいだがな」

 なんかダジャレみたい……


「ふむ、()()()()ねぇ その()()を見せて欲しいが直ぐに用意出来るのか?」

「あー直ぐに用意出来るぜ」ニヤリ

「お前さんの自信満々の笑顔は怖いねぇ」

「酷いなぁエンザ婆さんは、(ニヤ)さてと商品だったな、エンザ婆さん悪いが沸騰した お湯とカップをもらえるかな?」

「お茶でも淹れてくれるのかい?」

「まぁそんなもんだ」


  エンザ婆さんが お湯の用意をしてくれてる間にバックからコーシーのサンプルとミルなどを取り出してテーブルに置いた。


「アスラこれは何じゃ?」

「これが今回の商品だ」

 俺はコーシー豆を指差す

「これが?この豆みたいな物が商品?」

「あーコーシーノキから収穫したコーシー豆さ、まず匂いを嗅いでくれ」

 クンクン「コーシーの実じゃなく豆か?何とも(こう)ばしい(かお)りがするの〜食べ物か?」

「いや飲み物さ、まぁ見ててくれ」


 コーシー豆を用意したミルへ入れハンドルを回転し挽く「ゴリゴリ」それをギルマスに もう一度嗅いで貰う「おお香りが増すの〜」それを用意してもらったカップにネル袋をセットし挽きたての粒を入れ お湯をゆっくり注ぎながらコーシーを淹れた。


「さぁ出来上がりだ。二人共香りを楽しみながら飲んでくれ」


「おお〜何とも良い香りじゃ"ゴクリ"む!う、うまい!」

「ほ〜そんなにうまいのかい?じゃあたしゃも頂こうかい」ふぅ〜ふぅ〜 ゴクリ

「こ、コレは何とも、ほのかな苦味とコク、程よい酸味まであるじゃないかい」


「エンザ婆って結構舌が肥えてるんだハハ」


「アスラ!何処で仕入れて来たんじゃ?」

「そんなに慌てなくても後で教えるから、で商品としての価値はどうなんだ?」

「商品としての価値は大ありじゃ!」

「あたしゃが思うには、お茶業界で革命が起きるんじゃないかい」

「ああワシもそう思う……こりゃ大変な事が起こりそうじゃ」

「またまた大袈裟な、たかがコーシーくらいで革命なんて」

 ニヤ 実は思っています。商業ギルドから、それを言わすのが目的なんだわ。


「ゴーン爺 丁度良い機会だし奴を紹介しては、どうだろう?」

「ふむ奴か……奴の商会なら 上手くこの件は捌けるじゃろうな……」


 ギルマスの名前ゴーンなんだ初めて聞いたなハハ……しかし奴って誰だろ?


「その()って何者なんだ?信用おける奴なのか?」

「ふむ、その者は王都で大きな商会を営んでる者で近々この商業都市で支店を出す予定何じゃ、信用おけん奴に支店など出させんからな」

「ふ〜ん、まぁ俺は信用おける奴なら誰でもいいがな」

「うむ、信用だけで これだけ大掛かりな事は任せてられんでな、規模によるわな」

「まぁ上手く売り捌いて貰わないと、こっちも困るしな」ニヤ


「ふむむ、奴がこの都市に到着するのが明日か明後日じゃから……アスラすまんが2日後に、またここへ来てくれんかの?」

「あー構わないぜ」

「そうか、すまんな」

「アスラちょっと いいかい?あたしゃこのコーシー気に入ったでな、少し置いていって欲しいもんだが、無理かい?」


「あー構わないぜ。俺が来るより その客が来る方が早いんなら飲ませてやってくれ。じゃこのコーシーセットもサービスで置いて置く、後で回収するけどな」

「あたしゃが責任持って管理するよ」ニヤ

「おっと、大事な事を伝えるの忘れてた」

「まだ あるのかい?」


「ああ コーシーの別の飲み方さ」

「な、何じゃとー!」ガバッ

「爺さん興奮しすぎだって」顔近いって

「アスラ早く教えておくれ、あたしゃすぐに試して飲むから」

「な〜に簡単な事さ、砂糖とミルクを好みで入れるだけさ、コーシーの苦味が苦手な者にも受け入れ易くなるはずさ」

「ほ〜ほ〜良い事を聞いたの〜」


「ただ飲み過ぎ注意だ、コーシーには眠気覚まし効果があるからな、そこを上手く利用すればもっと効果が出るんと違うか夜通し仕事する奴とかに」ニヤ

「アスラは商売上手じゃな」ニヤ

「じゃ俺は帰るぜ、2日後にまた来る」



 そして俺は商業ギルドを後にした。

「ん?なんか忘れてるような……?まぁいいか」



 アスラの出て行ったギルマス執務室では


「しかし あのアスラとかいう者中々面白い話ばかり持って来る奴じゃな」ニヤ

「ふむ、次から次へと儲け話ばかりな」ニヤ

「ゴーン爺顔がニヤけとるぞ」

「エンザ婆もニヤけとるじゃないか」

 ハッハッハ

「あっ!」

「いきなりどうしたんじゃゴーン爺?」

「彼奴マッサージせんと出ていきよった!」

「あたしゃは気付いとったぞ」ケケケ

「なんじゃとー!」


 ギルマスの大声は一階の受付まで響きわたる大声であった。今日も元気なギルマスでした。

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