宝の山その1
「じゃあな」シュン!
《《《ギャーーーッ!》》》
「大丈夫か?」
みんなビックリしすぎだって!
ガクガク「アスラお兄ちゃん今のが瞬間移動なの?」ブルブル
「ああ そうだぜ、怖かったか?」
《《《うんうん》》》ブルブル
「ハハ、すまなかったな。少し歩いたら目的地だから、みんな俺から離れないようにな」
《《《はい!》》》
「アスラお兄ちゃん今から行く処は、どんな所なの?」
「今から行く処はな、老人ばかりの村で優しい爺婆が居る所かな。バーベキュー用の炭も そこで作られてるんだ」
「あ、あの蒔きと炭がそうなんだね?」
「ああ そうだ。お、見えてきたぞ」
山道を少し歩いた先には目的地の村が見えて来た。村の入口には、沢山のお爺さんお婆さんが手を振ってる。彼処がアスラお兄ちゃんが言っていた村なんだね。
《《《おーいアスラ〜子供達〜》》》
「アスラよく来たな待ってたぞ」
「ああランゴ爺さん。しかし村人全員でお出迎えとは、張り切りすぎだなハハ」
「何言うとんじゃアス坊、可愛い子供達を出迎えに決まっとろうに」ニコニコ
子供らの前でアス坊は、やめてほしなハハ
「そうか?まぁイイか、みんな〜挨拶して」
《《《こんにちは〜》》》
「おおー!ええ子ばっかりじゃの、よう来た」
「アスラ立ち話もなんだから、村の中へ入らんか?みんなに茶でも出そう。その時に色々聞こうか」
そして俺達は村の憩いの広場まで行き、これまでの詳しい経緯を村人達に説明した。
貴族に対して本気で怒っている者、心配している者、解放出来て喜ぶ者様々だ。
何故子供達が奴隷になったかを話すのは正直辛かったが行く当てのない彼等の為と思い話をした。
正直俺が面倒を見るのが筋なんだけどな、この村に若い子供を住まわせた方がお互いに幸せになれる様な気がした。それを理解してくれた、ここの村人達は本当にいい人達だ。
「アス坊それで、この子達は もう奴隷じゃなくなったんじゃな?」
「あーその辺はキッチリ解決している。で例の件はどうなんだ?」
「ああ問題ない、村人全員子供達を受け入れるぞ。逆にお願いしたいくらいじゃよ」ニコ
「アスラが先日急に村に来て子供達を受けいれてくれって言うた時はビックリしたがわしらは大歓迎じゃ」ニコニコ
「それは、ありがたい。が、まだ子供らの意見を聞いてないんだ」
「アスラ何やっとんじゃ!」バカタレ
「あーすまん、バタバタしてたからな。と言う事で、お前ら急にこの村に連れて来たけど、どうだ?この村に住むか?マイクお前 この子らの兄貴分だろ?どうする」
「……お兄さん それは奴隷として、ここで生活しろと言う事なの?」
「バカだなぁ 折角奴隷じゃ無くなったのに奴隷に戻す訳ないだろ」
「じゃ普通に生活してもいいの?」
「もちろんだ!」
《《《ワー!!》》》
歓声が凄い
「だがな、もちろんそれなりに働いてもらうぞ」
「うん、なんでもするよ。なぁみんな」
《《《うん!》》》
「そう言う訳だ ランゴ爺さん頼めるかな?」
「わしらは全然構わんよ。働くのは成長してからでも、ええしな」
「そうだ!ルチハ、シャルちょっと手だしてくれ」
「え、はいアスラお兄ちゃん」
「アシュラにぃ、はい手!」
「ちょっと待ってな」
確か王都の魔導師さんが呼吸分だけ魔力あるって言ってたな。おーきく息吸って吸って〜
「解放!」
おー奴隷紋が薄れていく
「あー奴隷紋が消えた!アスラお兄ちゃん、これって……?」
「ああ お前達2人共もう奴隷じゃないぞ、まぁ俺は元々奴隷とは思ってなかったからな。すまんな流れで一時的にでも奴隷にしてしまって悪かった」ペコ
「ん〜ん 私達は お兄ちゃんがご主人様なら全然平気だよ」ポッ
「シャルも〜アシュラにぃが、ごしゅじんしゃまでもいいよ」ニパ
「そ、そうか……まぁもう奴隷じゃなくなったんだからルチハ達もジックリ考えてくれ、ここに残って生活するか?」
「お兄ちゃんは私達が居たら邪魔なの?」
「いいや邪魔じゃないよ、ただ俺は元々旅人だからな付いて来るなら、それなりの覚悟が必要なんだ。決して楽じゃなく危険な旅だからな、俺が守れる範囲は守る、だが自分の身を守れる術も身に付け欲しいのは本音だ」
「……」
「まぁ今すぐに答えを出さなくでもいい、俺がこの村を出るまでの間ゆっくり考えてくれ」
「…うん分かった…」
私は何があろうと、アスラお兄ちゃんに付いて行く。でも足手纏いにはなりたくない。私と妹のシャルにも出来る事を考えなくちゃ!もう守られるだけじゃなく、アスラお兄ちゃんの役に立つように……
「アスラもう話はいいのかの〜?」
「ああ すまん。こっちの話はもうイイぜ」
「そうか、じゃあ話をしようかい。子供達も聞いておくれ、この村は見ての通り年寄りばかりじゃ 若い子供達が住んでくれるのは大歓迎じゃ、この村に住む者全員の意見で間違いない、信じてくれたかな子供達」
《《《はい!》》》
「ただの〜この村には町に売る炭、薪木、狩猟をし皮を売ったりとしか生活する術がないんじゃよ。食うには困らないがの〜ただそれだけなのじゃ贅沢は出来ないが、それでもええと言うなら、この村に住んでおくれ、どうじゃ子供達?」
「ぼくらはそれでもいい!」
「私達も!」「俺達だって!」
「お爺さんお婆さん、俺らは贅沢なんか望んでいないんです。ただ人らしく生活したいだけなんです!」
「ふむふむ、よ〜分かった。改めて言おう 子供達よ、この村に住んでおくれ」
《《《はい!》》》ワー ワー ワー
「おーい、盛り上がってるとこ悪いんだけど、ちょっとイイか?」
「なんじゃアス坊、みんなが盛り上がってるのに不粋な奴じゃな。で、なんじゃ?」
「え〜とな、贅沢出来るかどうか分からないが、もしかしたら贅沢出来るかもしれないぞ。多分」
「アス坊、こんな何も無い山で贅沢出来る訳なかろうに、何を寝ぼけとるんじゃ?」
「はぁ?」
「何言ってんの、この山って宝の山じゃん」
《《《《《はぁ〜?》》》》》