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アスラ決行する

  一週間後


  さて今夜が最終仕上げだな。

「ルチハ、少しベッドで横になるから一時間後頼むな」

「うん、分かった」

 そしてアスラお兄ちゃんは眠りに入った、でも寝てないよね?

 お兄ちゃんに理由を聞いても「大丈夫、心配するな」しか言わないし。


 でも優しさは変わらない、今朝も「今日は休みな少し出掛けて来るから。昼までには帰る」って、帰って来たらお土産って、大量の肉、薪、炭を持って帰って来たし、アスラお兄ちゃんどこ行ってたんだろ?

 宿屋のおじさんも、お土産貰って「明日が楽しみだな」って何だろ?

 あした何かあるのかな?




 その頃 幽体離脱したアスラは、とある大きな屋敷に来ていた。


「ヒィ 助けてぇお願いだからー」

 ガクガク

『ふははは 貴様に殺された怨み易々と許せるものか〜』

「ヒィゆ、許してくれ!」

 ガクガク ブルブル

『毎夜毎夜貴様の元へ訪れて呪い殺してくれるわー覚悟しろ!」

 普通考えたら幽霊かどうか分かるだろうに


「ヒィィィ」ガクブル

 何故私が、こんな目に!

 あの役立たずの除霊師どもめ!幽霊一体除霊出来ずに逃げ帰りやがって!

 他の貴族達もやってる事じゃないか!奴隷を犯そうが殺そうが!

『ほぅ、他にも お前の様な奴がいるのか〜?』


「ヒィ!」

 考えてることが……アワワ

『貴様の次は、その貴族だな〜 さっさと呪い殺して、次の貴族の元へ行くか ふははは』

「ヒィ!!お願いしますお願いします何でもします何でもしますから、どうかゆるじでぇええ え あうあああ」

 ジョロロロ


 いい大人がオシッコ漏らすなよ汚いな

『ほぅ 貴様許して欲しいか?』

「はひぃ なんでもじまずからー」

 ガクガク


『ほぅ 何でもしてくれるのか?』

「はひぃ!何でもゆうことききまずー」

『じゃあこの場で自害しろ!』

「ヒィィそ、それだけはかんにんじてー!それ以外のことなら何でもじまずうう」


 バカだね〜幽霊が交渉なんかするかって!


『……では、明日にでも貴様の屋敷で玩具の様に虐待している奴隷を解放しろ!』

「ヒィわ、わかりましたああ!で、ですがあの人数をいきなり解放したら……あわわ」


『そうだな、治療も無くいきなり解放すれば、貴様の奴隷に対しての扱いが明るみになるな』

「はひぃ!治療してから徐々に『貴様、今すぐ呪い殺すぞ』ヒィ」


『明日全員解放しろ!私に良い考えがある』

「はひぃそれはどんな?」

『貴様が以前虐待し捨てた狐人の姉妹を憶えているか?』

「はひぃ!憶えています。いきなり逆らってきたので指を全部切りおとした姉妹ですね!」

『………』

 こいつマジ殺したくなったわ


『その姉妹を今話題のマッサージ屋が引き取ってるようだ』

 自分で話題とか言っちゃったよ。

「おーどんな肩凝りも一瞬で治すマッサージ屋ですね。私もお願いしたい」


 お前にお願いされたら揉むどころか、絞め殺すぞ!


『そのお人好しなマッサージ屋に全て押し付けてしまえ!元々流浪のマッサージ屋だ、すぐにこの都市から居なくなる、噂も流れる前に消える。人通りの少ない朝などに押しつけるのがイイ!』

「はひぃ!わかりました!」

『解放する奴隷達の奴隷紋全て解除しろ』

「はひぃ必ず!」

『貴様が嘘を吐いても私には通じないからな、明日の()()怠るなよ』

「はひぃ!」






 "ピピピッピピピッ"


「アスラお兄ちゃん」ユサユサ

「アシュラにぃおきてー」ユサユサ

「あーただいま」

「あ、起きた!」

 アスラお兄ちゃん、「ただいま」ってどういう事だろ?


「よーし準備出来たぞー!明日が楽しみだな」

「アシュラにぃ何かいーことあったの?」

「うん、お兄ちゃん今日はいい笑顔してる」

「あー」

 俺って顔に出易いのかな?


「明日露店にお客さん来るんだ」

「それは、いつもの事でしょ?」

「あーそうだな、今日はもう寝よか」

「うん、アシュラにぃとねるー」

「わ、わ、わたしもー」ポッ

「あぁ一緒に寝よう」


 この2人の心の病も ほぼ治ったし、また明日から忙しくなりそうだ。

 宿屋の主人にも協力して貰えるし準備はバッチリ!さー明日に備えて寝ますか、おやすみ





 ♢ ♢ ♢


 翌日


「親父無理言ってすまない」

「あー気にするな準備はしておくからな」

「アスラお兄ちゃん準備って?」

「あー秘密だフフ さぁ露店広場に向かうぞ」


 お兄ちゃんと宿屋のおじさん何を隠してるんだろう?凄く気になるけど、後でちゃんと教えてくれるって言ってたし……


「2人共歩きながら聞いてくれ」

「アシュラにぃどうしたの?」

「今から露店広場に来る客なんだけど、以前お前達2人の元主人なんだ」


 ビクッ!

「それって、私達を売るの?……」

「心配しなくていい。お前達2人は俺の大切な俺の妹だからな」

 ホッ「でもどうして……」

「お前達が今幸せだってとこ、見せつける為にな、嫌なら隠れてても構わないぜ」

「うん大丈夫!アスラお兄ちゃんに出会えて私達とても幸せなんだもん」

「シャルもーアシュラにぃといて楽しー」

「何かあっても俺が守ってやる」





 ♢ ♢ ♢


 露店広場


 相変わらず朝早いのに賑わってるな

「さぁそろそろ来るんじゃないか?」


 おーおーこんな場所に馬車で来て。


「おい貴様、マッサージ屋か?」ギロリ

「はい、そうですけど」

 プッ 偉そうにしちゃって、お漏らし野郎が!


「ん?貴様の後ろに居る者は!」ギロリ


 《ビク》


「貴族の旦那様、余り私の妹達を睨まないで下さい」

 この糞野郎

「ふん」

 やはりこいつが幽霊の言っていた奴か、お人好しのバカ野郎だな ふははは


「………」

 テレパシー解禁してるから、丸聞こえだよバーカ!

「で、私に何か用でも?マッサージの依頼ですか?」

 頼まれてもしないけど。


「ふん、貴様に渡したい()がある」

「はぁ?」

 ワザワザ()って強調するなボケ!物じゃなく者だろ、お前の考えは透けてるだよ殺すぞ。


「おい御者!全員おろせ」

「へい、旦那様」

 ゾロゾロゾロゾロ


「え、え!?」

 えー私の目の前に、奴隷の時に一緒に過ごしたみんなが……シャルもポカーンとしてるし。

 お兄ちゃんどういう事?


「あのーこの子らは何でしょう?」

「ふん貴様に全てくれてやる!」

「えーくれてやるって、この子ら全員奴隷じゃないですか!」

「ふん元奴隷だ、奴隷紋は解除してある」

「いやいや、話が見えませんよ。いきなりこんな大勢押し付けられても、しかも全員痩せこけて怪我してるじゃないですか!」

 お、イイ感じにギャラリー増えて来たな


「ふん貧乏人め、これもくれてやる受け取れ」ポイ


 袋をほられ受け取れば。


「えー金貨がこんなにイッパイ!」

「ふん確かに渡したからな後は貴様に任したぞ」

「あー旦那、この子らの奴隷購入証明書は?」

「チィ 御者!渡してやれ」

「へい旦那様」

「確かに受け取りました」


「では私は行くからな」

「あ、貴族の旦那ちょっと、お耳を」

「あん?」

 ボソボソ「昨夜御告げがありまして、貴族の方に伝えろと『同じ事を繰り返すなら呪い殺す』と、確かに伝えましたよ」

「ヒィィ!御者御者!今すぐ帰るぞ!」

 バタバタ バタバタ〜


 あらまー逃げるように帰っていったよ。


「アスラお兄ちゃん、これって……」

「あーもう大丈夫だ。ルチハ、シャル、この子らを少し見ててくれ、後店仕舞いも頼む」

「うん分かった、お兄ちゃん!みんなこっち来て!」


「アスラ何があったんだ?あんな傷だらけのガキ押しつけられて?」

「さあな、貴族の考える事は分からん!それよりオヤジ、串焼き50本程焼いてくれ!」

「あいよ、任しとけ」ニヤリ


「おばちゃーん、あの子ら人数分の果汁ジュース」

「あらまアスラのとこ、また子供が増えたのねフフ、人数分のジュースだねフフ」


 串焼きと飲み物を子供達に与え、後ろを振り返ると

「……にいさん凄い()()でもつかったのかい?」

「ああ 凄い魔法(ちょうのうりょく)を使ったんだよ」

「……ふふ」

「この証明書本物か?あと子供らの奴隷紋解除できてるか見てくれ」

「分かったぜ、でも高くつくぜ」

「ふむ、いくらだ?」

「……面白いモノを見せてくれたからなサービスで肩揉みでよいぞ」

「フフ、了解!」




「さーてと、みんな帰るぞ〜!」

「みんな〜この お兄ちゃん優しい人だから心配しないでついてきてー」

「みんな〜いこーシャルとかえろー」




 ひと騒動も終わり、子供達を連れて宿屋に向かうアスラたち。



 思っていた以上に話が早く進んだな、親父準備出来てるかな?

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