露店〜商売開始!
翌日
「ここがエンザ婆さんが言ってた中央広場か」
朝早くから露店いっぱいでてるのね。
さてどの辺で露店ひらこかな……?
「あの木陰辺が良いね〜」
さて場所取りも出来たし 午前中は他の露店巡りでもしよう。
「う〜イイ匂いがする」
匂いの方を見れば、なんと美味しそうな肉の串焼き!
朝飯抜いて来て正解!
「おやじ串焼き3本おくれ」
「あいよ、一本小銅貨5枚な。熱いから気をつけ食えよ」
「はい、お金」
「まいどあり、ほいお釣り」
ムシャムシャ「中々美味いな」
少し硬いが、中々いけるムシャムシャ
なんの肉か知らんけど、ジューシー!
それから午前中は、あちこちの露店巡りを満喫した。
この都市も中々活気があって良いな。
しかし都市っていうのもあって、街道とか歩いてたら奴隷とか目立つな……特に獣人の奴隷。
この世界の奴隷制度がイマイチ良く分からん。犯罪者は犯罪奴隷になる位しか知らんしな。
「さてと準備しますか」
看板はこの辺に置いて、看板には こう書いた。【身体の凝り解します。肩凝りの酷い方。腰痛などでお困りの方。料金中銅貨1枚。商業ギルド公認。】
これだけ書けば分かるだろう、分からなければ口で説明するけど。
マッサージって言葉は、後々広めよう。
「中々お客さんこないな……」
そりゃそうだよな、物を売る商売じゃあないし
まぁ商売の為にやってる訳じゃないからイイけど。
暫くして二人程目の前に人が来た。客かな?
「にいさんが、エンザ婆さんの言っていた人かい?」
「えーっと、どう言われたかは知らんが昨日エンザ婆さんとは知り合ったけど?」
「おーやっぱりそうか、肩揉み上手いんだってな?ひとつお願いしようか」
エンザ婆さんが紹介してくるたのか、助かるぜ。
「りょうかい!その椅子にすわって。凝ってるのは肩かな?」
「あー肩凝りが酷くてな」
「任せてくれ、効かなかったら料金いらんからな、自分の判断にまかせる。いくぞ」
傍から見たら何してるのって視線が凄い。
ホグホグ「おー効く効く!」
グイグイ「痛い!けど気持ちいい!効くー!」
10分程揉みほぐして終了!
「ほい、終了!どうだ?」
「おースゲー肩凝り取れてる!」
「お!そんなに効くのか?エンザ婆さんの言ってた事本当だったのか?」
「あー本当だ、お前もやってもらえ、ギックリ腰まだ治ってないだろ?」
「お客さん腰痛めたのか?じゃその敷物にうつ伏せになってみ」
「あ、あー」
「いくぞーちと痛いが我慢してくれ」
グイグイ「ぎゃ痛い痛い!」
ホグホググイグイ!「ぎぃー!い、痛い!痛いけど、段々気持ちいい!」
ギックリは、相当痛いらしいからな?我慢してちょ…少し長めに揉んでみた、はい終了。
「はい終了!どうだ楽になった?」
「これは!楽になったじゃないよ、痛みがない!治ったのか?」
「ハハお客さん、俺のマッサージは効くのであって完治じゃないから、無茶するなよ」ニヤリ
「あー、いいとこ紹介してもらった。これ料金な!他の人にも、にいさんの事話してもいいか?」
「ああイイぜ!まいどありー」
商業ギルドのギルマス、副ギルマスからの口コミから噂が噂を呼び、瞬く間にアスラのマッサージが商業都市ブランに浸透し連日の行列が出る始末に成る程 アスラのマッサージは大繁盛していた。
お客が増える度にアスラへもたらす様々な情報も増えていった。
「はい、今日はコレで店仕舞い」
はぁー疲れた、逆にこっちが肩凝るわ!
明日は休みにして、少し街をぶらつくかな
「おい、にいさん少しいいか?」
目の前には商人風の男がいた。
「なにかな?今日はもう店仕舞いだよ」
「そうか それは残念だ。つかぬ事を聞くが出張サービスなんか、してないか?」
「ん、やってないな」
「そうか……」
「まぁ明日休みにしようと思ってたから料金割り増しでいいなら行くぜ」
「おーそうか、それは助かる」
そして商人風の男に明日行く場所を聞き宿へと帰宅した。
◇ ◇ ◇
翌日商人風の男から聞いた場所へ向かうアスラは移動中1人呟いていた。
「これって所謂裏通りだよな?道あってるのか?」
お約束でいきなり襲われないよな……
ブツブツ呟きながら移動し男が指定した場所へ着いたアスラは、1人絶句していた。
「ここヤバイんじゃないの?」
だって此処ってば……
「どう見ても奴隷商じゃないの……」
昨日の男、奴隷商人だったのか?
「まぁいいか、入ってみよう。こんちはー誰かいますかー?」
耳を澄ませば、微かに呻き声が聞こえるじゃないの マジヤバイって!
暫くして奥から男が現れた。
「にいさん ここは奴隷商だよ、にいさんが来る様なとこじゃないぜ店間違えたのと違うか?」
「ハァ 昨日マッサージの出張サービスしてくれと頼まれて来たんだが、間違いかな?」
「おー親方の客か、これは失礼した。少し待っててくれ、すぐに呼んでくる」
昨日の男が現れた
「こんな場所まで悪いな、にいさん奥まで付いて来てくれ」
「はぁ」
男に付いて行く途中に檻の中に入れられてる者達が視界に入ってくる……そんなにジロジロみないで……
「にいさんは奴隷商は初めてかい?」
「はぁまぁ」
「そりゃ刺激が強かったか、すまないな。その部屋でマッサージ頼めるか」
この奴隷商に奴隷の事をきいてみた。
犯罪奴隷とは一般的に犯罪を起こした者がなる奴隷で、その他には借金を返済する為に自ら奴隷に落ちる者まで居るらしい勿論借金が返済されれば奴隷も解除される。他に食うに困り身内を売る者、人攫いに合い売られる者。
基本奴隷に対して性的暴行、虐待などは厳禁みたい、見つかり次第犯罪者になるとか……
「はい終了!」
「あー噂通りいい腕してるな、助かるよ」
「こっちも色々話し聞けて面白かったし」
「にいさんも奴隷落ちにならない様気をつけてな」
「ちょっと聞いていいか?」
「ん?奴隷の事でか?」
「あー、さっき奴隷には虐待とかダメって言ってなかったか?奥で聞こえるの呻き声じゃあないのか?」
呻き声が耳について気になってたんだよな……
「あーにいさん気付いたか……」
暫く奴隷商は沈黙していたが、喋りだした。
「勿論奴隷に対して性的暴行、虐待は禁止されてるが 世の中には糞どもが沢山いてな、今呻き声上げてる者達も、その糞どもに虐待されてな、先日払い下げられたんだよ」
「……酷えな……それって訴えられないのか?」
「あー無理だ、相手は糞貴族だからな。訴えたところで、こっちの商売が出来なくされるだけだからな」
「貴族か……爵位と言う権力に負けるか……」
「……そう言う事だ、長く商売したけりゃ長い者に巻かれないとな」
「……にいさんも今の商売長く続けたかったら貴族には気をつけろよ……」
「分かった。因みに今呻き声上げてる奴隷は、大丈夫なのか?」
「……奴隷としての価値は、もうないな……」
「価値がない?そんなに酷い状態なのか?」
「……あー、解放してもただ死ぬだけだな……」
「一度その奴隷見せてくれるか?」
「……にいさんが買うのか?止めておけ、もう何の価値も無いし、手の施しようもない、今夜辺り処分するとこだ……」
処分って殺すんじゃないだろな……
「取り敢えず見せてくれ」
「……あー分かった、見てもガッカリするだけだぜ……」
そうして俺は、呻き声がする檻まで連れていかれ、そこで絶句してしまった!
「こ、これは酷い……」
檻の中には、歳の頃12歳位と5歳位の獣人の女の子だ。
二人共手と足の指が第一関節ごと全てない!
12歳位の子は片腕がない始末だった……
「糞貴族に虐待玩具にされた結末だ……」
「お、お願いします。い、妹だけでも助けて下さいぃお願いしますお願いします!うぅぅ」
この子の妹なのか……妹はグッタリしてる……
「……どうだ、もう手の施しようもない……これが現実だ、買う気にもならんだろ?見なかった事にして、にいさんは もう帰りな」
「…………」
「どうした?変に情けを掛けても、こいつらは もうダメだ……」
「いくらだ……」ボソ
「ん?何って?」
「この子二人は幾らだ」
「……元手は高かったからな、買うとなると商売になるが、いいのか?」
「ああ」
「……そうか……じゃあ二人で小金貨1枚でよいぞ」
この金額ならマッサージ屋も諦めるだろう……
「分かった小金貨1枚だな。買うから手続きしてくれ」
こいつ諦めるかと思ったが買おうとしてやがる
「分かった。奴隷紋の手続きはサービスしとくぜ」
久々に面白いバカを見れたな……フフ