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謁見

奇形種⇨劣等種に変更しました。

 王との謁見に臨むアスラ、緊張の為そそくさと膝をつき待機するアスラであった。



「その者、面を上げよ楽にして良いぞ」

「はい」

 玉座に座ってる王様は金髪に優しそうな顔立ち、でも偉丈夫そうで強そう。

 斜め後ろに控えてるのは王子かな?金髪イケメン、王様と同じように優しそうな顔立ち、しかも長身!周囲をチラリと確認すれば鎧を着た騎士さん、法衣を纏った面々、貴族?らしい人もチラホラ。



「余はリチャード・ザイル・ヴァルトリア、この国の王だ。其方の名は、何と申す!」


「はい!私の名はアスラです!」

 ヒィき、緊張するぅうう


「ふむ、アスラと申すか。今日ここへ其方を呼んだのは、礼を言いたくてな」


()()?」

 俺感謝されるよーなコトしてないぞ?人違いか?


「うむ、元とはいえ、この国の宮廷魔導師ヨハンの命を救ってくれた事、感謝いたす」

「いえ!そんな滅相もありません。救える命を救ったまでです」

 ヒィそんな事で こんなとこ呼ぶなよー帰らしてー。


「其方に、ひとつ聞きたい事があるが良いか?」

「はい、俺いえ !私で答えれる事ならなんなりと」

「ハハそんなに緊張せんでも良いぞ、そうだな宰相 余の代わりに、お主が聞いてやれ」

「ハ!陛下。では私が代わりに質問させていただきます。アスラ!私が この国の宰相を務めるニコルと申す、君に質問と言うのは どのような秘術を使いヨハン殿を救ったかと言う事だ」


「秘術?」

 ただの心臓マッサージだぞ?まぁ電気ショックは与えたが……


「うむ 秘術だけに答えれぬのか?」

「いやあれはー……」

 あーどう答えたらいいんだ?

「では、質問を変えよう。君は医術師か?それとも最上位回復魔法が使える者か?」

「えーと医術師でもないし魔法も使えません」

 あー面倒い、能力の事言っちゃう?あーそれも面倒いわー


「陛下私からも 宜しいですか?」

「うむ、どうしたゲイル?宮廷魔導師長として、師への礼を述べたいのか?」

「ハ!最初は、その様に思っていたのですが、しかしこの者少し面妖で御座います」

「どう言う事じゃ?」

「先程この者の魔力を『鑑定』を使い調べましたところ、魔力が一切感じられません」


 え、え、え、どういうことー?鑑定ってスキル?


「それは真か?」

「いえ、全く無いのでは無く、恐らく空気中に漂う魔素を呼吸し取り込む程しか魔力を感じられません!」


 えー!衝撃な事実!!でも納得、魔力無いなら魔力操作も無理だわ。 ただ急に皆さん騒ぎだしたし、魔力無いと何故悪い?


「そのような者が普通に立ち、まともに会話できる事など一切考えられません!この者 (にんげん)では無いのかもしれません!」

「衛士!!」


 宰相の一瞬の一言で衛士に囲まれるアスラ!質問から尋問へと移る。


「アスラ君と言ったかな?師への事は感謝するが、事が事だけに慎重に答えて欲しい理解したかな?」


「はい……」

 なんか大変な事に……


「君は(にんげん)か?」

「も、勿論(にんげん)です。鑑定お持ちなら種族を見てもらえれば」

「確かに人族だな、では質問を変えよう。君のご両親は君が魔力が無いのを知っているかい?」

「はい、勿論、産まれた時から無いのは知ってますし、無くて不自由は、ありませんでしたし」

 そりゃあ地球人だから


「陛下!この者もしや『劣等種』なのかもしれません」


 あーなんか今聞いてはならない言葉が、そこは嘘でも『希少種』って言ってよ


「真か?ふむ劣等種ならば考えられぬ事も無いが……」

 余の知る劣等種と少し違う気もするのだが……



 この世界において魔力を持たない胎児は産まれて3日保たない。仮に劣等種として産まれた場合その一生は寝たきり状態、生きる屍に成ると言われるほどだ。

 そうならないよう産まれてすぐ劣等種と分かれば、その場で**される。残酷な話だが、それがこの世界の現実であり常識である。



「アスラ君失礼だが君の出自を教えてもらえないかい?」

「それは、訳あって今は言えません、すみません」

 言えるか!


「宰相!」

「ハ!陛下」

 なにやら王様と宰相さんが小声でボソボソ話してるし、嫌な予感がする。逃げようかな……



「陛下どうされましたか?」

「あの者 先日諜報からの知らせが有った彼の国で召喚された勇者ではないか?」

「確かに考えられる事やも、しかし彼の国から10日そこらで、勇者の力を持ってしても、この地まで来る事など。それに諜報の情報と、あの者の容姿が異なります」

「ふむ詳細が分かるまで、あの者を捕らえておけ、飽く迄()()扱いとして」

「ハ!承知しました」


 目線で近衛隊長へ指示を出す宰相


「客人は疲れて居られる()()へ御通ししろ!」

「ええ!?」

 あ、これ逃げれないヤツだ、しっかり捕まってるし……

「アスラ殿、私は近衛隊長ギブソンだ。悪いようにしないから、ここは大人しくしてくれ身元が確認次第、城から解放されるからな」


 そうしてアスラは()()(籠の間)へと連れて行かれた。





 ♢ ♢ ♢


「ほう、ここが客室ですか」


 確かに客室ですね、ベッドあるし椅子テーブルまであります。

 あーら窓まである!格子付きで、頑丈そうな扉は しっかり鍵かかってるし、ちょっと豪華な牢屋じゃねーか!


「ハァ〜どうしたもんかなぁ」

 隊長さんが身元確認って!無理だし 。


「ハァ……」

 ため息しかでねー!今思えばヨハン爺さんが「体調は大丈夫か?」って言ってた事が魔力の事だったんだなぁ〜 俺に気を使って言わなかったのかな?


 まさしく その通り!ヨハンには不憫ながらも精一杯努力して頑張ってる子だと、思われたようだ。



「さーてと、じゃ抜け出すかな?折角の王宮だから、お城の中を探検でもするかな?」


 おし!そうと決まれば探検だー!


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