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不穏な空気

 王都の繁華街(盛り場)は常に賑やかだ。


 食事を楽しむ者、酒場で酒を飲み騒ぎ出す者。そのある一軒の酒場で1人の老人が静かに酒を楽しんでいた。


「ここに居られたのですね賢者殿」


 ジロリ「もうその名は捨てた、今はただの老いぼれ爺いじゃ近衛隊長ギブソン殿」

「まだ、あの方の事を気にしておられるのですか?」

「……そうじゃ当時幼かった あの方の病すら治せず何が賢者じゃ陛下にも『賢者の称号』は、御返した。もうただの老いぼれ爺いじゃ」

「そうでしたな、失礼ヨハン殿」


「して、こんな酒場へ近衛隊長殿が老ぼれ爺いに、なんの用じゃ?」

「今日は非番なのですよ。噂でヨハン殿が命に危険があり倒れたと聞きましてな心配で様子を見にきたのですよ」

「おおかた、あのバカ弟子が騒ぎたしたのじゃろう?」

「ハハそれもありますな、現宮廷魔導師長殿も大変心配されておられる」

「して本題は、そんな事じゃないじゃろ?」

「察しがよろしいな、街の噂でヨハン殿を助けた者が変わった秘術を使いヨハン殿を救出したと聞きましてな気になって赴いたしだいです」


「秘術か……確かにワシらからしたら秘術じゃろうな……あれ以来心臓も苦しくないし、何故か頭もスッキリしておるしな」


「ほほう」

 やはり


「だがな、あの小僧へは干渉しないでくれるかの、あの小僧には まだ()()()()()()()()()()と言うものがある」


「?……分かりました」

 申し訳ないが、そうはいかないのですよ。あの方の為にも。


「その事は小僧本人の問題なんじゃが他人が口出す問題でもないのでな」

「何を隠しておられるか分かりませんが心に留めておきます」

「くれぐれも頼んだぞ、仮にもワシの恩人なんじゃ」


「ところでヨハン殿、王宮へはもう戻られないのですかな?」

「ワシのような年寄りは、もう必要ないじゃろ?ワシの後にはバカ弟子もおるでな、心臓も患っていたし後は若い者が盛り立てたらいいんじゃ」

「そうですか、少し耳が痛い言葉ですな」

「ギブソン殿も早く後任を……いやそれはギブソン殿の問題か、失礼した」

「……では、私は これで失礼します。ヨハン殿が元気そうでなによりです」



「何か不穏な空気がする……杞憂であれば良いのじゃが……」





 その頃アスラは『やすらぎ亭』で夕飯を食事していた。


「うまーい!」

 このタンドリーチキンうますぎる!


「お兄ちゃん、おとうさんの料理おいしい?」

「ああニーナちゃん、おいしいよ!この鶏肉うまーい!」

「ハハハ美味いか?にいちゃん。その鶏肉はコッコーって言う鶏の肉なんだ、昨夜弟が持ってきてな しっかり下味付けておいたからな、美味いだろ?」

「あー最高にうまい!この付け合わせのトマトも甘くて美味しいし、オニオンスープもあっさりした味が最高だ!」

 異世界料理恐るべし!

「まぁゆっくり味わってくれ」




 ♢ ♢ ♢


「あー美味しいかった!あの鶏肉コッコーって言ったかな?おそらくニワトリじゃね?まぁイイか、美味しかったから!しかし あのステータスはなんだ?確かレベル3で、称号は見えなかったな。加護がなんか神の眷属とか?神様の恩恵受けたからか?それより魔力は何て書いてあったんだ?一瞬読みそびれたな……」


 もう一度試してみるか

「ステータスオープン!………写らない!なんじゃこれ!壊れてるのか?ハァ疲れたからもう寝よ」




 翌日 王都の騎士数名が、ある場所へ赴いていた。

 その頃アスラはと言うと呑気に朝食を摂っていた。



「失礼、此方にアスラと言う御仁が宿泊していると聞いたが居られるか?」

 騎士の問いかけに慌てる女将

「はい あちらで食事をしている方がアスラさんですけど……」


 女将に会釈をしアスラの方へ向かう騎士達


「失礼、貴方がアスラ殿か?」

「はぁそうですけど?」

 何この騎士さん達?


 ニッコリ笑って頷く騎士達

「こんな朝早くに失礼だが今から王宮へお越し願いたい」

「えっ!?」

 ええええええええー!?


 拉致られる様に馬車へ乗せられ その場を後にするアスラ 。それを唖然と見ていたマスターと女将さん。


「ねぇ おとうさん、おかあさん、どうして お兄ちゃん連れてかれたの?」

「さぁ?悪い事して連行でも無さそうだしな……」

「そ、そうよね 騎士の方ニッコリ笑ってたし……」

「お兄ちゃん早く帰ってこないかなぁ?」

「「………」」





 騎士さんに何故王宮へと聞いても『私達は お連れしろ』としか聞いてないらしい。

 俺って連行される様な事したかなぁ?して無いぞ。こうなったら逃走経路を確認しとこ、飛んだらバレバレ、テレポートは、ちと怖いなぁ目標認識して無いと変な何処へ飛びそうだからな……


 独り言を王宮へ着くまで呟くアスラ、傍から見たら危ない奴である。



「ここが王宮かぁデカイ!」

 大っきい、お城だ。


 周囲を確認する暇も無く謁見前の控え室に押し込められたアスラ。哀れ


「お呼びするまで、こちらの控え室で お待ち下さい」ペコ

「はぁ……」

 マジで王様に謁見するのおお!?謁見の礼儀とか知らんし!無礼働いたら牢屋送りじゃないの!?


「アスラ殿 謁見の準備整いました」


 すかさずどうしたらいいのか聞いたら、扉が開いたら前へ進み王様の大体10m手前に片膝ついて呼ばれるまで下向いてろってさ!


 ギィィィ

「では、お入り下さい!」

「はい」ドキドキ


 オーク戦なんか屁でもない緊張、人生において絶体絶命の大ピーンチ!ハァ……帰りたい……しかし何故に王様に謁見しないとダメなんだ?


*テレポート(テレポーテーション)〜瞬間移動、行き先が頭の中でイメージ(認識)出来ている場所などへ瞬時に移動する能力。

*サイコキネシス(前回の説明文の補足)

ものを動かす他に自らを動かして飛ぶことも可能。

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