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小人族?

 そりゃそうだ5年前地竜がベスティアを襲った原因が自分達の国の住人が招いた事なのだから、そして再び5年前の悲劇が起きようとしているのだから。



「その話が本当ニャら一刻も早く王様に伝えニャいといけないニャ!」

「そうだな、そうしてくれ」

「アスラ殿は、この後どうされるのですか?」

「俺か?ん〜気になる事もあるし、もう少し調べて見ようと思っている。出来る事なら竜の卵を奪おうと思っている」

「それは余りにも危険では?」

「地竜が怒りに任せて襲ってくる方が、もっと危険だろ?取り返して地竜に何とか卵を返せたらイイんだけどな」


「分かりました……ではエーナ、ビィーナ、王に報告のほど宜しく頼みます」

「分かったニャ!」

「シィーナは、どうする(ニャ)?」

「私はアスラ殿と行動を共にします」

「えっ?シィーナさん残るのか?少し危険だぜ?」

「問題ありません」


「では私達は報告へ行くニャ!報告が終わり次第早急に帰って来るニャ!」


 行くニャと同時に二人の姿が一瞬で闇の中へ消えていった。やっぱ獣人って動きが速いな。隠密だしな



「アスラ殿、この後どういった手筈で竜の卵を奪うのですか?」

「そうだなぁ〜もう少し時間が経って奴らが寝静まってからアジトに潜入しようと思うんだけど。シィーナさんは何があるか判らないから安全な場所で待機してくれると嬉しいんだけど」

「解りました。アスラ殿は卵の場所などは確認取れているのですか?」

「多分地下室辺りだと思うんだけどな。無ければ色々探してみるだけだし」


 ここは敢えて断言しないで置こう。


「アスラ殿……一つ伺いますが宜しいですか?」

「何かなシィーナさん?」

「率直に伺います。アスラ殿はヴァルトリアの諜報員ですか?それとも……」

「ハァ?それって密偵の事だよな?」

「そうです」


「いやいや俺は普通の人だよ」


「普通の人にしては情報を得るのが早過ぎます。リオンヌ様の恩人に対して失礼だと思いますが、貴方をヴァルトリアより招いた時より貴方の後を密に監視しておりました。あの勇者と闇商の接触も先ほどの食事をする以外見かけた事がありません」

 それも唯近くで食事をするのみ……


「なるほどね、で俺が怪しいと?」


「怪しい……そうですね可なり怪しいです。誰もがリオンヌ様の治療を試みて尽く失敗に終わったにも関わらず入国早々完治させ、その若さにも関わらず王者オウガの訓練を指導し、5年前に起きた悲劇の真相まで突き止める その手腕……何より素顔を隠す時点で……貴方は一体?」

 あの噂に聞く……


「まぁ人には色々事情があるさ、この国で害になる様な事はしないから今はそれを信じてくれ。それと殿じゃなく普通に呼んでくれ」

「……分かりました」

 リオンヌ様を救って頂いた恩人……今は貴方の事を信じましょう。



 透視と千里眼で建物の中の者が寝静まったのを確認し建物に潜入する事を試みる。

 しかし俺ってそんなに怪しいのかな?この世界に来て悪事を働いてる訳ではないんだけど……


 さてとシィーナさんが周りを見張っているうちに、サッサと潜入しよう。

 暗闇に紛れた瞬間に(テレポ)シュン!


 行き着いた先は地下室。


 アレ?さっきまで人影があったんだけど無くなっている?おかしいな?気のせいか?

 卵が保管されている金庫は変わりなくそのままだな……確かに千里眼と透視を使った時に人影が見えたんだけど……

 もしかしたら同じように両方使ったら見えるのかな?使ってみよう。


 ……見える……見えるんですが……物陰に隠れて三人居るんですが……


 千里眼と透視を解除すれば見えない……?どう言う事?


 もう一度、千里眼と透視……やっぱり目の前に居るんですが……。

 暫くジ〜っと見ているとヒソヒソと何か呟いている。


ヒソヒソ (この人間)ヒソヒソ(ワシ達の事を)ヒソヒソ(ジィっと見ておる)

ヒソヒソ(大丈夫だ、)ヒソヒソ(人間にワシ達)ヒソヒソ(の姿も声も分からん)

ヒソヒソ(そうじゃな)


「見えているし聞こえてるんだかけど」

『『『ヒィッ!!!』』』

「お前達、一体何者?」

『この人間ワシ達の事が見えているぞ!』

『何故見えるんじゃ!?』

『一大事じゃ』


 見えて話し声が聞こえるのが分かった途端慌てて隠れているけど丸見えなんだよな……しかし一体何だろ?通常では見えないし話し声も聞こえない能力を使い意識を集中すれば見えるし話し声も聞える。


 三角帽子に髭、そして派手な色の服……俺の記憶と言うかファンタジー系の知識では、コイツら精霊……

「もしかしたら、お前達ノームか?」

 それにしても小っちぇー!


『何故ワシらの事を知っておるんじゃ?』

『この人間ワシらの事を言い当てよった!』

『一大事じゃ!一大事じゃ!』


「いやそれもうイイからさぁ質問に答えて。俺の名前はアスラ、別にお前達を捕まえようとか危害を加えようとかしないから。お前達精霊のノームだろ?何でこんなトコに居てるの?」


『やい!人間 何故ワシらが見える!』

『そうじゃ、何故ワシらの声が聞える!』

『そうじゃ!そうじゃ!』

「質問しているのは俺なんだけどな……」


 う〜む どうも話が進まない。しかしノームかぁ〜この世界に来て初めて精霊に会ったなぁ〜他にも精霊は居るんだろうか?

 いやノームが居るくらいだから居るよな。


 普通の人には精霊って見えないし声も聞こえないだな、多分。

 俺も通常モードで存在すら気づかないのかも。


『やい!人間 答えろ!』

『そうじゃ!答えろ!』

『そうじゃ!そうじゃ!』


 なんか言ってるし……仕方ない答えてあげよう。


「ノームさん、よく聞いてくれよ。俺は、この世界とは違う異世界から来た異世界人、この世界に有るのか判らないけど俺の能力でノームさんが見えるし話し声も聞こえるんだ。解ったか?」


『異界の者じゃとー!?』

『何じゃとー!』

『一大事じゃ!一大事じゃ!』

「解ってくれたかな?」


『おい!人間 お前は選ばれし勇者か?』

「いや違う」

『おい!人間 お前は選ばれし賢者か?』

「いや勇者でも賢者でも無い」

『おい!人間 お前は選ばれし魔王か?』

「あのね、魔王でも無いって普通に人間だから」

 何なの選ばれしとか?


『どうして この世界に来た?』

『どうやって この世界に来た?』

『この世界を滅ぼしに来たのか?』

「あのね……」

 うわ〜マリーさんとポアンさん見たいな質問してきたよ……超面倒クセー!


『この人間の加護を見よ!』

『加護を見た!ヒェー』

『一大事じゃ!一大事じゃ!』

「ん?なんだ?」

『神の加護持ちじゃ!』

『竜の加護持ちじゃ!』

『一大事じゃ!一大事じゃ!』


「なぁ一体何の事だ?出来たら一人が答えてくれたら嬉しいんだけど」

『ワシが答えよう』

『いやワシが答えよう』

『いやいやワシが答えよう』

「……」

 超ウザい……


『神の加護などは選ばれし者にしか与えられぬ加護じゃ』

『そうじゃ!選ばれし者だけじゃ』

『しかも天空竜の加護などは500年前に現れた勇者達が最後だと聞く』

「そうなの?効果の程は、どうなの?」

『神の加護は神に愛されている』

『竜の加護は知らん!』

『竜に聞け!』


「神に愛されたら何かあるのか?」

 竜に聞けって!ハァ〜面倒な加護


『知らん!神に聞け!』

『そうじゃ!神に聞け!』

『神に直接聞け!』


「……」

 何なの一体?神様に直接聞けたら世話ないって!

 もう加護は、どうでもイイや本題に移ろう。


「なぁノームさん、ノームさんはココで何をしていたのかな?」

『竜の卵を取り返しに来たのじゃ』

『竜に卵を返すのじゃ』

『そうじゃ!そういう事じゃ!』

「竜に取り返してくれって頼まれたのか?」

『んにゃ頼まれておらん!』

『取り返さにゃ大変な事が起きる!』

『竜が暴れる!』


「いやさぁ それは解っているけど」


『いや解っておらん!人間の脳ミソじゃ理解出来ん!』

『暴れたら大地が死ぬ!草木が死ぬ!』

『人も獣人も死ぬ!あらゆるモノが死ぬ!』

「まぁそりゃそうだよなぁ」


 ノームの精霊と言えば大地の精霊だったかな?

 あらゆるモノが死ねば自然界のバランスが崩れるから危惧しているのかな?


『おい!人間 お前は、どうしてココへ来た!』

『そうじゃ!何用じゃ!』

『そうじゃ!答えろ人間!』

「いや俺もノームさんと一緒で竜の卵を取り返しに来たんだよ。そして竜に卵を返すんだ」


『本当か?』

「本当だ」

『嘘じゃないのか?』

「嘘じゃないよ」

『竜が怖くないのか?』

「勿論竜は怖いけど一度()竜に会って話をしたことあるし卵を返すだけだしな」


『よし手伝え!』

『ワシらの手伝い許可する!』

『光栄に思え人間!』

「ハイハイ手伝わせてもらいます」



 許可するとか光栄に思えとか、スゲー上から目線なんですけど……

 ノーム以外の精霊達も、こんな感じなのかな?


 精霊とは余り関わらない方がイイかもね。


 超ウゼーし。

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