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外道な勇者

 獣王様に勇者の事を伝える為、獣王様との面会を求め会う事に……


「こんな夜更けに何の用ジャ?普通であれば このような時間にワシに会う事など出来ぬゾ?それに…どうしたのだ髪の色を変えて…?」

「スマン獣王様!急ぎで知らせたい事があったから こんな時間に押しかけた。それと髪の色を変えたのも理由がある」


「急ぎの知らせとは何ジャ?」


「獣王様は、()()()から召喚された勇者の事を知っているか?」

「ウム、それは存じておる。自国の戦争の兵器として召喚し、好き勝手暴れさせている様ジャな」

「その勇者が、この国に居る事は知っているか?」


「ナニッ!?」


「その様子だと知らないようだな。俺も勇者の名前は知っているが顔までは知らない……だけど勇者の一人が恐らく闘技大会に出場しているようだ」

「闘技大会に出場しておるジャと?他の勇者は、どうなのジャ?」

「俺が見た時には残り二人は大会を観戦していた。だけどさっきも言ったように勇者の顔を知らないからハッキリこいつだ!と確信が出来ないんだ」


「フム……勇者が我が国にか……」


「闘技大会の為に来ただけかも知れないけど警戒は、しておいた方が良いかもな。取り敢えず その事を伝えに来ただけだから」

「アスラよ重要な報告感謝する。アスラの都合さえ良ければ勇者がこの国を立ち去るまで滞在してもらえぬか?」


「う〜ん…そうだな〜余り勇者とは関わりたくは無いけど()()あって負傷者とか出たら嫌だからなぁ勇者が立ち去るまで居よう。因みに髪の色を変えたのは勇者に俺の素性がバレない為だ。あと仮面を着けるか眼帯などをして素顔が分からないように する予定だ」


「……フム心得た。アスラ、勇者の滞在先などは分かっておるのか?」


「それは知らない。関わりたくはないけど明日にでも調べようと思っている。それと勇者と一緒に複数の獣人も見かけたけど獣王様は何か知っているか?」

「イヤ知らぬ。獣人も絡んでいるのか……フム、ワシの方からも色々と調べて見よう。悪いが何か情報が入り次第 城へ来てくれぬか」

「あーイイぜ!因みに闘技大会へ出場している勇者はユーゴと言う奴だ。レオン王子と一緒のグループだ」

「フム心得た。レオンにも伝えておこう」


 ウ〜ム、ワシの国に勇者か……一波乱無けれ良いのだが……アスラの言う様に警戒だけは、怠らずしておこう。


「父上先ほどのアスラ君の話は……」

「レオン……やはり聞いておったか?」

「はい。例えアスラ君でも父上を一人にする訳にもいかず、身を潜めておりました」

「フム、それは構わぬが勇者との対戦、始めから全力を尽くせ!殺してしまっても構わん!」


「ハッ!お任せ下さい!」

 どちらにせよ私とオウガの前に立ち塞がる者は排除するのみ!それが勇者と言うだけの事。









 さてと獣王様にも勇者の事は伝えたし少し遅くなったけど夕飯を食べに行こう。


 アルン商会で変装グッズを色々購入してたのが役立ちそうだ。

 今回の髪の色は赤にしたけど、けしてバカ(ファルコン)を真似た訳ではない!マリーさんに”ファル見たい〜”とか言われたけど憧れは無い!あくまで変装だ。







 ◇ ◇ ◇


「これが竜の卵かぁめっさデケーなぁ」

「ホンマやなぁ〜特大の目玉焼きできそうやん」

「しかし外見(そとみ)からやと何かキショいっすね〜コレ」

「ブー余りベタベタ触るな!割れてまうやろー」

「すんません」


「ほんで親分、コレを獣人の王に売ろうと思ったんか?」

「あー当初は その予定だったんだが予定が大幅に狂った……」

「病気の姫さんが治ってもーたらしいやん」

「……何人かの医術師が姫の治療に挑み尽く治療に失敗……まさかヴァルトリアから来た医術師のガキに治されると思わなかった……クソッ」

「ほんでアレか?腹いせに そのガキ捕まえて竜のエサにしよう魂胆かいなぁ?」


「そうだ」

 クソッ!あのガキさえ居なきゃ……


「そんなガキほっといたらエエねんて。他の使い道考えようや」

「他の使い道だと?」

「そやで、せっかくのお宝なんやから(ほか)したら勿体無いやん」

「その卵 僕にくれます?」

「卵なんか どないするんやブー?食べるんか?」

「イヤイヤ食べませんって!王さんと交渉して姫さんと交換してもらいす」


「アホか!」


「ほんまアホやなブーゴは。そんなもんハイそうですかって言う事聞く訳ないやろ?」

「そんなもん分かってますって!交渉と言う脅しですやん」

「ホンマ人相悪い奴は考え方も悪いの〜ホンマ悪いやっちゃで」

「いやいや人相悪いのはお互い様ですって!」

「うっさいんじゃボケッ!」


 何なんだ この勇者気取りのバカどもは?大体勇者が人を脅すなど有り得ん!

 胸クソ悪いが勇者は弱者の味方……俺たちも悪党だがコイツらも相当な悪党だ!絶対勇者なんかじゃねー……


「ほんでブーゴは優勝出来そ〜なんか?明日の試合は獣人の王子さんと当たるんちゃうんか?」

「大丈夫っす!思った以上にこの大会チョロイっすわ。全然手応え無いっすね。ホンマ僕ら勇者だけの事ありますわ」


 まだ自分たちが勇者などと言っていやがる……お前たちも俺たちと一緒で外道だクク


「さよか、ほな優勝したら褒美に卵やるわ。大サービスや!」

「ホンマっすか?って卵はタカシさんのモノと ちゃいますやん」

「コレは俺らのもんや!エエやろ親分?俺らが貰うで」

「あ、あー。その代わり竜が現れた時は俺たちを護ってくれるのだろうな?」

「おー任せとけ!一度竜と闘ってみたかったんや」

「そやな竜を倒して一気にレベルアップや!」

「タクさんタカシさんワクワクしますね。竜を倒せば経験値ガッポリっすわ」


 コイツら簡単に竜を倒すとか言ってやがる……だがタカシとタクの実力は知らねーがブーゴと言う奴の実力は本物だ……それにタカシとタクはブーゴの兄貴分のようだ……実力が無い奴を兄貴分などには認めんだろう。


「勇者の旦那方お近づきのしるしにメシでも食べながら一杯やりに行きやしょう」

「親分美味い店案内してや〜」

「ちょーど喉が渇いとってん」

「ウホーメシメシ!今日もいっぱい暴れたからハラ減ってたとこやー」

「お前は食い過ぎやデブ!」

「そやでチョットはダイエットしーや」


「イヤ食べな死にますって!僕を殺す気ですか」


「何が食べな死にますや!お前()ーてへんやろ!メシ飲んでるやろ!メシは食いモンやぞ飲みモンちゃうぞ!」

「デブは全ての食べ物は飲み物ですって!他のデブにも聞いたら分かりますって」

「うっさいんじゃボケ!全国のデブに謝れ!今直ぐ謝れ!」

「謝りません」


 本当に何なんだコイツら?意味が分からん会話のやり取りしやがって……







 ◇ ◇ ◇


 さてと今晩は何を食べようかな?ポアンさんとかと一緒だと美味い店知ってそうだけど余りアノ二人と一緒に居ない方が良さそうだしな……当分 勇者が立ち去るまで単独行動だ。


 ………ん?あれは……やはりアノ三人が一緒と言う事は勇者なのか?昼間見た獣人も一緒か……


 さて…どうする?後をつけるか…?


 仕方ない後をつけよう。その前に頭にバンダナキャップして保険で眼帯もしておこう。


 おっと!奴らもメシを食べに行くようだ。追跡ついでに俺もメシを食べよう。




 上手く奴らのアジトまで追跡出来て、この国に来た目的でも情報を得られればイイんだけどね。

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