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闘技大会

 ついに待ちに待った闘技大会もいよいよ始まる!長ったらしい開会式も終了した後、大会の火ぶたが切って落とされた。


 例年同様参加者が多いらしく本戦が始まる前に各階級別にバトルロイヤル試合形式を用い女性限定の闘技は30名残った時点で本戦へ行ける。


 階級別と言っても女性限定の闘技と無差別級の個人戦が二つあり、個人戦が終了してから団体戦がおこなわれる。

 団体戦は2〜5名までのパーティであれば参加出来るとか、従魔に関しては一体で一人の換算らしい。


 それと以前は女性限定の闘技は無かったようで3年ほど前から出来たとか……今まで個人戦は一種目しかなかったようだが女性限定の個人戦が出来た事により、そちらへの参加に移動する女性戦士達が多くなったと聞く。


 若干優勝賞金も下がるが優勝出来る可能性も高くなったからだ、それと……


 なるほどねラッキースケベを少しでも減らす措置なんだろうね。多分


 予選がバトルロイヤルとは少し厳しい様な気もするけどダラダラくだらない試合を観せられるよりマシかな……


 余程の事態でも起きない限りオウガもポアンさんも本戦へ進めるだろう。


 まず始めに女性のみの闘いが始まり総勢40名ほどだったので試合開始わずか10分ほどで試合が終了した。


 勝敗に関してのルールは至ってシンプル。


 *場外*気絶*降参などが負けとか、よく有るパターンのルールなんだね、後お約束通り闘技場には結界が幾つか張られていて魔法などなの誤爆が観客まで飛び火しないように措置されている。

 それと医療設備も勿論充実している、滅多な事が無い限り死亡者は出ないようだ。


 そして目の前では無差別級が既に始まっている。

 こちらは人数が多いのでA.B.C.Dグループに分けバトルロイヤルをし各15名ずつ勝ち残った者総勢60名を二つに割りAグループBグループでトーナメントをしA.B最終まで勝ち残った者同士で決勝を行い優勝を決める。



 中々強そうな猛者ばかり集まっているようだけど、このバトルロイヤルと言う試合形式はただ単に個人の力だけで勝ち残るのは難しい。


 その場だけ弱いヤツ同士で手を組み強いヤツを排除する面々が多数いるからだ。


 目の前でオウガのいるAグループを観ているが……俺の心配もオウガには問題無いようだ、数名に囲まれてもオウガほどの実力者の前では通用しない。

 オウガのいるAグループには目立った強者は居ないようだ……もしくは本戦が始まるまで、その実力を隠しているのかな?


 そして次にBグループ、このグループにはホッグやグリッド達4人が居る。上手く連携を取って勝ち残ったようだ。


 この4人もオウガ程ではないが相当実力がある、まぁオウガが飛び抜けて強過ぎるんだけどね。


 Cグループのバトルロイヤルも始まったようだが、ここではエルフが数名出場している……さして目立った戦闘はしていないな。

 まぁここで敢えて手の内を晒すバカも居ないだろう。


 そして問題のDグループ。このグループには姫様の兄貴レオンが出場しているのか……大人しそうな顔しているが結構やるな……流石獣王様が押すだけの事はある。

 しかしレオン王子が出場すると言う事で闘技場全体がザワめいた後に女性の観客達の黄色い声援が……普通にしてても爽やかイケメン野郎だからな、それが闘技場で華麗に闘うってんだから、女性の声援も凄いよな。


「どうしたの〜アスラ君、気になる出場者でも居たの〜?」

「いや居ないさ、人の戦闘を観るのも勉強の一つだからね」


 今俺はマリーさんと一緒に一般の観客席で観戦している。

 獣王様と姫様に貴賓席で観戦を薦められたのだけど、そんなお固い席より一般の席の方が気が楽だからね。


 それに千里眼で姫様の様子をチラッと伺って見たのだけど……目線がオウガばかり追っている……そんなトコで一緒に観戦出来るかッ!


 今日の試合はバトルロイヤルのみ、勝ち残った者だけ明日の本戦へ進める。


 そして勝ち残った者をシャッフルしグループ別に初戦の対戦相手を決めるようだ。


「ふ〜ん。話は変わるけどアスラ君が受けた依頼は終了したの〜?」

「あー少し時間が掛かったけど終了したぜ!」

「それにしても〜一人を治療するのに随分時間が掛かったんじゃないの〜?相手は女性だから時間を掛けたの〜?」

「ちょ!マリーさん、疑われるような発言止めてくれるか!流石に拒食症の栄養失調は時間が掛かるって!まぁ実際初回の治療で終わってるんだけど、その都度効果を促す為魔法を掛けていたからな」

「本当に それだけ〜?」

「本当にそれだけだって!」


 一体何を疑ってんだか……オウガや姫様の事は話してない。別に人の恋路までマリーさん達に話すつもりもないけどね。







 ◇ ◇ ◇


「オイ!どう言う事だ!?」

「イヤ分かりやせん!?確かに姫は難病を患っているハズなんでやすが……」

「じゃあ貴賓席で観戦している姫は何だ?どう見ても健康体じゃねーか!」

「すいやせん!急いでもう一度調べ直しやス!」

「あの噂は本当だったんじゃねーのか?」

「例のヴァルトリアから来た医術師のガキでやすか?」

「その、ガキが治したんじゃねーのか?」

「それも含めて調べ直しやす!」


「チッ!」


 なんてこった!コレじゃ計画が台無しじゃねーか!あんな物騒なモノいつまでも手元に置いて置けねー!俺らが逆に危険に曝される……







 ◇ ◇ ◇


 今日の試合は終了と……明日は本戦のトーナメント表が発表されて直ぐに一回戦のスタートか。


 ポアンさんと合流し今晩の夕食を食べに行こう、姫様の治療も終了したので獣王様に報告後城暮らしも終了!と、言う事で宿に寝ぐらを変えている。

 丁度マリーさん達が泊まっている宿が1室空いていたので早速キープして泊まる事に。


「ポアンさん、優勝出来そう?」モグモグ

「問題無い!」モグモグ

「ポアン〜優勝した賞金で何か奢ってね〜」グビグビ

「任せて 美味しい酒奢る」モグモグ

「やった〜期待してるわよ〜」グビグビ


 女性限定の闘技で優勝すれば賞金が金貨5枚だったかな?日本円にして、え〜と50万円くらいのはず、無差別級で確か白金貨1枚、日本円で100万かぁ〜多いのか少ないのかサッパリ分からん。

 闘技大会へ出場するのに銀貨1枚……これも高いような気もするけど気のせいだろうね。


「マリーさんは食い気より飲み気なのか?」モグモグ

「当たり前じゃ無いの〜」グビグビ

「当たり前の意味がよく分からん!」

「アスラ君は飲まないの〜?もう飲める歳でしょ〜?一杯どう?」グビグビ


「飲める歳だけど飲まないぜ、前にアマゾネスの女帝に酒を勧められて一杯で寝落ちして迷惑かけたからな」

 マリーさん結構飲んでるけど大丈夫なのか?


「一杯で寝落ち?」モグモグ

「一杯で寝落ちって〜相当酒に弱いのね〜もしかしたら〜薬でも盛られて寝込みを襲われたんじゃないの〜ケラケラ」

「流石にそれは無いだろう?」


 まさかな……俺の子種を相当欲しがっていたから……翌朝のエロイの反応は……?イヤイヤそれは無いだろう……


「何か思い当たる節でもあるの〜アスラ君の話ではアマゾネスの女帝さん、アスラ君に気があったんじゃないの〜ケラケラ」

「マリー飲み過ぎ!」モグモグ

「そうだぜマリーさん飲み過ぎだって」


 もうマリーさんが変な事言うから気になるじゃん。


「さぁ〜飯も食ったし宿へ帰るぞ!」

「もっと飲む〜もっと飲まして〜」

「「ダメ!!」」

「はぁ〜い」


 宿へ帰り自分の部屋で一息つく、徐ろにバックから金貨の入った袋を取り出し中身をチラ見……闘技大会の賞金より多いんじゃね?コレ


 姫様の治療が完治した事を獣王様に報告し城を出る時 渡された報酬なんですけど……中身を見ずにバックへ放り込んだからね……まぁいいか、基本お金使わないしバックの中だと盗難被害もないだろうから。


 さて明日は朝一から闘技場で観戦するからサッサと寝よう。





 ◇ ◇ ◇


 闘技大会2日目


 今闘技場へ来てトーナメント表を見ている……しっかりオウガとレオン王子が別グループ同士になっている……誰かの思惑と言うか意図的なモノが感じられるのだけど敢えて口には出さないでおこう。


 トーナメント表を一通り見たけど知ってる奴がオウガ達、レオン王子とポアンさんしか居ない。

 まぁ当たり前だけど今日の試合は各自一回戦のみのようだ、明日は2回戦と3回戦あるみたいだね。


 取り敢えず観戦しましょう。


「なぁマリーさん」

「なぁ〜にアスラ君?」

「気になったから聞くけど、武器ってなんでも有りなのか?」

「基本どんな武器も使っていいのよ〜但し剣とかだと〜刃を潰ししたモノかしら〜それと尖ったモノもダメね〜その処理さえしていれば〜どんな武器を使って良いわよ〜」

「なるほどね」


 試合であって死合いじゃないって事だね俺のトンファーとかメリケンサックなんか丁度良いのじゃないか?


「だから獣人の人達はよく武器を捨てて素手でやってる人が多いわよ〜」

「ふ〜ん、自分の牙や爪なんかモロに武器だからな……じゃ魔法はどうなんだ?」

「当たれば一瞬で決着つくわよ〜()()()()()()

「ん?当たれば?」

「ヘタに強烈な魔法を放とうとすれば〜それだけ呪文の詠唱が長くなるのよ〜」

「なるほど、呪文を唱えている最中に狙われるって事だな」

「そう言う事よ〜」


 そりゃそうだ、団体戦なら兎も角 個人戦じゃ援護が無いから逆に狙い目に会うって訳か……


「だから〜皆んな無詠唱で使える身体強化や威力は下がるけど〜短縮詠唱を使うのよ〜」

「ほほぅ聞けば聞くほど獣人に有利なんだな、獣人は獣化が使えるから」

「そうとも限らないわよ〜調子に乗り過ぎて暴走する人も偶に居るわよ〜」

「狂人化か……」


 一回戦と言う事で実力差がハッキリしている組み合わせに関しては試合も長引かず数分で終わる試合もある……面白くなるのは3回戦辺りたろうな。


「そんな事より〜アスラ君は誰に賭けたの〜」

「単発ではポアンさんかな、組み合わせだとオウガとレオン王子にしたけど」

「へ〜アスラ君は本命狙いなのね〜」

「その分オッズも相当下がるけどな、そう言うマリーさんは?」

「私も勿論ポアン絡みよ〜」


 そう本戦に入ってから勝敗に関しての賭けが出来るのだ!勿論国が運営しているので八百長は無いようだけど……実際ホントの事を言うと賭けには興味が無い!


 しかし考えれば この国管理の闘技大会って儲かるよなぁ〜観戦の入場料に闘技の出場料、合法の賭けも成立しているし、闘技大会目当てで外からも人が集まって来る。

 人が集まれば宿屋、飲食店などが儲かり、お土産など買う者もいるだろう、闘技場の周りには様々な露店やら屋台とかが結構な数あったしな……国としてはウハウハじゃないの?





 そう考えると優勝賞金が安いような気がするけど……そんな事より観戦に集中しなくては!



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