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聞き込み

 取り敢えず

「癒しの女神様〜この者を癒したまえ〜(ヒーリングとサイコセラピーをダブル掛け)」

「こ、これは!?」

 カラダと心が温かく楽になったような……


「これでよしと」

「アスラ先生!今のは一体?」

「姫様に元気になってもらう()() を掛けたんだよ、少しは楽になったか?」

「はい、とても先程まで悩んでいたのが嘘の様に気持ちが楽になりました」

「なら姫様は、今後しっかり食事を摂り闘技大会までには元の姿に戻るように!」

「ですがそれでは……」

「俺も色々協力するから、最悪どういう結果になるか分からないけど、取り敢えず想い人に 想いを伝えてからでも遅くないんじゃないの?だからそんな病弱な姿じゃなく元気な姿に戻ろうぜ」

「はい」


「じゃあ先ず その片思いの相手の情報を教えてくれ!どんな奴なんだ?」

「実は…その方は以前から知っている方なのです」

「以前から知っていた?」

「はい幼少の頃より兄のように慕っていた方なのです」

「兄のように?でも姫様にはレオンって言う兄貴がいるだろ?」

「言い方が悪かったですね、幼少の頃 私達兄妹と一緒に過ごす日々がよくありまして……」

「なるほど子供の頃兄妹のように育った訳だな」

「はい」


 ふぅ〜む、幼少時代から知ってる奴ね……一緒に過ごす日々がよくあったと言う事は、姫様達は王族だから それに仕える結構重要なポストの息子なんだろうな…でなければ いくら子供とは言え王族と一緒に過ごせないだろうし。


「今はそいつ城には居ないのか?」

「はい、居りません。五年前のアル出来事から城を出られています」

「五年前のアル出来事ね〜?」


 確かシィーナさんも五年前のアル出来事が、どうのこうの言ってたな……五年前のアル出来事って何だ?

 なんか急に気になってきたぞ!


「なぁ姫様、差し支えなければ その五年前のアル出来事ってヤツ教えてくれないか?」

「はい問題ないです。五年前のアル出来事と言うのは―――――――――――」


 姫様の話によると五年前 このベスティア獣国の国境付近に突如地竜が現れ狂った様に暴れ出したのだと言う…。

 その狂った地竜は見境いなしに近くの町村を暴れ壊滅させ次の目標獣都へと向かいだし それを阻止せんとばかりに国中の獣人が立ち向かった。


 だが相手が悪い 普通の魔物と訳が違う幾ら空を飛ばない魔物と言っても竜は竜 猛者を掻き集め挑むが悉く返り討ち、そこで当時獣王様に支えていた獣王様の腹心 文字通り強さで言えば獣王様を筆頭にNo.2の実力者の登場だ!


 そのNo.2率いる部隊も実力者ばかり、戦いの末 地竜に瀕死な重傷を与え退ける事に成功した。

 だがその時に仲間を庇い竜に噛み付かれても悲鳴すら上げず地竜の片目に竜を退けさす程の重傷を与えこの世を去った者が姫様の想いを寄せる奴の親父、獣王様の腹心らしい……



「親父が死にそれを機に そいつは城を出たのか?」

「はい、その通りです。それから城を出て姿を消されてから2年後の闘技大会で、その方を見つけたのです」

「その瞬間に兄の様に慕っていた気持ちから恋に変わったって事?」

「は、はい!」カーッ


「なるほどね」

 あらら姫様顔真っ赤になっちゃったよ。

 しかし地竜が突如現れ暴れまくったとか、こえー!でも倒す事は出来なかったのか……獣人の猛者が挑んで退かす事しか出来ないなんて どんだけつえーんだ!


 今度駄竜に会った時に聞いて見よう……あっ!そろそろ駄竜のトコへ行かないと!アイツ痺れ切らしてヴァルトリアまで俺の事探しにやって来るかもしれない!

 ここでの用事を済ませて直で駄竜のトコへ飛んで行こう。


「よし!大体姫様の想い人の事は分かった!後は婚約者の事だな」

「アスラ先生、その方の事は一切私 知らないのです」

「いいよ、俺が調べてみるから。取り敢えず姫様は食事をしっかり摂って体調を管理してくれ」


「はい、ですが……」


「姫様一つだけハッキリ言っとくけど、婚約者の方は俺にはどうしようもない!だけど想い人に想いを告げる事を手助けする事は出来る!今ので不満があったり納得出来ないなら俺は協力出来ないしヴァルトリアへ帰るだけだ」

「そうですね!アスラ先生の仰られる通りです。今はこの想いを伝えれるだけで充分です!」ニコ


「じゃあ俺は色々聞き込みとかして来るから、もし万が一婚約者が悪い奴なら獣王様に俺の方から文句言ってやるからな!まぁその婚約者って話が勘違いであって欲しいけど」

「アスラ先生!宜しくお願いします」

「あ、それと毎日は無理かも知れないけど姫様が元の姿に速く戻れるよう()()を掛けに来るから」

「分かりました。アスラ先生余り無茶をなさらずに」

「大丈夫大丈夫!じゃあまた!」



 姫様との話も終わり部屋を出た瞬間5人の猫娘達に詰め寄られる!

 端から見たら大人しい少年が不良少女達に囲まれて”おらー金だせや!” ”何いやらしい目でジロジロみてんだ!” とか言われてるように見えているのだろう。


アスラ殿!((エーナ))姫様は?」

「あーもう大丈夫だ」

 おっと!現実に戻ろう。


姫様の((ディーナ))病気はニャおったのですか?」

「いや、まだ完治はしてないけど、もう大丈夫だ。後 食事もしっかり摂ってくれると約束してくれたから消化に良く栄養のある食事を与えて欲しい」

分かりました((イーナ))ニャ!」


所で((シィーナ))アスラ殿、リオンヌ様の病気は一体何だったのですか?」

「え〜と それは精神的ストレスによる拒食症だと診断したんだけど」

 急にシィーナさんから普通に話し掛けられたら調子狂うな。


精神的((エーナ))ストレス?ニャにか姫様はニャやみでも抱えておられるのかニャ?」

アスラ殿((ビィーナ))その悩みとは……(ニャニ?)

「それは言えません!患者のプライバシーに関わる事なのでダメ!姫様が自分の口から言うのを待ってあげてもいいんじゃないの?年頃の娘なんだから悩みの一つや二つはあって当たり前だぜ」


それも((シィーナ))そうですね、エーナなんか未だに胸が大きくならないと悩んでいるくらいですから」

シィーニャ!((エーナ))それは言っちゃダメニャ!」


 なんか2人の言い合いから胸の事で5人の言い合いになってるし、この5姉妹仲イイんだな。


「所で姫様って、許婚とか婚約者っている?」

アスラ殿((ディーナ))は姫様を狙っているのですか?」

「狙ってない狙ってない!俺には心に決めた(ユーリア)がいるから!いやね王族だからそんな人が居るのかな〜って興味本位に聞いただけ、で居るの?」

その様な((シィーナ))話は全く聞いた事はないですね」

「へ〜そうなんだ」


 おや?5姉妹は知らないようだ……全員首を横に振っているし……他を当たるか。

 取り敢えず5姉妹には今日明日で治るモノではない事を伝え定期的に診断し俺の()()で効果を促す事も伝えた。

 獣王様達に報告した方が良いか聞いた所、自分達から獣王様に報告するとの事、滞在に関しての客室も既に用意してくれてるようだ。


 城外に出る時は一言伝えてくれれば問題無く城の外に出て良いとの事。

 街での聞き込みは必要かどうか分からないけど獣都をブラつきたいしね。











 ◇ ◇ ◇


 ワシの事を獣王と呼ぶ奴が現れるとは思わなかった…

「……フフ」

「あなた、どうかされたのですか?とても機嫌がよろしいようで」

「ん?レオンナか、なに今日ヴァルトリアよりやって来た医術師の者がワシを見て獣王様と呼びよったのジャ!久しぶりにその名で呼ばれ()()の事を思い出していたのだ」

「あら、()以外にあなたの事を獣王と呼ぶ方がいらっしゃるのですねフフ」


「その者は人族なのだが中々に良い目をしている、その者なら或はリオンヌを治療出来るやもしれんな」

「フフ私には既に報告が入ってますよ。リオンヌが食事を急に摂りだしたと」

「ナント!あの者 アスラと言う者、仕事が速いではないか」

「ただ…完治さすのには少し時間が掛かるようですよ」

「徐々にでも良くなる様なら それに越した事はない」

「そうですね」









 ◇ ◇ ◇


 今俺は外出許可を貰い城の外に出ている。そう今日の診察は終了したから獣都の街を散歩中。

 折角獣人の国に来たんだから色々見て回らないと損だしな、そう言えば闘技大会もあるようだし、それを観てから帰ろうかな。


 さて腹も減ったし何か食べたいなぁ〜。


「ほら大将、アイツ綿菓子屋じゃネーですか?」

「そうか?」

「ぜってーそうですって!」

「おいオマエ、綿菓子屋じゃないか?」


 何を食べようか悩みながら散歩をしていると急に後ろから俺の事だと思う話をしている奴がいる…振り返ると


「えっ?」


 あらま!そいつらはゲーハー国で知り合ったオウガ達じゃないの!

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