ルナ姫様大激怒!
王様から俺の持ってる剣が魔剣と聞かされて凄く驚いたよ。
しかも魔力喰いとか…王様の解説によれば斬る対象の魔力を奪う事から魔力喰いらしい、しかも斬って魔力を喰えば喰うほど斬れ味が増すとか、魔力の少ない対象だと斬れ味が唯の大剣並みまで落ちるって、だから扱いが難しく下手をしたら使用者の魔力まで喰い尽くす剣だとか…怖!
もしかしたらアルフの奴 扱い切れなくて厄介払いで俺に剣を託したんじゃ無いだろうな?
まぁいいか 俺 魔力ないから、それに使用しない時は、バックの中だし あんな大剣普段から背中から背負ってられないしね。
「思い出しましたぞ!何がオークションですじゃ!アレは闇オークションで然も城から抜け出し、どれだけ先代様がご立腹だった事か、ワシが必死に止めなければ今の陛下の顔が歪んでましたぞ!」
「す、すまぬ若気の至りと言うヤツだ」
「アッハッハ!リチャードは昔から無茶をする奴だったからな!」
「何を言う、お前が誘ったのだぞ?」
「ん?そうだったかな?」
この二人はホント若い頃から仲良かったんだな、年を取っても仲がいいのは良い事だ 。
なんせ王様同士だからね、仲が悪過ぎて戦争なんか起こされるよりいいからね。
二人の昔話は置いといてランバー国編の続きを話さないと。
大剣をアルフから貰い そこで武器の話になり、運がいい事にランバー国の城には専属の鍛冶をするドワーフが居る事が分かり、そこで俺の所持していたミスリルを鍛え武器を作ってもらう流れになる事を話した。
武器が出来るまで城で滞在する事になり、唯ボンヤリ武器が出来るのも時間の無駄だという事で城の訓練場でトレーニングに励んだ事を話 トレーニングのやり過ぎも身体に悪いから休日にランバー国の街をノンビリと観光がてらに散歩する事を話たら、爺さんが呑気な奴だと呟いている。
そんなの無視して話の続きだ!そこで次の厄介事に出会した事を話す。
その厄介事 つまり偽イナリ事件だ!別に自分から首を突っ込んだ訳じゃ無いけど、まぁ俺絡みだから仕方ないよね、そこで何か解らない内に本物vs偽物の回復勝負大会に発展してしまい、街の野外広場が急遽対戦会場化し いざ勝負!
本物が偽物に負ける訳が無いと言う事で俺が勝ちました!
そして野外広場を後にし城へ帰り、それから二日程だったかな?トレーニングをし又街を散歩、前回は観光どころじゃなかったからね!その日は長閑で何事も無く終わり城へ帰ると何と!待ちに待った武器が出来ていましたよー!
その日の内に王様に明日ランバー国を発つと告げ!
「そう、今日の朝ランバー国発ってヴァルトリアに帰る途中にワイバーン騎兵と遭遇した訳さ!以上」
「なっ何じゃとー!小僧は今朝ランバー国発ってヴァルトリアまで帰って来たじゃとー!?」
「だからそう言ってるだろ?爺さんも俺の能力知っているだろ?」
「個人で転移出来るのは知っているが距離があり過ぎる!転移魔方陣もそこまで万能じゃ無いのじゃ!」
「ふぅ〜ん そうなの?しっかしヴァルトリアがワイバーン騎兵に襲われてると思わなかったからな、そのまま暴れたら目立つだろ?だから同じ目立つなら俺ってバレないよう全身装備にしたんだ。だけどヴァルトリアでは魔族とか言われて災難だったよ」
「アスラ殿すまぬ!」
「あー、王様の成じゃ無いから気にしなくていいよ、取り敢えずヴァルトリアの騎兵を倒したんだけど、最後の騎兵がゲーハー国まで魔の手を伸ばしてるとか言ってたから慌てて飛んで来たんだ、間に合って良かったよ」
「アスラ殿!アスラ殿の話が面白過ぎて言い忘れたが、本当に本当に感謝する!民をこの国を救ってくれた事 心からありがとう!」ペコ
「そうさアスラ!本当にありがとう!」ペコ
「私からも言わせて、アスラ君本当にありがとう!」ペコ
ペコ ペコ ペコ
「王族が俺なんかに頭下げなくていいよ、数ヶ月とは言え世話になった国だし親友の危機だからな」
「僕は、アスラと親友になれた事 心から嬉しいよ」
「余からも礼を言わせてくれ、ヴァルトリアを救ってくれた事 感謝する!アスラ殿ありがとう」ペコ
あ〜皆んな頭下げなくていいって言ってるのに!やっぱり俺の事バラすんじゃなかったのか?まっ いいか!もう好きなだけ頭下げてくれ。
「そうじゃ小僧、騎兵からゲーハー国を攻めていると聞いたんじゃな?どこまで今回の敵の情報を掴んだんじゃ?」
「それな、攻めて来た敵国はダミアンらしいぞ」
「やはりダミアン王国か…性懲りも無く」
「ダミアン王国じゃとやりかねん!前回の襲撃の時もダミアン王国じゃったからの」
何でも王様と爺さんの話では、王様の親父先代王が現役(今は亡くなられている)だった時代 ダミアン王国の近隣に位置する弱小国を攻め入って戦争では有るまじき行為ばかりしてた様だ。
そこで先代王が兵やら物資を弱小国に支援したのが気に入ら無いらしく それから屢々(まぁ忘れた頃かな)嫌がらせの様にヴァルトリアに攻めてくるとか。
「それで王様の留守を狙って襲撃した訳か…ゲーハー国はとばっちり?」
「いや…とばっちりでは無い。少なからずとも余の父上も先代のヴァルトリア王に賛同し支援していた」
「なるほどね〜」
ぶっちゃけ国絡み特に戦争とか政治の事は俺には難し過ぎて解らん!
「所でアスラ殿、先程のランバー国での話に戻るが、偽物と本物のイナリ対決と言っておったが、それは巷で話題になっておる英雄イナリの事では有るまいな?」
「そうだぜ、自分で言うのも何だが英雄イナリ、つまり俺の事だぜ」
「なっ!まさかとは思ったが矢張り英雄イナリはアスラ殿か…」
「そう言う事だヴルース」ニヤニヤ
「アスラ殿には驚かされるばかりだな…初めて会った時 髪の色が緑色だと記憶しておるが、よもや隻眼の賢者なる者もアスラ殿では有るまいな?隻眼の賢者も髪の色が緑だと聞く…だがアスラ殿は隻眼とは違う…」
「まぁそれは想像に任せるよ、他に質問無いか?無いなら俺は行くからな」
行き成り質問と言われても直ぐに思いつかないようだ、そう言えば王妃様同士二人がやけに静かだと思ったら何やらバールドと姉ちゃんの事を話している、話す内容はチラッと聞こえたけど結婚した直後だのに もう孫の話なんてして気が早いね。
さてと質問は無いようだ、じゃヴァルトリアに帰りますか。
ヴァルトリアの王様も自国の戦後処理をするとかで最終的にはヴァルトリアのメンバーは、このまま転移魔方陣を使用し国に帰るようだ。
俺も便乗さしてもらおう。
エリーゼ妃は王妃様にしっかりやりなさいと念を押され 何時に無く緊張した顔で返事を返していたな。俺には”しっかりやりなさい”が早く孫の顔を見たいと聞こえたが気のせいかな?
「じゃあ帰るな、最後にバールド、姉ちゃん結婚おめでとうな幸せになれよ」
「ありがとう我が友よ!」
「ありがとうアスラ君!絶対幸せになるから!貴方もユーリアの事 幸せにしなさいよ!」
「なっ!」
「お、お姉様!」カー!
何を行き成り言い出すんだ!ユーリアが真っ赤になって困ってるじゃ無いか!
「あっ!そうだルナ姫様が昼寝から目覚めたらコレを渡してくれ」
そう言ってバックから大量のお菓子の一部をバールドに預けた。
一部といっても大量なんだけどね。
「近い内にまた遊びに来ると伝えてくれ」
「解った、必ず伝えておくよ」
そして俺はヴァルトリア陣営と一緒に転移魔方陣で転移しゲーハー国を後にした。
後で聞いた話だが、俺達が去って少しした後にルナ姫様が昼寝から目覚め、俺が城へ来ていた事がバールドから聞かされて、何故起こしてくれなかったのかと、バールドに凄く怒っていたようだ、そこでバールドが俺から大量のお菓子を預かっている事を告げるとコロッと態度が変わり凄くご満悦に成ったらしい。
流石お子ちゃま、チョロいね。