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ワイバーン襲来!

「マジかよ…ワイバーンの群れがヴァルトリアを襲いに?」


 行くか!?今の俺なら…いや待て、一体二体の話じゃ無い!通り過ぎるのを確認してからでも遅くは無い。

 暫く木陰に隠れながらワイバーンが通り過ぎるのを眺めている…漸く通り過ぎるのを確認し

「今のでザックリ三十体はいたな…」

 今のは唯の群れじゃないよな?統率が取れてた様な気もする…確認した以外で既に何体かは通り過ぎてるかも…


 さてどうしよう…まぁ悩んでも やる事は、いつもと一緒だしな!そうと決まれば着替えよう。

 素顔で戦闘もねぇ 隻眼もそうだしイナリは…もういいや!戦闘を誰かに見られて目立つなら!ワイバーンにはワイバーンで、という事でワイバーン亜種の装備を装着!しっかりマスクもして保険でボイスチェンジャー機能付きのマフラーをし変身ヒーローの完成だ!ってふざけてる場合じゃないな。


 取り敢えず通り過ぎたワイバーンより更に高く高く肉眼では見えない高さまで飛行!

 そして千里眼を発動!(ジ――――)

「エッ!?」

 ワイバーンの背に人が乗ってるじゃん!マジか!?アレってゲームや漫画などで見たワイバーン騎兵じゃ…マジかよコレって戦争なんじゃ!?


 俺は焦る気持ちを抑えワイバーンの行方を確認するようスピードを上げ王都へ向かった。皆んな無事でいてくれよ…



 ◇ ◇ ◇


 ゲーハー国


 ゲーハー国では昨日バールド王子と隣国ヴァルトリア王国第一王女エリーゼ姫との挙式も無事終わり本日は民衆に御披露目という形で盛大なパレードが行われていた。

 幸せを絵に描いたような二人を一目見ようと民衆達は祝福を贈りバールドとエリーゼは笑顔でそれに応えていた。


「リチャード、国に帰らなくて大丈夫なのか?」

「うむ、今の所まだ被害が出てないと伝令が有った、済まぬ心配を掛けさせて。後少しこのパレードが終わるまでの辛抱だ!慌てて動き出せばバールドもエリーゼも心配するでな」

「もし兵が要るようなら言ってくれ!」

「ヴルース感謝する!」

「何を言う、お主と私は親友では無いか、ましてエリーゼは私の義娘でもある、義娘の祖国が危ういとなれば力を貸すのは当然だろう」

「お主は相変わらずだな」

「フッ!それはお互い様だ」


 せめてパレードが無事終了するまでだ!爺の結界がそう易々と潰される訳は無い!しかし抜かった、ワイバーン騎兵で攻めて来るとは…噂では聞いておったがあの獰猛なワイバーンを飼い慣らすなど考えもしなんだ、残した者達を信じるしか無い!どうか余が帰るまで持ち堪えるのだ!




 ◇ ◇ ◇


 ヴァルトリア王国


 ヴァルトリアではワイバーン騎兵の襲来もヨハンの張った結界の前では()()()問題が無いようだ、然しそれは飽く迄ワイバーンでの攻撃であり それに乗る騎兵の連続する魔法攻撃の前では結界崩壊も時間の問題である。

 まして人との戦闘(戦争)に於いて兵士は力を発揮出来るだろうが相手が空を飛ぶ魔物になれば余程の武人でも無い限り襲って来る魔物に対して素人同然の動きしか出来ないのである、その怯んだ隙を狙い騎兵の攻撃が加われば結果は見えている。


 そこで魔獣魔物に対して力を発揮出来るヴァルトリア王国から要請された冒険者ギルドの強者(つわもの)達の登場である!然しある程度応戦する事に成功したもののワイバーンの数、そして遠方からの魔法攻撃の前では死亡者すら未だ出ていない状態だが、被害は徐々に拡大しつつあった。


「ファル〜どうする〜私の魔法じゃアレだけ離れて飛ばれたら当たらないわ〜」

「あん!そうだな俺の魔法もアレだけ離れたら当たらねークソ!」

 最初の数体は投石機で何とか当てて落ちた所を殺ったが投石機が当たらない距離まで離れられちゃどうしようもねー!


「ボブ〜被害の方は〜?」

「今の所死亡者は出て無いはずだ!ヨハンさんの弟子数名が駆け回って小規模の結界を張って踏ん張ってる所だ!」

「ファル!」

「なんだぁポアン?あん」

「ファルの風魔法でヴォルフ飛ばせて」

「あん?無理だ、吹き飛ばす事は可能でもヴォルフにまで危害が加わりかねん」

「ちょっと〜どうするのよ〜このままじゃヴァルトリア落とされるわよ〜」

「クソー!魔法が届く距離まで来りゃなんとかなりそうなんだが…」

 あん!奴ならどうする?どう対応するアスラよー!


「ちょっと〜アレ、ワイバーン増えて無い〜?」

「あん!なんだとぉ?」

 クソー!今でも対処出来ねーのに数が増えやがった!

「クッ!ここまでか!?」

「ガルルゥウ」

「ん?ヴォルフ?」

「ガルルゥ」

「エッ!ワイバーンの上に何か飛んでる?」


「ちょっと〜アレ人?」

「バカヤロ!人が空を飛ぶかっ!あん」

「ファル!アレは、まさか!?」

「チッ!ワイバーンの次は魔族かよ!」

「しかし何故今の段階で魔族なんかが!?」

「あん?知るか!取り敢えず撤退だ!周りにも知らせろ!急げ!」

 悔しいが今は撤退だ!ワイバーンだけでも対処仕切れねーのに魔族まで加わったら…クソ!


「ファル待つ!」

「あん?ポアンどうした?」

「アレ見る!」

「あん?」


 ポアンが指差す方向を見れば、ワイバーンの上空に飛んでいた魔族がワイバーン目掛けて攻撃している!?何!何故魔族が!?


 俺は夢を見ているのか?その得体の知れねー赤紫の魔族は巨大な大剣を振り回し一刀両断でワイバーンの首を斬り落とし襲って来るワイバーンに対して見たことも無い武器を投げ()()がワイバーンの翼を首を騎兵をクルクルと回転しながら斬り裂いていく……ハッ!っとなり周りを見れば俺と同じ様に驚き空に指を差したまま口を開け呆然とした者達ばかりだ…


「す、凄い…」

「何アレ〜メチャクチャ強いじゃないの〜アノ魔族は味方なの〜?」


 私は呆然とするポアンの手を握りしめ今 上空で戦っている魔族らしき者を見つめた、人の様な その魔族は信じらない速さで空を駆け巡り 一体また一体と次々とワイバーンを斬り捨てて行く…。

 先程まで王都に張られた結界を破ろうとしていた騎兵達も その魔族の存在が誤算だったのか戦列が乱れ出している…

 そして五十体程いたワイバーン騎兵も今は半数にまで減って来て…彼は、アノ魔族は味方なの〜?それとも敵なの〜?


「ガルルゥ」タタッ

「あっ!ヴォルフ!」


「あん!ボーっとするな!ヴォルフに続け落ちたワイバーンを仕留めるぞ!騎兵は息があったら捕虜として捉えるぞ!」

「解ったわ〜!ポアン行きましょう」

「了解!」

「ボブは俺達を援護してくれ!」

「おう!」


 先程まで劣勢だった戦況もアノ赤紫の魔族が現れて一変した!俺達に続くように他の冒険者パーティ達も落ちてまだ息の有るワイバーンを仕留めに!如何にワイバーンが強いとは言え翼を斬られ飛べないワイバーンなど恐るるに足らず!

 アノ魔族は一体…味方なのか?いや今は味方援護優先だ!



 ◇ ◇ ◇


 ゲーハー国


「何!?うむ解った、また近況が入り次第知らせてくれ!」

「ハ!」タタッ


「どうしたんだ?リチャード」

「うむ、魔族らしき者まで現れた…」

 ガバッ!「何!?魔族だと?」

「落ち着けヴルース!」

「何故魔族が現れて冷静でいる!?悠長に構えていると国が落ちるぞリチャード!」

「うむ、先程の報告によれば、その魔族らしき者がワイバーン騎兵を殲滅仕出していると報告があったのだ」

「何!?魔族が人の味方を?然もワイバーン騎兵を殲滅だと!?してその魔族とやらの数は?」

「報告によれば一人のようだ…」

「一人?その魔族は味方なのか?リチャード!?」

「解らぬ…解らぬが今は此方に対して一切の敵意も無く護る様に戦っていると聞く」

「ふむ…その魔族、味方であって欲しいものだな」

「そうだな…」



 ◇ ◇ ◇


 ヴァルトリア


「ふぅ〜残り三体だな、しかしアルフから貰った大剣スゲー斬れ味イイね!ガッツの作ってくれた鋭利なブーメランも抜群だし!さてとアノ一回り大きいワイバーンに乗ってる奴が隊の司令官っぽいね、先ずは雑魚二体を倒した後に色々聞いて見るかな!」



 じゃあ行きますか!

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