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バカなの?バカ王子なの?

 ブラッドの妹 ポーラの治療も終わり本当は、この国での用事も済んだ訳なんだけど、成り行きで城へ向かう事になった…いや着いてしまった!今回も何事も無く済めば良いのだけど…嫌な予感しかしません。

 異世界人だから?いや特性なんだろうな色々チート能力を授かる代わりに巻き込まれ体質に成る展開とかは、お約束なんだろうね。

 身体能力以外チートは貰って無いんだけど…このままシレっと帰ったらマズイかな…マズイよな、まぁ王様に挨拶したら終わりだから、サッサと会って帰ろう。


「さぁ早速 王の元へ」

「王様のトコへ行くのはいいけど仮面を外せとか言われない?」

「そ、それはなんとも分かりませんね?ただ王は寛大な方なので大丈夫かと…」

「寛大な王様ねぇ…それで息子の仕出かした事まで許すんじゃ?」

「それは無いと断言出来ます!」

「それだといいんだけど」


 場内へ入り王様の元へ向かっている…やっぱりね彼方此方からの視線が痛い!仮面をしてるせいだよねコレ?まだ医術師のクレイグさんが一緒だから痛い視線だけで収まっているけど、一人だと絶対に兵士に囲まれてるのだろうな。

 謁見は、無いものと思っていたのだけど、俺が到着する前に準備が整っていたらしく、俺待ちとか どんだけ暇なんだよ。ったく


「お主が、英雄イナリ殿か!待っておったぞ!良く来た良く来た」ウンウン

「一応イナリだけど、英雄じゃ無いよ」

 なんかテンション高い王様なんだけど…それにしても王様の両脇に控えてる奴等も少し気になるな…でも敢えて気付かないフリをしとこ。


「何を謙遜しておる、お主のお陰で、要らぬ火種が付く事も無く解決したと聞く、本当に感謝する、英雄イナリ殿!」

「それで王様の息子の処分なんだけど、どうするんだ?」

「イナリとやら、王の御前である!言葉を慎め無礼であるぞ」

「良い良い余が許す!我が国の恩人じゃ、そんな細い事で余は怒りはしないぞ宰相」

「ハ!陛下がそう仰られるのなら」

「我が愚息の処分だったの、本来なら罪人として一生牢暮らしなのだが、愚息とはいえ余の息子じゃ、一生城の中で幽閉と言う処分で決まりじゃ」

「幽閉ねぇ」


 死ぬまで幽閉か、間違いなく幽閉させらるのだろうね、なんせ王様の足元に誰がやったのかは、知らないけどクズ王子がボロ雑巾の様に伸びてるからな…まぁ自業自得だよね。


「不満かの?」

「いや不満は無い、外で悪ささえしなけりゃそれでいいよ」

「今回のお主の働きに何か褒美を与えようと思うとるのじゃ、何か欲しいモノでも有るかの?」

「褒美ねぇ…」


 別に褒美なんか要らんけど。それにトントン拍子で事が進むのが少し気になるな…


「お主の希望するモノは何じゃ?」

「じゃあ褒美として、この国のアル貴族の馬車が一年前一人の少女を撥ね怪我を負わせて知らんぷりしてるんだ、事情は医術師のクレイグさんが知ってるから、その貴族に注意と慰謝料の請求だな、因みに その少女は、ここへ来る前に治療して来た」

「何!余の膝元で大事な民を傷付け、何も対応しない輩がおるのか!?」

「陛下、残念ながら事実であります」

「ふむ、クレイグ!宰相と共に、そのバカ者を調べ上げろ!」

「御意!」

「イナリ殿、民を救ってくれた事も感謝いたす!誠お主は英雄よの」


 ほう〜一応王様なんだな一瞬纏っている気配と言うかオーラが変わるのが俺にも感じられたよ、民を大事にする王は良い王だ。


「王様、俺の用件は終わったから帰るぞ!元々この国に来た理由は、さっき話した少女の治療だけだからな!」

 サッサと帰らないと面倒だ!

「待たれよイナリ殿!そう急がず余と少し話でもしようではないか?お主の武勇伝 余にも聞かせてくれぬかの?」

「おい親父、もういいだろ?次は俺達の番だ!話ぐらい後で好きなだけしろよ」

「お前達の用こそ後でも構わんじゃろ?」

「いいや早くやりたくてウズウズする!」


 王様の脇に控えている奴、やっぱり息子か…しかも()()()()()()()()()()()とか言ってるし!


「お前達全員で、やるのか?」

「勿論だ!スカムのバカが言っている事が本当ならな、イナリ!俺と勝負しろ!」

「ハァ?」

 何言ってんのコイツ?

「兄貴、先ず俺からだ!」

「いや、兄貴達俺から勝負させてくれ」

「いやいや、ここは四男の俺に譲ってくれ」


 コ、コイツ等バカなの?クズの次はバカなの?バカ王子なの?そんな雰囲気はしたけど四人共脳筋の武闘派なの?


「俺の名はアルフ!イナリ、勝負する前に確認する、お前はアマゾネスの女帝を負かしたんだな?」

「あんたも弟と一緒で女帝を負かして妃にしたい口なのか?」

「はん!俺は、そんなモノに興味ねー強い奴とやりたいだけだ!」

「アルフ兄貴とは意見が合うな、俺の名はカルロス!どうなんだイナリ!女帝を負かしたのか?」

「ちょっと待て!アルフ兄貴カルロス兄貴!兄貴達は、そんな理由で勝負したいのか?」

「そんな理由とは何だ!クラークの勝負したい理由は何だ?言ってみろ」

「俺の勝負したい理由は、噂に聞く英雄殿の実力が真の英雄か確かめたい!いや胸を借りて勝負したいのだ!」

「クラーク兄貴も、そうなのか?俺もだ!俺も英雄殿と手合わせしたい!」

「おぉデリックもそうなのか!」


 なんか好き勝手言って盛り上がってるよ、今の会話を聞いていたらこうなるね。

 ☆第一王子(バカ1号)(長男)アルフ

 ☆第二王子(バカ2号)(次男)カルロス

 ☆第三王子(バカ3号)(三男)クラーク

 ☆第四王子(バカ4号)(四男)デリック

 ☆第五王子(人間のクズ)(五男)スカム


 まぁこの中で一番出来が悪いのが末っ子のスカムなんだな、もしかしたらボロ雑巾になったのは、兄貴達にボコられたのと違うかな?多分そうだろう。


「どうなんだイナリ、スカムの言うように女帝を負かしたのか?」

「アレは…勝ったと言えるのかな?もし勝ったとしても、勝負する理由が俺には無いぞ、メリットの無い勝負なんか俺はせん!」

「ななななななにい!?逃げるのかイナリ!」

「はい、逃げでも結構です」

「貴様は腰抜けかあああ!」

「はい、腰抜けでも結構です」

 だって面倒じゃん、サッサと帰りたいって!一人なら考えたけど四人も相手するとか、面倒だし全く利点が無い!


「じゃあこうしよう、貴様と勝負して俺が負けたら俺の愛剣を貴様にやろう!だが俺が勝った暁には、貴様の素顔を晒してもらう!」


「「「オー!アルフ兄貴それはイイ!」」」

「だろ?我が弟達よ」

 よし俺も武器を賭ける!俺も!俺も!

「ふむ、余も英雄イナリ殿の素顔は気になるの!フォホッホ」


「武器なんか要らんし、素顔が見たいなら面を外そか?それで勝負しなくていいなら安いもんだ」


「やややややめろおおおお!外すな!」

「エエー!どっちなんだよー!素顔が見たいなら幾らでも見せるって!」

「貴様の素顔は、そんなに安いのかあああ!プライドは、無いのかあああ!」


「アハハ!プライドなんかあるかぁー!素顔だと、要らん面倒事が舞い込むから仮面をしてるだけだ!この仮面が面倒事を呼ぶなら違う面で名前を変えるだけだ!」


 《《《《《《エエエエエエッ!》》》》》》




 英雄イナリ殿、お主は面白い男じゃ!我が息子共を言葉だけで手玉に取り翻弄するとは!フハハハ じゃが息子達との勝負も見たいものじゃ!

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