吐息
ひとつ
こぼした吐息は寒空へ
突き抜けていく青
どうぞ
そこへ
風が強く吹く場所へ
掠れていく
色と色の繋ぎめ
わたしの吐息は
縫い止められることなく
過去にも明日にも
縛られぬ場所へ
ひとり
わたしが足りないとして
ひとつ
減る明日ではないけれど
その吐息はためらいとして
その吐息は安堵として
そして
送り出された者の
密かに燻る使命として
消えては
紡がれるという
ささやかな
世界とのやりとり
高く澄み渡る
空は空として
今この場所で
白く染まる
ひとつ
その吐息は
微かなわたしの
いのちの温もりとして