13/24
幻影
「大丈夫かしら、あのおじいさん」
「俺の師匠だ。俺よりも強い、だから心配するな」
師匠の為にも早くこの場を離れなければ。
「でもなんでさっきから泡が止まらないの」
「知るか」
空を飛び島を出る。やっとこの地獄から解放された。と思った刹那。
「な⁉︎ なんだこれ‼︎」
海には巨大な影。その正体は巨大なカニだった。
「大きい....////」
「お前やばいぞ」
宇摩美が泡を吹いていたのはこの巨大なカニがいることを暗示していたのだろうか。何にせよ、危険であることには変わりない。
「我は海の化身、クラ・ブンタロウである。お前たちには今日の食料になってもらうである。最近うるさくてストレスがたまっているのである」
ブンタロウという巨大なカニはハサミを広げ俺たちを掴もうとする。
「まずいわ、避けてブンタロウ」
「いや俺はブンタロウじゃねーよ」
ただ巨大なカニなだけあって動きは鈍い。簡単に逃げられるだろう。
「逃さないである」
〈蟹の幻影〉
「っ⁉︎」
あたりが霧で包まれる。霧が晴れはじめると人が立っているのがわかった。
「お前は」
霧が晴れる
「親父⁉︎」