表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/73

嫌な魔力

 ノーア荒野と呼ばれる一帯から半日程北に離れた場所に、様々なギルドに所属するギルドメンバーが集まっていた。

「これだけ人が集まると壮観ですね」

 物珍しそうにその集団を眺めていたカルマは、興奮した口調で隣に居るイルカへと話しかける。

「そうですね、人の数だけでなく、これだけの数のギルドが一ヶ所に集まるなど、普通では有り得ない事ですからね」

 カルマの言葉に視線を上げたイルカは、軽く周囲を見渡してそう答えた。

「オグンさんも来られるんですよね?」

「はい、もうすぐギルマスだけではなく、委員会のメンバー全員がこちらに来られる予定ですよ。まぁ、これは委員会による呼び掛けの結果ですからね、最後は主催者も参加するという訳ですよ」

「そ、そうなんですね」

 イルカには珍しく、どことなく含みのある言い方に、ついどもってしまうカルマ。

「しかし…」

 イルカはノーア荒野の方へと視線を向けると、眉根を寄せて呟く。

「これだけの数が必要な相手とは…この先から感じる嫌な魔力の元凶ですかね、やはり…」

 そのイルカの予想は、この場に集まった誰もが感じているのだろう、周囲にはピリピリと緊張した空気が漂っていた。

「皆、集まっているな!」

 そんな空気をかき消すかのような大声が周囲に響き渡る。

 全員が声がした方へと振り向くと、そこには委員会のメンバー9人全員が、揃って立っていた。

「ふむ、我々の自己紹介は必要かな?」

 全員の視線が自分達に向いたのを確認したオグンはひとつ頷くと、周りにそう確認する。

 さすが委員会のメンバーと言うべきか、「いえ」という声や、首を横に振る動きで、集まった人達は自己紹介が必要ない事を伝えてきた。

「それはよかった。では、すぐにでも説明に移ろうか」

 そう言うとオグンは、世界を消滅させる者の事と、これからそれと戦う旨を説明する。

 皆の反応は様々だったが、先程からノーア荒野の方向から感じている嫌な魔力が、オグンの説明の証明のように感じ、全員の顔に緊張が走った。

「理解してもらえたようで何よりだ。しかし、戦うといってもまだ少しだけ時間がある、今から緊張していては身体が保たないぞ!」

 ハハハと、豪快に笑ってみせるオグンに、集まった各ギルドのギルドメンバー達は、強張った表情を少しだけ緩めたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ