いつかあれぐらい
「合流でもされたのかな?多すぎて斬っても、斬ってもきりがないんだけど」
モナルカから貰った剣を振るい、カルマは次々と魔物を倒していく。
一匹、また一匹と切り伏せていくも、魔物の数が多すぎて、ちゃんと倒しきれていなくて、復活でもしてるのではないかと、少し不安になってくるぐらいであった。
そんな出口のみえない戦闘を繰り返していたカルマ達の耳に、少し離れたところで起こった歓声が聞こえてきた。
「なんだ?」
カルマは歓声が聞こえた方に顔を向けると、そこには新たに現れた大勢の一団が、魔物へと攻撃を開始していた。
「おお、新しい人達が来たのですね!ならば、もう少し頑張れば楽になりますかね」
この無限に続くかと思われた魔物の一群との戦いに、やっと終わりが見えてきたカルマは、四肢に力を込める。
周りの味方も似たようなものらしく、先程よりも動きが良くなっているようだった。
「ミリ!そっちは大丈夫か?」
近くで戦っているミリに声を掛けるカルマ。
「なんとかねっ!疲れはあるけど、今のところ怪我はないよ。だけど、そろそろ休憩したいところだね…」
「まったくだ、やっぱりここの一群は数が多すぎるよな。だけど、向こうさんは援軍のおかげで結構圧してるみたいだし、もう少しでこっちに来るでしょうよ」
「みたいだねー、やっとか。しかし、先輩達は流石だね」
ミリは周囲の同じ『夜天光』のギルドメンバーに視線を向ける。そこには、次々に灰になって消えていく魔物達の姿と、疲れた様子の見えないギルドメンバーが戦っていた。
「戦い慣れてるよねっ。俺達も見倣わないと」
感心した口調で話すカルマ。
「そうだね。私達も、いつかあれぐらい戦えるようにならなきゃね」
同意を示して頷くミリ。
「とりあえず、その為にはまず、これに生き残らないとねっ」
ミリは、手に持った剣以外にも、魔法攻撃も併用する。
「お~い、そんなに魔法使ってたらすぐにばてるぞ」
心配そうに声を掛けるカルマ。
「大丈夫、大丈夫。ちゃんと加減してるから」
「それならいいんだけど」
二人がそんな会話をしているうちに、ルーのギルドメンバー達が戦っていた方の魔物は全滅し、戦っていたギルドメンバー達は、残りの魔物に向けて攻撃を開始していた。
程なくして、援軍と共に残りの魔物も殲滅し終えたカルマ達は、その場に座り込むと、つかの間の休息をとるのだった。




