表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/73

お役に立てるような情報はなにも

「すまないな、礼をしなければならない立場なのに呼び出してしまって」

 書斎に入ると、オグンが申し訳なさそうにモナルカに話しかける。

「いえ、構いませんよ。それで昨日言っていた話とは?」

「あぁ、昨日も言ったが、やはり1人でテトラ遺跡は危ないと思うのだが…」

「私は大丈夫ですよ。今までも様々な遺跡を調べて来ましたので、自分の身の守り方ぐらいは心得てますから」

 言いづらそうにするオグンに、モナルカは諭すような口調で返答をする。

「む、そうか。それならばいいのだが…、昨日言っていたテトラ遺跡にあるという魔物についてとはどういったものなのか何か分からないか?」

「確かな事はなにも」

「そうか」

 首を横に振るモナルカに、残念そうに呟くオグン。

「訊きたいのだが、色々な遺跡を巡っているのなら魔物についてなにか分かった事はないか?」

「魔物について、ですか?」

 漠然とした質問に首を傾げるモナルカ。

「あぁ、モナルカくんは先日王都方面へ魔物の進行があったのは知っているか?」

「はい、噂程度にですが」

「では、簡単に説明するが、つい先日の事だ、ニヒ遺跡、ケラト遺跡、キノドンダス遺跡の3つの遺跡から魔物が群れをなして移動してきたのだ。幸いというか、その魔物たちはノクターン森林で倒すことが出来たのだが、何故そんなことが起きたのかは未だに詳細は分かってはいない」

「だから魔物について知りたいと」

「ああ、そういうことだ」

 力強く頷くオグン。

 そんなオグンを見て困ったように頭をかくモナルカ。

「お役に立てるような情報はなにも」

「そうか、変なことを聞いてすまなかったな」

 モナルカの返答に一瞬落胆の色をみせるも、直ぐに気を取り直してモナルカに答えるオグン。

(言ってもよかったかも知れませんね…)

 そんなオグンをみて自分の推測ぐらいは話してもよかったかも知れないな。と思うモナルカであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ