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頼りにしてるわね
翌日の朝、エドワードとサラが王都を発つ挨拶をするために、ミリとカルマを訪ねてギルドハウスに来ていた。
「もう2、3日ぐらいいればいいのに」
ミリが寂しそうに2人に話かける。
「また来た時もミリの所に寄るから」
「エドワード兄さんだけじゃなく、私も手紙を書くわ」
そんなミリの頭を、エドワードとサラは優しく撫でながらそう語りかける。
「うん、絶対だよ!」
「あぁ」
「勿論よ」
笑顔でミリに答えた2人は、そのままカルマの方へ顔を向ける。
「ミリをよろしくお願いします」
「フフフ、カルマさん、頼りにしてるわね」
「は、はい!」
2人の言葉に緊張から背筋が伸びるカルマ。
「それじゃ、僕たちは行くよ」
そんなカルマを微笑まし気に見つめると、エドワードとサラは南部西側の門に向けて歩き出す。
そんな2人の姿が見えなくなるまで手を振り続けるミリの隣で、軽く頭を下げて2人を見送るカルマであった。




