いざ出陣〜
「この店なんてどう?」
王都北部に位置するギルド本部の近くにある、一軒の店をミリが指差す。
この辺りの店は、ギルド本部が近くにあるので、ギルド本部に勤めている人が客層の中心になっていた。
必然的に店側の想定しているお客の年齢層は、低くてもカルマやミリよりも少し高めであり、店に並んでいる商品もそういう年齢層向けのものが中心であった。
ミリが指差した店はそんな中では珍しくカルマとミリのような年頃のお客を狙った店のようで、1つの店の中に甘味処と雑貨屋が一緒に入っている店であった。
「いいんじゃない?雑貨屋の方はミリ好みのかわいいのがあるみたいだし、甘味処は…なんかすごく甘ったるそうなのが多い気がするけど、ミリはそういうの結構好きだったよね?だから甘いもの食べた後にでも雑貨屋覗いてみれば」
「うん、もちろんそのつもりだよ!あっでも、甘いもの食べたら眠くなるから先に雑貨屋さんからの方がいいかな…」
頬に人差し指を当てて真剣な顔で考え始めるミリ。
「じゃ、まずは雑貨屋から覗いてみようか、甘味処は店内で座って食べられるみたいだから雑貨屋でちょっと買い物しても邪魔にはならないだろうし」
「うん、そうだね、そうしよう!じゃ、やることは決まった事だし、いざ出陣〜っと♪」
そう言って右手を高らかに上げると、上機嫌でカルマの手を引いて入店するミリだった。




