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色々面倒なんだよ

「今日集まってもらったのは魔物退治についてだ」

 会議室に着いたオグンは開口一番待っていたカルマ達6人にそう告げる。

「魔物退治?何処かの遺跡調査の護衛依頼ですか?」

 オグンの言葉にそう問うイルカ。

「いや違う。昨日報告があってな、ノクターン森林近くで魔物の群れが確認された。その魔物の群れは王都方面に移動しているらしい。そして、その報告を受けて王国側から魔物退治の依頼がギルド本部にあってな、委員会は王都にあるギルドから実力のある5つのギルドを選抜、その5つのギルドに魔物退治のクエストを発注した。その内の1つがウチで、ウチから魔物退治に派遣するメンバーが君たち6人というワケだ」

「魔物が群れで移動?それは確かな情報ですか?」

 魔物は基本的に一部の遺跡とその遺跡周辺にしか存在しないが、稀に単体で、多くて4、5体程が出没地域外に出ることもある。だが、出没地域が近くにない王都の近くに魔物が移動しているだけでも珍しいのに、それが大群で、しかも目的らしきものを持ってる可能性があるなど、にわかに信じられる話ではなかった。

 なので、イルカがオグンにそう確認したのもおかしな話ではなく、当然の疑問であった。

「ああ、王国からの確かな情報だ。ギルド本部側でも確認がとれてるしな」

 オグンの答えに、それでも信じられないという顔をする集まった6人。

「未だに色々信じがたいですが、分かりました。それで、直ぐに発った方がいいんですよね?」

「その方が助かる。魔物の現在地はノクターン森林だ。もう出発しているギルドもあるみたいだしな、今回の依頼は現地集合といった所か」

 皮肉混じりにそう告げるオグン。

「他のギルドからの参加メンバーは分かっているんですか?」

 6人を代表してイルカが今回の依頼の内容を質問する。

「参加ギルドは『夜天光ウチ』以外は『アレス』、『ブギーマン』、『アンモライト』、『アカンサス』の4つだ。参加メンバーは分からない。他に訊きたい事はあるか?」

「そうですね、確認されている魔物の数と種類、あと今回の依頼の条件の有無と有るならば内容、それと退治後は各ギルドが本部に報告すればよろしいんで?」

「報告では確認された魔物は小型と中型のみで、合わせて500程。大半が小型で、犬や猫などの動物型が多く、少数ではあるが人型も確認されているそうだ。条件については特には無い、速やかに退治してくれればそれでいい。退治後の報告は手間だが各ギルドが各々本部に報告してもらう。国からの依頼ってのは色々面倒なんだよ」

 げんなりした様子で最後にそう付け加えるオグン。

「分かりました。…では準備がありますのでこれにて失礼します」

 イルカは他の5人に他に訊きたい事はないかと目線で問うたあと、オグンに一礼して会議室を出ていく。

「ああ、気をつけてな」

 会議室を出ていくイルカにそう告げると、イルカに続いて退室する5人にもそれぞれ一言ずつ声を掛けていくオグン。

「あとは報告待ちか、その間に魔物について調査しないとな」

 6人が出ていった扉を見つめながら、これからの予定を確認するオグンであった。


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