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デスゲームの正しい攻略法  作者: エタナン
第五章:成長(ビルド)編

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92頁:死者はちゃんと悼みましょう

 本日は二話連続投稿です。

 しばらく本編前後のコーナーはネタストック不足のためお休みします。

『おやつの時間にしましょうか。

 パンがないならお菓子を食べましょう。

 わたくしは飽食の魔女。

 飢えを知らない幸福な魔女。


 ああ、でもまだ足りないわ。

 お菓子ばかりじゃつまらない。

 だから、お菓子はあなたにあげる。


 かわりに、あなたを食べさせて』


 〖飽食の魔女〗は歌うようにそう言った。

 攻め込んでいたプレイヤー達も手を止める。


 感じたのだ。

 今までとは違う圧力……少女の身体に不釣り合いな迫力を。

 そして、背後で扉の閉まった音がして悟る。


 追いつめていたのではない。

 誘い込まれていたのだ。

 追いつめられたのは……自分達の方だ。



 誰よりも早く動いたのは赤兎だった。


「はあっ!!」


 仲間を飛び越えて真上から〖飽食の魔女〗を攻撃する。その一撃は速く、また鋭い。

 その刀の切っ先が、魔女の額を貫こうとし……



 魔女の振った『スプーン』に弾かれた。


「んなっ!?」


 反応速度が今までと違う。

 動きが違う。

 そして……


「こいつ……ヤバい」


 雰囲気が違う。

 仮面で顔は見えないのに……笑ってるのがわかる。



『あなた、強いですね。でも、単調過ぎます。仲間が邪魔で跳んだのが丸見えですし、奇襲は相手が油断してるときじゃなきゃ通じませんよ』



 〖飽食の魔女〗の身体から黒い煙のようなものが吹き出し、背後に集まって人型となる。

 その姿は……骨が浮き出るほど痩せこけている、とんがり帽子と鷲鼻が特徴的な魔女。しかし、その肩に腕は付いておらず、身長が2m以上あるため細長い塔の影ように見える。


 まるで、目の前の愛らしい魔女と対照的な……不気味な『魔女の影』。


 次の瞬間……

 『攻略連合』の壁役プレイヤーの一人を、魔女の影がじっと見つめて……口を開いた。


 バグン


「え……」


 壁役の上半身が消えた。

 魔女の影の異常に大きくなった頭の……口の中に消えた。

 鎧も盾もHPも関係なく……



 喰われた。



『さあ、本当のデスゲームを始めましょう』

 殺戮が始まった。







《現在 DBO》


 12月22日の朝。


「それで、その後は見るも無惨な潰走ですか……」


「ああ、なんでもボス部屋の扉をなんとか破壊して逃げたは良いが、城を出るまで『魔女の影』が追ってきたらしい。」


 ライトは卓球台の反対側にいるマリー=ゴールドに事の次第を報告しつつ、ピンポン球を打ち返す。

 ラリーは一定のペースを崩さずに続けられている。


「生き残った皆さんは、今どうしてるんですか?」


「今回は一度に犠牲者が大量に出たが……まあ、今までも犠牲者が全くいなかったわけじゃない。『攻略連合』も『戦線(フロンティア)』も仲間が死んだときには身内(ギルド)内で簡易な葬式をしめやかに行うらしいから、一応ナビキはTGWにいたこともあるし参加してるが……マリーは行かないのか?」


「……どういう意味ですか?」


「マリーなら『こういうときはカウンセリングが必要ですね』とかって言って、オレが何も言わなくても慰めに行くかと思ってな」


 ライトがそう言いながら球を打ち返すと、マリーは微笑みながらその球を打ち返す。


「あらあら、ライトくんにしては珍しい読み違えですね。今回、私は手を出すつもりはありませんよ」


「どうしてだ?」


「私は確かに苦しんでる人を助けたいとは思いますが、過ぎた善意は助けになりません。仲間の死を乗り越えることは、貴重な人生経験です。そこに私が割り込む必要などありません。」


「……死に怯えて前線を離れようと考えてる奴もいるらしいが?」


「戦いたくない人を無理に戦わせるのは良くないですよ。私の所にトラウマを消したいという相談でも来たらお応えするつもりですが。」


「……攻略が遅れるから治療するとかって考えはないのか?」


「ライトくんならそうかもしれませんね。でも、私は攻略のためになりふり構わず全力を出せるほど、攻略に熱心じゃないんです。不謹慎かもしれませんが、私はこのゲームを楽しいと思っています。今こうやってあなたと遊んでいられることだって、何事にも代え難い幸せを感じているんですよ。」


「それ、恋人同士とかで言うセリフだろ。誰にでもそういうこと言ってると、その内泥沼になるぞ」


「恋人でなくたって幸せにしてもらって良いじゃないですか。それに、ライトくん以外には言いませんよこんなこと。他の人に言ったら、きっと勘違いされちゃいますから」


「……勘違い『させちゃいますから』の間違いじゃないのか?」


「……さあ、どうでしょうね。あら……」


 マリーが球を取り逃し、仕切り直す。


 それを話題を切り替えるいいタイミングだと思ったのか、マリーは球を拾ってサーブを打ち出しながら新しい話題を切り出す。


「ところで、魔女さんの『即死技』ってどんな技なんですか?」


 ライトは新しい話題に動じずに答える。

 聞かれたくないことに深入りするほど、ライトは無粋ではない。


「『魔女の影』ってやつを召喚してプレイヤーを襲わせるんだが……盾や防具での防御は不可能、頭や胴体を食いちぎられれば当然自動的にHP全損、しかも一度目を付けられたらどこまでも追尾されて、全身食うまで攻撃を止めないから腕だけ食わせて回避とかもできない。おまけに、プレイヤーからの攻撃は全て完全透過、攻撃対象を襲おうとするのを邪魔すると巻き添えくらって身体を削られる。ぶっちゃけ、トラウマになってもしょうがないようなやつだよ」


「そうですか……怪我人の方はその『魔女の影』さんを止めようとして……」


「実際には、ただ単純に魔女と攻撃対象の間にいた奴が邪魔だから食われただけってのが多いらしいけどな。直線移動の高速移動、その間の直線に乗っているプレイヤーは目にも留まらぬ早技で身体や武器を持ってかれた……らしい」


「……倒せるんですか? その魔女さんは」


「まあ、どうしても倒したいなら、影の方とはできるだけ戦わずに本体を潰しにいくのが定石だろうな。本体はその間、他の魔法はいっさい使わずに手持ちの武器で防御してたらしいし」


「仲間が食べられてる間にそれを無視して敵を攻撃ですか……普通のゲームならともかく、このゲームでは犠牲が大きすぎる。」


 今回の犠牲者数は主力攻略メンバーの一割近くに上る。

 一回の敗戦では大き過ぎる痛手だ。


「今回の事を受けて、二つのギルドは『魔女』って呼ばれるシリーズのボスは攻略しない方針を取るつもりらしい。元々隠しボスだから攻略しなくてもエリアは開拓できるし、妥当な判断だろうな。それより今は、欠員の役割をどう埋めるかとかを決める方が先だ。攻略も今年中は中断することになるだろう」


「そうですか……ところで、一つ聞いていいですか?」


「なんだ?」


「ライトくんは魔女さんがそういった技を使ってくると、知っていたのではないですか?」


「……どうしてだ?」


「ただの勘ですよ。推理と呼ぶには不確定過ぎても、ライトくんなら推測から確信を導き出していても不思議ではありませんから」


 マリー=ゴールドの言葉に、ライトはしばし考えてから……


「そのくらいのチート技がある可能性は、確かに考えてた。他にも『不死身』『無限分裂』『世界創造』あたりを予想してたが……まあ、本音を言うとその中では『マトモ』な方だった。」


 それを聞いたマリー=ゴールドは呆れたように溜め息を吐く。


「はあ……ライトくんの予知って、そういう情報は詳しく分かるのに、なんでもっと他の人に言わないんですか? もっと警戒していくように言っておけば……」


「今回はオレの知らないところで城が発見されて、知らない内に突入されてた。まあ、オレがOCCと繋がってるから意図的にオレに情報が伝わらないようにしてたんだろうが、これは誤算だった。だが……それは、マリーにも言える事じゃないのか?」


「はい?」


「マリー、予知を制限してるだろ。マリーならこのくらいの動き、楽に『予言』できたはずだしな。」


 マリー=ゴールドはライトの言葉に押し黙る。

 マリー=ゴールドの『予言』は、多くの人の動きを予測して、操り、その予言を実現させる。個人の心を自由に操り、バタフライ効果を制御して大勢の人間の行動を支配する。

 彼女なら、この作戦を予め知ることどころか、止めることも出来たはずなのだ。


 だが、マリー=ゴールドは気まずそうに沈黙する。

 球を取りこぼす。


「……悪いな、責任の押しつけ合いは見苦しい。未来なんて、見えるからって見たいとは限らないよな。ましてや、自分の影響でどう未来が変わるかが手に取るように分かるなんて、気持ちのいいもんじゃない」


 ライトは新しい球を手に取る。


「ストレス溜まってたらいつでも付き合うぜ。今は『不機嫌な時期』らしいしな。」


「……お気遣い、ありがとうございます。」








 一時間後。

 マリー=ゴールドとの卓球を終えたライトは、部屋でうなされている黒ずきんの治療に向かう彼女と分かれて旅館のスカイの仮部屋を訪ねた。

 


「て、なんか行動が恋愛ゲームみたいなんだけど。好意度を調節してハーレムエンド狙ってない? マリーの好感度上げて次は私?」


「まさか、オレはハーレムどころか誰ともくっつく気なんて無い、皆大事な友達だよ。ハーレムとは程遠いだろ?」


「ハーレムどころか泥沼じゃないのそれ……ま、いいわ。今度のクリスマスを誰と一緒に過ごすのか楽しみだわ。」


「クリスマスか……やっぱりクリスマスフェアとかセールとかは予定通りにやるのか?」


「当たり前よ。一応追悼の意を込めて黙祷とかはやるけど、この稼ぎ時に他のギルドにつられて沈んでたら商人やってられないわよ。一応葬儀のための花とかは贈らせてあるけど」


 あっけらかんとして言うスカイ。

 スカイは初期から武器の発注などで戦闘職にも顔が広いので、犠牲者の中にも知り合いは確実にいるはずだが……落ち込んでいる様子はない。


「相変わらず過ぎるだろ。もっと女の子らしく他人の死を悼めよ。ちょっとは同情しろよ」


「同情なにそれ、売れるの?」


「記事とか小説にすれば売れるんじゃないか? てか、プレイヤーのテンション下がってクリスマスの売り上げにも影響出るんじゃないか?」


「……クリスマス終わるまで、いや、正月終わるまで公表させないように情報操作しようかしら」


「いや、多分先に済ませた方が良いと思う。秘匿すると印象悪いし」


「ま、それもそうね。戦闘ギルドが人数減って戦力が減ったってのも公表したい情報じゃないだろうし、犠牲者数をボカす取引でもしましょうかしら。上手く行けば交換条件でさらに契約とれるかもしれないし」


「本当に悪魔みたいな思考パターンだな……どうやっても契約とる気か」


 使えるものは親でも使うどころか、死者でも使うスカイである。しかも取引では本当に死者を悼んでいるような顔をするから驚きだ。


「で、私の所に来た理由は何なの? 儲け話の一つでも持ってきたの?」


「儲け話にはならないだろうが……ちょっと気になることがあってな」


「何?」


「今回の『攻略連合』の動きの裏を詳しく調べて欲しい。『誰か』が糸を引いてるかもしれない。」


「はあ……『誰か』っていうか、どうせ『蜘蛛の巣』でしょ。あの大ギルドに何か出来るんだったら、そこら辺の犯罪ギルドじゃないだろうし」



 『蜘蛛の巣』とは、小規模な非公式犯罪ギルドが繋がって形成した犯罪ネットワークだ。以前はその全容が掴めず、本当に全てが繋がった組織なのか、それとも単体ギルド同士の個別の繋がりなのかも分からなかったため呼称すらなかったが、最近その組織構造の一部が判明してきたためプレイヤー情報誌『狐の嫁入りスキャンダル』で命名されたのだ。


 その組織構造の基本原理は『利害の一致』。

 仲間として深く関わりすぎず、一つが押さえられても、そこと関係のある犯罪ギルドがフレンドリストから押さえられたギルドのメンバーとのフレンド登録を即切ってしまうので芋づる式に捕まえることが難しい。

 さらに、ギルド間であえて間違った情報を流し合っているので口から出た情報もあてにならない。

 基本的には互いに上下の関係はないらしいのだが、ギルドに犯罪の『得意分野』があるらしく、目的の犯罪の手助けになる他のギルドを斡旋するギルドがある。しかも、犯罪ギルド間の依頼は独自のルートのようなものがあるらしく、アイテムや金の流れからの繋がりの特定も難しい。



「オレに情報が届かないようになってたなら、多分シャークだろうけどな……あいつ、姿は見せないのにオレをガッツリマークしてるし」


「相変わらず変な繋がり多いわね……まあ良いわ、でも分かってるんでしょうね? 情報料は」


「『必要な額』、ツケで頼む」


 まるで申し合わせたように、合い言葉のようにライトは答えた。


「……いつも思うけど、値切り交渉とかする気ないの?」


「最終的に最初より値段が上がるのが目に見えてるからな……それに、オレが依頼するの待ってただろ?」


「まあね~。お金にならないと仕事する気にならないし~」


「ホントに相変わらずだな、スカイは」


「ライトもね~」




 ライトが退室した後、スカイは溜め息を吐く。

「はあ……相変わらず気が利きすぎるのよ、ライトは」


 そう言いながら、スカイはライトに書かせた依頼書に目を落とす。


 この依頼書があれば、スカイは『攻略連合』に犯罪ギルドのスパイがいないか詳しく調べることが出来る。『戦線(フロンティア)』と違い人数が多く管理の目が行き届きにくい縦割り構造をしている『攻略連合』は、以前からそのような心配がされていたのだ。


 だが、最大の生産ギルドが、最大の戦闘ギルドの内情を探るのは外聞も悪いし、政治的な問題になる。隠密に調べるにしても、発覚したとき問題になるリスクを考えると下手には手を出せない。

 だが、ギルド外部のライトが『自分を仲間外れにした相手の思惑に関して自腹で調査を依頼した』となれば、話は別だ。あちらから苦情が出ても『注文された情報を用意しているだけ』だと主張できる。ライトに対して情報が遮断されていたのも事実だし、この依頼書が交渉の大きな武器になる。


「ま、ライトはゲーム初期からのお得意様だし断れないもんね~……ホント、良いお客さんね」


 スカイは誰に聞かせるでもない言葉を吐き、最後にガラにもなく呟いた。


「たまには、仕事以外の話もしていったら良いのに、あの効率中」










「借金増えました?」


「ホタル、『髪切りました』みたいに言わないで欲しいんだが」


 ライトは部屋を出てすぐ、ホタルに引き止められていた。どうやら部屋の前に張り付いていたらしい。


「てか、盗み聞きか……趣味が悪い」


「何を言いますか。これは盗み聞きなどではありません、危険人物と一緒にいるギルドマスターを陰ながら護衛するのはサブマスターたる私の義務です」


「サブマスターって大変なんだな。他にどんな義務があるんだ?」


「移動中には気付かれないように護衛、就寝中にもギルマスを護るためベッドの下に潜伏、献上品に危険物がないかを全てチェック、ギルマスの疲れを癒すための濃厚なスキンシップなどなどです。」


「それ、一歩間違えなくてもただのストーカー行為だからな。」


 これで大ギルドのサブマスターが勤まっているのだから驚きだ。

 ライトのストーキングをしていたときから変わらないが、ホタルは高スペックなストーカーなのだ。しかも、『忍術スキル』を鍛えているおかげで天井に貼り付いたり壁紙の裏に隠れたりという事も出来るのでストーキングの技術も超一流。


 そして……


「他人からどう思われようが、私の想いは本物です!」


「清々しいくらいに堂々としてるよな。まあ、そういう真っ直ぐな性格だからこそ人望があるんだろうが……リアルに戻ってからはやるなよ。警察に捕まるから」


 今はストーキング対象のスカイが『護衛にちょうど良いし、それで仕事に精がでるなら構わないわよ』と全面的にホタルの行動を許しているので問題にはなっていない。


「そのお言葉、そのまま返しますよ、『ライト様』」


 そう言って、上目遣いにライトを見て、触れ合う寸前まで近付く。

 そして、まるで睦言でも言うかのように囁きかける。



「忘れないでくださいね、私はあなたからスカイさんへ鞍替えした軽い女ですが、愛は重い女です。スカイさんに何かあったらただでは済ませんませんよ」



 元義賊。

 このゲームで初めて結成され、全滅した犯罪ギルドの生き残り。

 相手を間違えている復讐者。


 何をするか分からない、不安定な少女。

 言わば、いつ暴走するかわからない自動車のようなものだ。

 それを平然と乗りこなすスカイの手腕は大したものだ。


 正直なところ、ただ殺すだけの殺人鬼より手練手管や人脈、自身の身を顧みない搦め手まで使ってきそうなホタルの方が怖い。


 しかも、犯罪者に捕まって拷問を受けてから何かに目覚めたのか性格ががらりと変わり、被虐的な行為や発言してそれを楽しむそぶりを見せることがある。

 むしろ、喜んで道連れくらいしてきそうでなおのこと怖い。


「……わかったよ。てか、わかってる。むしろ、オレはおまえの方が心配だ」


「どういうことですか?」

 ホタルは訳が分からないというふうに小首を傾げる。


「女の子同士が悪いとは言わないが……勝手に乙女の純潔とか奪うなよ。この前もアマゾネスのサブマスから『貞操奪われそうになった』って苦情来てただろ」


「それは確約できません」


「確約してくれよ」


 ホタルはいろんな意味で『危ない人』だった。







 同刻。

 ナビキは遠く離れた場所で巨大クエストボスと戦うプレイヤーを見て、唖然としていた。


 ナビキは一応死者の中に元パーティーメンバーがいたために葬式に参加していたのだが、アイコと話をしているときに気付いたのだ。


 赤兎が、葬儀に参加していない。


 どこを見てもいない。


 慌ててフレンドリストで位置を確認し、立場上葬儀を抜け出しにくいアイコの代わりに探しにきたのだが、そこで見たのは刀を抜かずにひたすらクエストボスの攻撃を避け続ける赤兎だった。


 最初はその意図が見えずただその動きに見入っていたのだが、その動きを見続けていてようやく気付いた。


 赤兎がいなくなったのは『魔女』への不干渉が宣言された後だ。


 それから、赤兎は誰にも言わず、ひたすら敵の攻撃を避け続ける修行をしている。

 ということは……


「まさか、一人で魔女にリベンジするつもりですか?」

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