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デスゲームの正しい攻略法  作者: エタナン
第四章:ギルド編

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82頁:ギャンブルでズルをするのはやめましょう

『ツールブランチ』

 あらゆる道具に変化する『枝』を召喚する技。

 『枝』の形状は発動する技に最適なものになり、さらにスキルのレベル補助効果もあるので、生産系を含めたあらゆるスキルを戦闘で使えるまでにする。(生産系スキルなどの戦闘応用技の威力はスキルのレベルによらない)

 一つのスキルを極めてそれに対応した武器を常備するプレイヤーにはあまり利点はないが、多くのスキルを持つライトにとっては、スキルのレベル補助は大きなメリットになる。


 ただし、『枝』は形状を変化させると耐久力が減少し、使用していない間に時間経過で回復するため、酷使すると次の召喚が可能になるまで時間がかかる。(破壊されると丸一日回復に要する程度のペース)


 ライト曰わく

「武器の持ち替えが必要ないから楽で良い。」

 デスゲーム開始から100日目。


 『陶器の国』の地下遺跡『魔女の足跡』にて。


「そろそろ一週間超えたか……いい加減戻らないとな……」


「帰りますか?」


「いや、イザナもうちょっと頼む」


 ライトは道案内NPCのイザナを伴って、壁に壁画が描かれた遺跡型の大迷宮を歩き続けていた。かれこれ一週間以上だ。

 しかし、ライトはまだ何かを探すように歩き続けている。


「このダンジョンにはあるはずなんだ……決定的な『魔女』に関する情報が……」


 襲いかかってくる幾多のモンスターを退け、宝箱をほとんど素通りして薄暗い迷宮を進む。

 常人なら薄暗い通路をひたすら歩き続けるなど頭がおかしくなってしまいそうなものだが、ライトは平然と、AIのイザナはもちろん何も変わらずに歩き続ける。


「魔女様ですか? 魔女様は……」


「知ってるよ。安全エリアとHP保護の加護を与え、夜の街を照らす街頭に魔力を供給し、人々が飢えないように食糧を生み出し、動植物やモンスターの成長を早め、モンスターを倒すと金が手にはいるようにモンスターに金を与え、ゲートポイントで街を繋げた存在……ゲームでは当然と言われるシステムを作り上げた『世界』に近い存在。そうだろ?」


 時折アイテムなどのテキストやNPCの話に出てくる『魔女』。NPC達からは神のように崇められ、〖ハグレカカシ〗のようなモンスターからは悪魔のように憎まれる存在。


「『魔女』の名前が入ってるダンジョンはここだけなんだ……きっとここには重要な情報が……」



 その時、目の前に壁のような巨獣が立ちはだかった。



「なるほど……重要な情報はこの先ってわけか……イザナ、隠れてろ」


 

 〖ビッグマジックブルーム LV80〗

 地面から飛び出したのは腕のように関節をもち、プレイヤーをゴミのように吹き飛ばしそうなほど巨大な竹箒。

 その毛先を『脚』とするカカシが何十と蠢き、それぞれの手には様々な武器を装備している。


「ま、安全エリアを作ったならそれを囲むカカシを作ったのも魔女だよな……しっかし、趣味悪いモンスターだな……『ツールブランチ』」


 ライトの手に『枝』が現れる。


「悪いが、その先が見たいんだ。倒させてもらうぞ」







《現在 DBO》


 ナビキはアイコと赤兎のデートが上手く行くよう、物陰から見守ることにしたのだが……


「普通に楽しんでますね」


 デート開始から一時間。

 赤兎とアイコは普通にデートを楽しんでいた。


「OCCの人達はバラバラに店を廻ってるみたいですし、模様な心配だったかもしれませんね」


 最強の攻略パーティー『O(オフィシャル)C(チート)C(クラブ)』。トラブルを起こしそうで心配していたのだが何も起きていない内から口を出すわけにも行かず、ゲートポイントから現れたときは少し警戒したが、どうやら普通に祭に参加しに来たらしくバラバラに散っていった。


 主な祭の会場は、この三ヶ月の間に開拓され、復興された西の荒れ地。今は幾つもの建物が建ち並びプレイヤーの町のようになっている。


 しかも、今日は祭に合わせて多数のプレイヤーショップが一斉に開店している。それぞれがより多くの客に憶えてもらおうと店の営業と同時に祭を盛り上げるための屋台や催しを行っているのだ。


 会場の広さはちょっとした町一つが作れるくらい。見るものは山ほどある。そう簡単に鉢合わせはしないだろう。


「次はどこに行く?」

「そうだな……ん、あの店なんてどうだ? 香水とか売ってるぜ」


「いらっしゃいませ、あら赤兎さん。今日はデートですか?」



「あ、あれは……」

 ナビキは目立たないように私服姿で店を見て回る客のふりをしながら二人を尾行していたが、赤兎とアイコの進む先で店を出しているプレイヤーを見て驚く。


 そこにいたのは……今や街の相談屋として知られるプレイヤー、マリー=ゴールドだった。


「マリーさん……なら、変なことはしませんよね」



 マリー=ゴールドは教会の前で香水や石鹸、刺繍入りのハンカチや栞などといった『手作り感』を売りにした商品を売っていた。

 マリー=ゴールドと彼女の世話する子供達の作ったものらしい。


「ん、マリーも店やってんだな」


「今日だけですけどね。いつもはスカイさんの所へ趣味で作ったものを委託しているだけなのですが、許可が下りたので子供達にも商売を体験してもらおうかと思いまして」


 マリー=ゴールドは普段から絵やお守りなどを作ってそれをスカイの店に委託している。彼女の『効果付加スキル』によって付加されたマジックアイテムとしての有用性もあるが、そのデザインも人気で『大空商社』の人気商品の一つとなっている。


 ちなみに、本人としては本業はお金を取らずに人の相談を受ける『相談屋(カウンセリング)』の方で、アイテム作りは趣味らしい。


 赤兎はゲーム初日に彼女に会ったらしく、『落ち着くにはいつも日常的にしている事をしてみるといいですよ』というアドバイスをもらったそうだ。


「それにしても、いい匂いだな。店の周りに漂ってる」


「見ていくだけでも香りで楽しんでもらえれば嬉しいです」


「ホント、いい匂い……でもあたし、香水なんて付けたことないし……」


 アイコは基本的に格闘家のスポーツ少女だ。

 あまりオシャレなどは経験がない。

 デートのためにスカートを履くのだってかなり頑張った結果なのだ。


 そんなアイコを見て、マリーは優しく微笑む。


「緊張してますね。そんなことでは、大事な場面で失敗しますよ」


「へ!?」


「そうですね……咲ちゃん、七番持ってきて下さい」


「はーい」


 マリーが女の子に指示すると、女の子は指定されたであろう物を持ってきた。

 粉状の物が入った平べったいカードのような袋。


「これは……」


「香り袋です。緊張したときにはこれを嗅げばリラックスできますよ……差し上げます」


「え、でもそんなの悪いです! 受け取れません!マリーさんが損しちゃうし、そんなこと駄目ですよ!」


「なら……赤兎さん、あなたはこれが欲しいですか? あなただと300bですが」


 マリーはあっさりと手を引き、今度は赤兎に声をかける。

 そして、赤兎は何かに気づいたようにマリーを見て……


「そうだな……一つくれ。」

「はい、どうぞ」


 300bを払い、香り袋を受け取る。

 そして、買ったばかりの香り袋を手に乗せ、アイコに差し出す。


「ほら、やるよ」


「え、でも……」


「俺が買ったもんだ。マリーも損はしてないし、俺がどうしようと勝手だろ?」


「それって、プレゼント……」


「もしかして、俺からじゃ嫌か?」


「ううん、そんなこと無い。 凄く嬉しい!」


 アイコは慌てて香り袋を受け取った。


(プレゼント、買ってもらっちゃった!)

 と、その顔には、隠しきれない笑みが浮かんでいた。




 物陰から二人を見守っていたナビキは嘆息する。

 マリーが空気を読んでくれた。しかも、予想以上にいい流れだ。


「あ、次の場所に行っちゃう」


 ナビキも慌てて、しかし怪しまれないように店を見ながら尾行する。

 その途中、マリーの店を覗いたときに声をかけられた。


「あら? ナビキちゃん、今日はお客さんですか?」


「あ、マリーさん。すみません、実はちょっとただのお客さんってわけじゃなくて……」


「赤兎さんとアイコちゃんのデートを見守るのは構いませんが、気付かれないように気をつけてくださいね」


 ばれていた。

 まあ、この人が相手ならばれない方が不自然なくらいだから驚くことではないのだが……


「あと、二人を後から追うより先回りした方がいいですよ。今は賑わいに紛れて誤魔化せてますが、赤兎さんは勘が鋭いですから。後ろから追いかけると警戒されてしまいますよ。」


「ご、ご忠告ありがとうございます。」


 二人のデートコースは予定から大体分かっているし、フレンドとしての権限で位置も確認できるから先回りは可能だ。

 ばれる危険が減るなら、忠告に従おう。


「ああ、ところでナビキちゃん。ライトくんに会ったらこれを渡しておいてもらえますか?」


 マリーは封筒をナビキに手渡した。

 表に『銀メダルへ』と書かれている。


「これは……」


「心配しなくてもラブレターなんかじゃありませんよ。ちょっとしたプレゼントです。」


「?」


 中身がよくわからないまま、ナビキは封筒を受け取った。






 ナビキはデートに夢中の二人とは別の道を通って先回りする。


「次は確か……服屋の『ツギハギ屋』のはず」


 着ぐるみ姿で有名な雨森の経営する服屋『ツギハギ屋』。

 戦闘用の装備も置いてあり赤兎がデリカシーのない発言をしたり変な服を勧めたりする可能性はあるが、そこまで大きなトラブルは起きまい。

 最悪試着中のアイコが裸を見られるくらいだろう……



「ふざけてんじゃねえぞテメエ!! ぜってえ卑怯な手使ってんだろ!!」


「え!?」



 服屋の隣。

 今日だけ特別に開かれた店を示す仮設テントで怒りのこもった声が挙がった。

 看板は……『賭場』。


「いやいや、別に卑怯なことなんてしてねえぜ? ただオレ様がツイてただけさ。ほら、チップだしな」


「うっせい!! このガキ!!」


 マズい……このままでは迫ってくる赤兎とアイコに言い争いが聞こえてしまう。

 そうなれば赤兎は性格上、首を突っ込まずにはいられないだろう。


「く、こうなったら……」


 ナビキは赤兎とアイコがくる前に『賭場』のテントのドアの代わりになっている幕を押しのけて中に入った。


「あなた達、静かにしてください!! 隣の店の迷惑になります!!」


「おうおう、なんだよねーちゃん。騒いでるのはこいつだけだぜ?」


 そこにいたのは、派手なシャツと短パンを着て、髪を金髪に染めてサングラスをしている12か13歳程度の少年……

 OCCの一人『キング』だった。




 五分後。

 賭けをしていたお互いの言い分を聞いたナビキはため息をつく。


 少年曰く、

『オレ様は卑怯なことはしていない。運が良かっただけだ』


 男曰く、

『こいつの勝率はおかしい。絶対何かイカサマを使ってる』


 賭けの種目はポーカー。

 勝敗の率としてはキングと男で15対2。

 少年は100bのチップ三枚から始めたらしいが、現在は百倍近くになっている。


「なるほど……つまり、イカサマで奪われたならその分のチップを返してほしいわけですね。でも、キミはイカサマなんてしてないからそれを不当だと……」


「そうなんだよ、こんな負け方おかしいんだ」


「おいおい、自分が弱いのを相手のせいにすんなよ。もっと楽しく賭けようぜ」


 議論は平行線。

 しかも、少年『キング』が飄々としているせいで却って相手の怒りを煽っている。


「だーかーらー」


「二人とも、お静かにしてください!」


「「!」」

 ナビキが突然大きな声を出し、言い争っていた二人が戸惑う。


 ナビキは二人の話を聞きながら考えていたのだ。

 どうやったら穏便にこの一件を解決できるかを。

 そして、閃いた。



「キングさん。私と勝負しましょう」


「お、おう。いいぜ」


「キングさんがイカサマをしているなら私がそれを見抜きます。その時にはチップを返してあげてください。もし何もないか、イカサマがあっても見抜けなかった時には私がチップの分のお金を払います」


 どう転んでも、最悪ナビキが30000b払えば済む話だ。前線でも戦っていたナビキにとってはそこまで痛い出費ではない。



 だが、予想外なことに、何も損しないはずのキングが手を挙げて異論を唱えた。


「おいおい、それじゃあねーちゃんは何にも得しねえじゃねえか……よし決めた、ねーちゃん。ねーちゃんがオレ様に勝てたらオッサンにチップを返した上でさらにねーちゃんにチップと同じだけやる」


「それは……」


 ナビキは戸惑う。

 もし彼がイカサマもなく勝っているとしたら、彼はいわれのない容疑で儲けた分の倍の損をする事になる。

 OCCのプレイヤーなら金銭的には余裕かもしれないが、そんな散財をする必要はない。


 それか、勝てる自信があるのか……


「ねーちゃん、楽しくやろうぜ」


 その表情は、はやく遊びを始めたがる少年のそれだった。




 チップは20枚ずつ。

 ポーカーの役はランクには関係なく賭けた枚数に応じて勝者がチップを相手から受け取るという単純なルール。

 また、最初に互いに一枚チップを賭けた状態から互いに賭け金を上げていきどうしても手を出せず、金額を上げられないときはそのまま賭けたチップは相手の物となる。


(先輩ならこういう心理戦は得意そうなのに……)


 ナビキはあまりこのゲームが得意なわけではない。

 ゲームのルールを知っているくらいだ。

 だが、手を抜けば怒られそうなので一応勝つ方法を考えるが……


「フラッシュ対スリーカード、オレ様の勝ちだな」


(キングくん、普通に強い……)


 チップ30対10。

 互いに席についてから、チップは一方的にナビキからキングに流れている。

 イカサマらしきものも見られないまま、五連敗していた。


「ねーちゃん、オレ様はイカサマなんてやってねえぜ。」


「ですよね……」


 キングの手捌き、目線には不自然なところはないし、シャッフルなどは賭場のディーラーがやっている。

 実力も多分に関わるゲームではあるし、やはりイカサマなどでは無いのでは……


「それにしても……なかなかのもんだな、ねーちゃん。」


「はい?」


 賞賛されるようなことは何もしていない。プレイの全てにおいて負けているのだ。

 ナビキはとりあえずプレイを続ける。


「うーん……」


 負けてもお金を払うだけだと言っても、やっぱり真面目にやっておかないとイカサマを訴える男は納得しないだろう。

 ナビキはカードに顔を寄せて悩む。

 しかし、妙案など浮かぶはずもない。強いて言うなら、こうしていることでキングから絶対にカードが見えないようにしていると主張するくらいである。


 コンコン


 そのとき、心の中でノックの音がした。

『ナビキ、ちょっといいか?』


『ナビ、どうしたの?』


 ナビキの中の別人格のナビ。

 今は自室で待機中だったはずだが、その間も五感を共有することはできる。ナビはこの状況をわかって声をかけてきたはずだ。

 普段は戦闘担当でこのような頭脳戦には向いていなさそうだが、声をかけてきたということは何か案が浮かんだのだろうか?


『ちょっと、カードと顔の距離はそのままで上を向いてみろ。カードの隙間からあいつの顔が見えるように』


『え……うん。わかった』


 ナビキはナビを全面的に信頼しているので指示に従い、悩むふりをして上を向く。

 そして、キングの顔をカードの隙間から見る。


『ナビキ……行けるかもしれねえ。』


『本当に!?』


『あたしの指示に従ってくれるか?』


『うん、どのカード出せばいいの?』


『とりあえずは……ちょっと脱げ』



 十五分後。

「だー、負けたー……つえーぜ、ねーちゃん。ほら、チップ全部持ってけ。あとこれ、ねーちゃんの分な」


 ナビキは勝ってしまった。

 自分でも驚くばかりであるが、ナビの指示に従っていたら勝ってしまった。

 それも、出すカードについての指示は全くなく、『もう一枚脱げ』『カードを伏せて悩むふりして胸の下で腕を組め』『熱がるふりして首元をパタパタしろ』『コートを着て、前だけ開けとけ』などという妙な指示だけだった。


 最初はイカサマのトリックを探っているのかと思ったが、途中からそういうのではないと確信した。


「あの……キングくんはイカサマなんてしてませんよね? それで私がお金をもらうなんて……」


「いいんだって、オレ様は楽しく賭けが出来る奴を探してここに来ただけなんだから。それに……いいもん見せてもらったしな」


「え、そんな認められるようなことなんて……」


「良いんだって、わかってないならわかってないで。オレは金では買えねえもんもらったしな。じゃ、オレ様は適当に祭を楽しむぜ。金はまだあるし、掘り出し物でも探すさ」


「あ、はい、でも今度は騒ぎを起こさないように気をつけて下さいね」


「はは、ねーちゃんの小言って本物のねーちゃんみたいだな。」


 こうして、ナビキはOCCの一人『キング』を退けた。


 そして、ナビキは心の中でナビに尋ねる。

『キングくん、イカサマなんてしてなかったよね……途中からすごい負け方してたし』


『ああ、たぶんカードの残り枚数からの計算とかやってんだろうな。種も仕掛けもねえ、ただの公式チートだぜ』


『じゃあ、どうして私達勝てたの?』


『そりゃ……あいつがエロガキだったからだろ。』


『エ、エロガキ?』


『気付いてなかったのか? あいつ、ナビキの胸ばっか見てたぞ。あいつが勝ったら着て負けたら見せるようにしたら急に雑念が入りやがって……単純な奴だぜ』


『え……つまり……』


『ナビキの色気を利用した』


『ナビ!?』


 バタン!!


 部屋の中に逃げ込まれては文句も言えない。

 遅れながら胸を隠すナビキだったが……完全に手遅れだった。








 同刻。

 『魔女の足跡』にて。


「だ、大丈夫ですか?」

「あれは流石に……死ぬかと思ったな。カカシ系強すぎだこのゲーム」


 二時間の死闘の末、ライトは〖ビックマジックブルーム〗を打ち倒し、その先に進んだ。


 そして、ようやく辿り着く。

 ダンジョンの壁画の文字と同じ法則で暗号化されている……魔女の決定的な記述。


「見つけた……これを探してたんだ」


「これは……何が書いてあるんですか?」


「ここに書かれているのは魔女の攻略法……魔女の正しい倒し方だ」

(マリー)「さあ、新コーナー『マリーさんのプレイヤー相談室』のお時間です。」

(ジャック)「アシスタントの『黒ずきん』ことジャックです……って、思ったんだけど、さすがにボクがアシスタントっておかしくない? こんな殺人鬼じゃなくて、もっと適任な人がいるでしょ? ライトとか」

(マリー)「ライトくんは……『仕事(クエスト)で忙しいからパス。他の暇がありそうな人を当たってくれ』だそうです」

(ジャック)「ライトって無職のはずなのに……そういえば、なんでライトは職業取らないんだろう? いろいろ特典付くはずなのに」

(マリー)「一応『無職』でも、特典ありますよ?」


『無職』

 専門の職業に就いていない。

 しかし、職に就くための資格(スキル)の修得には無職者特有の真剣さがあり、あらゆるスキルのレベル上昇に補正がつく。


(ジャック)「あ、なるほど……」

(マリー)「ライトくんは無職と言うよりフリーターですよね……まあ、就職難の相談も受けていないのでそっとしておきましょう。」

(ジャック)「相談なかったら放置……あくまで受動的なんだ……」

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