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デスゲームの正しい攻略法  作者: エタナン
第三章:チームワーク編

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60頁:毒に気を付けましょう

『騎乗スキル』

 動物に乗るスキル。

 基本的なのは馬だが、レベルを上げればモンスターも一時的にテイムして乗ることができる。

 

 去年の夏。

 ネットではある少女のことで話題になっていた。


 その少女は実在する少女ではなかった。

 しかし、アニメのキャラクターでも、小説のヒロインでも、ホログラムの歌姫でもなかった。


 『世界最強の盤上遊戯用AI 飛角妃(ひかくきさき)


 将棋、チェス、オセロ……etc.

 様々な盤上遊戯で世界中のプログラムAIを打倒し、世界中のAIの中で最もゲームに強いと認められたAI。

 しかも、『彼女』は機械的に手を打ち続けるだけではなく、感情表現の機能も組み込まれていて、勝てば笑い、時には難しい顔をし、負ければむくれる。

 その強さと、それまでの盤上遊戯用AIのイメージに反する人間らしい表情で彼女は有名になった。


 とは言っても、負けた時の顔が見られたのは『未完成段階』の対戦経験を積ませていた時くらいなものだった。『飛角妃』は製作段階でもネットで公開されていたらしく、その時は勝ち負けを続けながらパターンを積み重ねて改良を重ねていたらしい。


 しかし、その製作には誰も知らない秘話もある。

 飛角妃は元々はMBIチップで有名な会社のとある研究員が対戦ゲーム用のAIとして開発していたという噂があるが、驚くべきことに、開発段階の彼女は一時期『家出』をしていたという。

 サーバーから痕跡を何一つ残さず『行方不明』となったのだ。


 そして、しばらくして『帰って』きた彼女は以前とは別物だった。

 驚いた研究員が何があったかと問いかけると、彼女は笑って答えたという。


『友達と仲良く遊んできただけですよ』


 その空白の時間に何があったのかを知る者はほとんどいない。

 飛角妃の記録(ログ)を解析しようとした研究員にもわからなかった。それだけ、彼女のプログラムは複雑怪奇な成長を遂げていた。

 彼女は何日か後に『勝手に』世界中のチェスや将棋のために作られたAIに勝負を挑み、世界に名を轟かせた。




 そして、彼女が有名になった後、『三木将之』が彼女の話を出した時、『友』は笑って言った。

「笑わないでくださいよ? 実はあの子は私の一番の親友なんです」

 その『目』は、嘘をついていなかった。





≪現在DBO≫


 作戦はかなり順調だった。

 敵の最後尾から敵襲団に斬りかかり、縦横無尽にモンスターの間をすり抜けながら、すれ違いざまにモンスターを切り刻みながら敵を攪乱していたジャックはそう思っていた。


 倒した敵も40は超えただろうか。残しておくと厄介そうな強めのモンスターを優先的に狙っているので防衛戦のための下準備としては上々かと思い始めてきたとき、メールの着信音が頭の中に響いた。

 ライトからのメールだ。


 もしや撤退の合図かと思い、モンスターの群れを抜け出してメールを開く。


 そこには意外な内容が書かれていた。


『ナビを回収するから手伝ってくれ。

 このままだと罠に掛かる確率が高い』


 事前の話し合いでは撤退は各自で判断してバラバラに逃げる予定だった。だが、ナビを回収するのを手伝えとはどういう状況だろうか?

 ナビに直接それを伝えて撤退させるわけには行かないのか?


 これは、ナビが罠にかかりかけている……一人で抜け出せないような危険な状況にあるということだろうか。

 しかも、ライト一人の助勢では手に余るくらいの危険地帯。


 正直、そこまで危ない事態になるまで深追いしたナビの自己責任なのではないかとも思う。ナビにもナビキにもエリザにも、ジャックは苦手意識を抱いているのだ。

 このまま戦闘に夢中でメールに気付かなかったフリも出来なくはない。少し遅れて行って多少痛い目にあって反省させるのも良いかもしれない。そんなふうにも少しだけ思う。


 だが、何故かそこで、ベッドで一緒には寝かせられないからと床に寝ることを強要されたエリザの無邪気な寝顔が頭に浮かんだ。


「たくっ、世話が焼ける……」


 ジャックはナビの担当するはずの本丸へ急いだ。





 一方、ライトは思わぬ苦戦を強いられていた。


「こいつら……急にしっかり陣形組み直しやがったな……」


 ライトは剣と盾を構えて呟く。

 その直後、小石が雨のように降りかかり、水が弾丸のように飛んできて、火炎が渦を巻いて襲いかかってきたので、ライトは盾で防ぎつつ斜めに前進して直撃を避ける。


 目の前に居るのは大きな大砲を両肩に背負ったゴーレム〖カノンゴーレム LV40〗、小さな雨雲を頭上に浮かべた蛙〖アマゴイガエル LV38〗、扇風機のような回転翼の頭とガスバーナーのような頭を持つ機械の双頭竜〖スクラップヘッド LV40〗の三体。


 どれも遠距離攻撃のモンスターで、今回のクエストで初めて登場する手強いモンスターだ。


 どうやら、ライトを先へ通さないことを目的としているらしい。


「やっぱり狙いはナビか……」


 実のところ、このような巨大モンスターの相手はライトの得意分野ではない。むしろ、苦手な部類だ。

 その理由の一つは鍛えるスキルを拡散させていることによって引き起こされる火力の低下。そして、それを技の数で補うため生じるEPの不足。


 もちろん、ライトにはそれを補う戦闘補助の技が山ほどあるし、切り札の十や二十は隠し持っているが、ライトがこのようにボス級のモンスターを相手取る時に一番良いのはナビや赤兎、あるいはジャックのような攻撃力の高いプレイヤーと組む戦法だ。


 相手が本気で守りの陣形を固めてきた以上、易々とは通れない。


「ジャック……早く来てくれ」




 一方、ナビの方は〖ハグレカカシ〗との苛烈な攻防を繰り広げていた。

 互いに武器は長物。

 ナビは力と直感で、カカシは間合いと器用な捌きの技術で拮抗していた。


 だが、ナビは拮抗状態の中で、自分の勢いを確かめていた。

 このまま続ければ、このモンスターを倒せる。


 互いに致命的な一撃はまだ出ていないし、攻防の中で細かく発生した削りダメージも互いにHP全体の一割に満たない。

 だが、ナビは『押して』いる。カカシは少しずつだが、後退し、ナビはそこにパワーを生かして攻撃を押し込んでいる。


 ライトは倒すのは難しいと言っていたが、今ここでモンスター軍団を解体できる……


「ナビ!! すぐ逃げろ!! 壺がヤバい!!」


 その時、ライトの声が響いてきた。

 こんな時に……と思ったが、声が切羽詰まっている。それに最後の部分が気になる。


 壺がヤバい?

 壺とは、敵の本丸にそびえる巨大で不気味な壺のことだろうか。

 それが『ヤバい』とは……


 ナビはハッとカカシの向こう側を意識する。

 そこには、土の壁……ではなく、壺の壁面がある。そして、その壁面は、まるで火山が爆発する直前の地震のように揺れていた。


 ナビの野性的直感が告げる。

 『ここにいたら危ない』


 慌てて退路を探すが、周囲のモンスター達は円を形作る10体程度を残してほとんどが壺から離れている。しかも、カカシもナビが壺に気を取られている内に円の中から脱け出して動きの素早い巨大牛型モンスターに乗って逃げている。


「ヤバい……」


 ナビが罠にはめられたのを悟り呟いたとき、震えていた壺の蓋が内側から吹き飛び、壺から毒々しい紫色のゲル状の物体が噴出した。


〖毒王 ラジェストポイズンスライム LV50〗


 ナビの頭上に、毒の滝が降りかかる。





「『オール•フォー•ワン』!!」


 運命を分けた一瞬だった。

 ナビが降りかかる毒王から逃げ出そうとするまでの僅かなタイムラグ、ナビが毒の滝の直撃を避けるのにかかる時間は本来なら残されていなかった。


 しかし、突如として飛んできた……飛ばされてきたゴーレムと、蛙と、機械の双頭竜が毒の滝に激突し、僅かな時間を作る。

 おそらく、壺から『何か』がナビに襲いかかるのを予知していたライトが位置取を考慮して準備しておいたのだろう。


 その結果、ナビは毒王の直撃を回避する事に成功した。


 だが、脅威は終わらない。

 全力で壺から離れるナビを追うように毒々しい紫の液体が壺から流れ出す。


 ナビの目の前には逃げ道を塞ごうとする巨人。だが、ナビは躊躇なく鎌を回転させながらその顔面に投げつけて隙を作り、股の間を抜けてさらに走る。


 走りながら少しだけ後ろを振り返ったナビは戦慄する。


 毒の液体は津波のように敵味方関係なく巨大なモンスター達を呑み込み、それが生身、ゴーレム、機械系関係なく溶かしていく。

 巨人と共に、その顔面に刺さっていた鎌も溶ける。


 呑み込まれたモンスター達は最初こそ苦しそうに悶えるが、直ぐに大量の毒のアイコンに取り憑かれ、苦しみもだえることも出来ずに消えていく。


「冗談じゃない!! あんなのに捕まったら死ぬ!!」




 一方、それを外側から見ていたライトはつぶさに状況を観察し、対抗策を模索する。

 直ぐにでも助けに行きたいが、今は先程の技の反動でスキルが凍結されていて手の打ちようがないのだ。


「〖ラジェストポイズンスライム LV50〗、不定形モンスターで核のような物もなしか……まあ、あのサイズじゃあっても見つからないだけかもしれないが……」


 離れているライトだからこそその全体像を把握できた。それだけの大きさ。最大ラジェスト)の名は伊達ではない。

 容積は目算で二十メートルプール十杯分くらいだろうか……しかも、ただの水のように広がるのではなく、一部が手のような形になり、ナビを掴もうとしている。


 不幸にもその途中に居たモンスター達や、ライトに吹っ飛ばされて液体に突っ込むことになったモンスター達は毒に侵されながら溶けていく。


 これは他のモンスターが避難して当然だ。

 どうやって倒せばいいのだろうか。物理攻撃でも使用ものなら逆に飲み込まれそうだ。

 ここまでのサイズだと、チマチマした魔法などでは倒せる気がしない。


 その時、ライトはあることに気がついた。


「ナビ!! 風上に逃げろ!! 毒ガスだ!!」


 スライムの表面にブクブクと泡が立っている。しかも、割れた泡から出て来るのはスライムの色を薄めたような紫のガス。

 試さなくてもわかる。毒だ。


 ナビの今逃げている方角は風下でこそないが、回り込まれたらガスの危険域になりかねない。


 しかし、ナビはパワー重視のビルドで鈍足だ。

 方向にまで気を使う余裕はなく、壺から反対方向に一心不乱に一直線に走ってやっと毒手からギリギリ逃げられている。


 このまま行けばギリギリ逃げきれるかどうかという所。


 しかし、スライムの全身からガスが噴き出しているのでスライムの周囲にはさらに『危険域』が広がり、実質の攻撃範囲を拡張している。


 

 不定形で形を変えながら襲いかかる体と、常に噴き出し続ける毒ガス。

 ダメージを与えることもできない上に、接近も許さない。厄介極まりない能力だ。

 だが、ライトはその『欠点』を発見する。


「すごい勢いでHPが減ってる……身を削ってガスを出してるのか」


 スライムの膨大なHPが時間とともに減少している。出現から一分ほどで五段あるHPの内一本の5%ほどの消費。全力で活動できる最大時間は長くても二時間。逃げ続ければその内に気化していまうだろう。

 壺に入っていたのは気化を防ぐためか。 



「そろそろだな」


 ライトは小さな笛を取り出して吹き鳴らす。

 これは、馬を呼ぶアイテムだ。


 笛の音に反応してきた馬を走らせたまま手綱を掴んで併走し、スピードを落とさず頭の中で数をカウントする。

 そして、頭の中のカウントが99になった。


「騎乗スキル『アクセルコマンド』!!」


 スキルの停止時間が終わった瞬間に技を発動し、馬を急加速させる。


 彼は加速しながらナビとの合流地点を予測し、先回りする。



 だが、ライトは背後から迫る気配に振り返り、巨大牛と、その背中に跨がり旗棒を武器のように構えるカカシを目視する。ライトがナビを回収するのを予測してそれを妨害するためにルートを変えてきたのだ。


 長距離での移動を考えればスキルで加速した馬の方が速いだろうが、相手が乗っているのはボスダンジョンまでの道程で見つけたクエストボス〖ストレートブル LV37〗。

 このモンスターは、技を使うと一瞬で今の倍の速度の突進を繰り出してくる。


 勝負は一撃で決まる。

 突進の瞬間、すれ違う瞬間にライトを叩き落とせばカカシの勝ち。

 それを迎撃できればライトの勝ちだ。


 ライトは、後ろを向きながら叫ぶ。


「妃!! おまえがこのゲームに参加してる理由はわからないし、今回の対局はおまえが終始優勢だったのも認める……だが、忘れたわけじゃないだろ? オレは、世界最強になった『後』におまえに勝ったんだぜ?」


 カカシはその言葉に目を細め、同時に雄叫びを上げる。


「ギギシャア!!」


 ライトは〖ストレートブル〗の挙動を見極める。そして、その突進のタイミングに合わせて馬を横に回避させながら叫んだ。



「ジャック今だ!!」



 カカシはその声に反応し、ライトの視線の先、自分の『背後』を振り返る。

 そして、そこには……誰もいない。


 ガァン!!


 その直後、〖ストレートブル〗はライトと馬の横を抜け、カカシは空中に浮かんでいた金属にたたき落とされた。


 ライトが空中に投げた盾だ。


「知能が高すぎるのも考えものだな」



 『ジャック』という言葉に反応し、前を向いていれば防げたはずの盾をまともに食らった。プレイヤーの言葉を理解できない普通のモンスターなら有り得ない反応だろうが、この高度な知能を持った〖ハグレカカシ〗だからこその対抗策だ。


 だが、カカシもタダでは落ちなかった。


「ギギシャギ、ガガギ!!!!」



 地面に落ちる直前のカカシの叫びに反応した巨大牛はさらに加速し、ライトを追い抜いたまま先にナビに迫る。


「やば、ナビ逃げろ!!」


 カカシが最後に出した命令がどういうものなのか、ライトにはすぐにわかった。

 ライトがやったことと逆のことをしようとしている。



 ナビを囲おうとする毒の腕。

 自分の命を顧みずその中に勢い良く飛び込む〖ストレートブル〗。



 突進によってはね飛ばされた毒の飛沫がナビに降りかかった。


「ぁぁあああああ!!!!」


 ライトの声に反応して顔を腕で守ったナビだったが、全身にかかったスライムのしずく)に苦痛の声を上げる。

 様々な毒に侵され、足ももつれて倒れる。


 そして、その後ろから津波のように毒が迫る。もし呑み込まれたら死は避けられないような死の波だ。


 津波はナビに迫ると同時に周囲を回り込み、逃げ場を奪おうとする。





 ナビは必死に前へ手を伸ばす。

 這いずってでも前へ進もうとする。


 生きなければならない。

 全身が焼け付くように痛くても、苦しくても、辛くても、見苦しくても、惨めでも、絶望的でも、不可能でも、生きなければならない。


 ナビが死ぬということは、ナビキが死んでしまうということだ。

 ナビキを死なせてしまうということだ。


 それはダメだ。

 戦士ナビ)臆病者ナビキ)を護るために生まれたのだ。

 ナビが死んでいい時があるとすれば、それはナビキが一人で生きていけるようになったときだけだ。


 そのためには、何としても生きなければならない。どんな手を使っても……


「あきらめないで!!」


 ライトの声ではない。

 これは黒ずきん……ジャックの声だ。

 既に地面に円を描く毒の川を馬で飛び越え、危険を顧みず助けに来てくれる、もう一人の殺人鬼……


 そのとき、『エリザ』が目覚めた。


 倒れた彼女の足は毒に浸かり始めていた。

 ガスで息をする度に体の中から痛みが広がる。


 しかし、その手はまだ動く。


「……ありがとう」


 『エリザ』は毒に侵されながらも、激痛や苦痛に苛まれながらも、地面を掴み、ジャックに飛びついた。

 ジャックはエリザを躊躇なく受け止め、馬を返して毒の津波から逃げるが、前方には先ほどより幅の広くなった毒の川がある。


「エリザ、跳ぶよ」

「わかった」


 ジャックはおびえる馬を無理矢理走らせ、限界まで前にジャンプさせるが、飛距離が足らない。

 ジャックはエリザを抱きかかえ、毒に足を取られた馬を踏み台にさらに跳ぶ。


 ジャックの足が速いとは言っても、エリザを抱えて毒から逃げきれるはずがない。


 だが、ライトがそこに馬を駆って到着した。

 ライトは馬を下りてジャックに手綱を引き渡す。


「この馬使え!!」

「ライトは!?」

「無闇と二人でモンスターを引きつける。その間に治療しろ!!」


 どちらにしろ、馬一頭に三人乗りは無理な話だ。速度を落とさずエリザを安全な場所まで運ぶには、いち早く治療するには『医療スキル』を持つジャックが運ぶしかない。


「わかった、必ず助ける」

「ああ、任せたぞ」


 二人の間に、もう言葉はいらなかった。

 ライトは二本の杖を手に取り、巨大な毒液の怪物と、その周囲の何十というモンスターを見据える。


「普通、スライムって一番弱い部類のモンスターじゃないのか? なんでこのゲーム初めてのスライムがこんな規格外なんだよ……」



 彼はライト……またの名を行幸正記。


 世界最強のAI『飛角妃』に無限将棋で勝利したことのある予知能力者である。

 






 同刻。

 

 ジャックはエリザを抱えて馬を駆り、治療ができそうな『看板の町』へと急ぐ。


 エリザの受けた毒は『麻痺毒』『ダメージ毒』『激痛毒』『呪毒』『猛毒』。


 動きが鈍る『麻痺毒』や、ステータスが下がる『呪毒』はそこまで急を要する毒ではない。

 継続ダメージを与える『ダメージ毒』や、すぐに消える代わりにそのときに大ダメージを与える『激痛毒』は手持ちの薬と時間経過でほぼ解決した。


 しかし、『猛毒』はあらゆる毒の中で最も強く、最も性質が悪い。


 この毒は特定の強力な毒モンスターしか使えない。そして、毒によって解毒薬は個別に調合せねばならず、市販の解毒薬では効果を遅らせる程度にしかならない。


 そして、この毒は体力の数値化であるEPも削っていく。

 HP保護エリアでも『衰弱死』する可能性がある、おそらくGMが『本気で殺す』ために設定した致死性の毒。


 毒に侵され苦しそうに呻くエリザに、ジャックは心から言い聞かせた。

「頑張って……必ず助けるから」

《ギター》

 弦楽器の一種。

 弦の種類や持ち手などはある程度カスタムできる。

 また、スキルさえあれば武器としても使用できる。


(スカイ)「今回はこちら、ナビキの意外な趣味。ギターです~」

(イザナ)「ナビキさんって歌声も綺麗だし、演劇の時の演奏もすごかったですよねー」

(スカイ)「弦楽器だけじゃなくて大抵の楽器はやれるらしいわよ。音楽がストレスを癒すのに良いって聞いてVR楽器から始めたらしいけど」

(イザナ)「便利ですねー。昔は何十万とかしたんですもんね」

(スカイ)「ゲーム内でも数千から数万だからね。まあ、売る側としてはそれくらいで丁度良いけどね。割高にしても分かる人少ないし」

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