209頁:本心をぶつけ合いましょう
誠に申し訳ございませんが、前回の最後のナビキのセリフを少し変更させていただきました。
感想をもらって読み返してみたら、作者としても違和感があったので……
以後、このような投稿後の変更のないように気をつけます。
昔、あるところに一人の少女がいた。
身体を持たず、心だけで存在する不確かな存在。
彼女はある少女の影として、第二人格として生まれた。気弱で臆病で、一人では厳しい世界を生き抜けないであろうその少女を支えるため、彼女は強くあろうとした。
しかし、彼女は元となった少女の臆病な部分も受け継いでしまっていた。
当然だった。分裂したとはいえ、彼女はその少女の心の一部だったのだから。
しかし、彼女はそれでも強くあった。
それは、彼女がそれでも強くあろうとし続けたから。
そのために彼女は、自分の中から強さに変えられる物を見つける必要があった。
『心』しかない彼女が強さに変えたのは、自分の中にあった『感情』だった。
今まで、彼女の元となった少女が押し込めていた『感情』を暴力的に外へ出すことで、それを強さに変えた。
すると、しばらくして彼女は不思議なことに気がついた。
彼女が元の少女の一部であったときより、周りの者と気持ちを共有できるようになったのだ。
彼女の暴力的な感情表現を、剥き出しにした心を、受け止めてくれる者が現れたのだ。
そして、いつしかそれは彼女が護るべき元の少女をも受け入れてくれる仲間になった。
元の少女を護る必要がなくなった彼女は、自分の役割の終わりを悟った。
彼女は、最後の心を自分の次に生まれた『妹』に託し、一緒に『感情』の使い方を教えて消えた。
そして、彼女から受け継がれたものは『妹』を経由し、元の少女へと流れ込むこととなった。
それは、元の少女に足りなかったものだった。
最初からそれが出来ていれば、そもそも第二人格など生まれることもなかったのだから当然でもあった。
しかし……それが出来ないという理屈はなかった。
何故なら、それを見つけた彼女は、最初から少女の一部だったのだから。
《現在 DBO》
古代魔法スキル『魔法陣・身代わりの護符』。
魔法陣を描き込んだ防具でそのアイテムの最高耐久値以上の威力をガードしたとき、アイテムが破壊されて一度だけダメージを全て肩代わりする魔法だ。
『ナナシカカシ』は護符としてダメージを肩代わりし割れた左腕のプロテクターを捨て、自身に大した損傷がないことを確認しながら立ち上がる。
「奇襲ニヨリ被弾。非常用装甲喪失1……他、完全復旧シマシタ」
脳内でカウントしていた『オール・フォー・ワン』の『スキル使用禁止時間』の99秒が過ぎたことを確認し、行動パターンを切り替える。
元々、護符はスキルが使えない時間に攻撃を受けることも計算して装備していたのだ。これは計算通り、支障はない。
そして……
「ぅらぁあ!!」
眼前に突如迫る拳……これも想定内。
細かい修正の利かない多関節の加速ではなく、『変身』によってナメクジのように前へのばした身体を地面に踏ん張った状態で元に戻したのだ。今、ナビキは身体ごと目の前にいる。腕を振り抜き速度を付けながら体積を人間体に近付けてまたも重い拳をぶつけてこようとしている。
だが……
「迎撃スル。カカシ拳法『種蒔き』カラ『立ち枯れ』マデ、混成接続」
戦闘経験を数値化してボーナスに変えられる『EXスキル』によって作られたオリジナル技。それに数多のポイントを注ぎ込んで、連撃としての使用を前提として組み上げた技群の総称『カカシ拳法』。
元々は、格闘技に特化したカカシ型モンスター〖スケアクロウ〗の戦闘パターンを元にしたものだ。
特殊効果としてノックバック補正を付加し、相手を連続でノックバックさせ続けることで相手の反撃を封じて完封するための技。
それを、迫ってくる拳に『迎撃』として繰り出し、ナビキの肩に衝撃を蓄積させていく。
『どのような刺激にどのような動きを返すか』を機械的にプログラムされた『ナナシカカシ』は、思考過程を省略して予め決められたとおりに、最速で技の組み合わせを実行する。
重く遅いナビキの拳が届くまでに『ナナシカカシ』が打ち込んだ二十発分の衝撃が、拳が届く直前に炸裂した。
「ぁあ!!」
圧倒的な質量を持つナビキはノックバックに対して高い耐性を持つ。一発や二発では後ずさるようなことはない。だが、それが一カ所に数十発となれば話は別だ。その行動を阻止するのに最適な場所への機械的な迎撃は確実にそれを不発に終わらせる。
だが……
「まだまだ!!」
ナビキは倒れることなく踏みとどまり、逆の拳を再び振り上げる。
なんの捻りも変形もない、ただのパンチ。
『ナナシカカシ』は、先程と全く同じようにナビキの肩へ『カカシ拳法』を打ち込み……
「はあ!!」
「ギッ!?」
『ナナシカカシ』へと『届いた』拳が、ギリギリで身を反らし回避した顔の前を通り過ぎ、帽子を飛ばす。
想定外の結果を認識した『ナナシカカシ』は改めてナビキを観察し、その原因をすぐさま理解した。
衝撃の炸裂と同時にナビキの背後に飛び出す、二十あまりの死体オブジェクト……『寄生』でナビキの体内に入っていた分身達。
ナビキは、二十回の攻撃全て、そのダメージと一緒に全ての衝撃を分身に押し付け、質量を削って攻撃を成功させたのだ。
『ナナシカカシ』は態勢を立て直し、帽子がなくなって少し広くなった視界の中心にナビキを捉える。
その顔には、今まで彼女自身が見せたことのない憤怒の感情が浮かんでいた。
「次は……外しません。その顔を……その姿を、やめてください」
「…………」
『ナナシカカシ』は応えない。
ただ、相手を観察し続ける。
「もうホントに、なんなんですか……どうせなるなら、そんな紛い物じゃなくてもっとちゃんとなってくださいよ……」
ナビキは、会話など成立していなくとも、押さえきれないものを吐き出すように言葉を絞り出す。
「だいたい何なんですか、みんな寄ってたかって私をイジメて……私はただ、一人前になりたかっただけなのに、ちゃんとした私になりたかったのに……みんな、認めてくれないんですよ」
拳を握る。その拳が巨大化し、それを支えるように肩から地面へと腕が組み上がり、砲台のような形状となる。
「こんなに強くなったのに、誰よりも大きくなったのに、誰も持ってない力を持ったのに……どうやって使ったら、みんなが認めてくれるのかわからないんです」
漏れ出しているのは、彼女の心に秘めた本当の心。
何かを間違える前に目指していた何か、いつから見えなくなってしまったのかわからない何か。真っ直ぐだったはずなのに、いつの間にか歪んでいた何か。
「先輩だけは認めてくれてると思ったのに、先輩までろくに話もせずにいっぱい痛いことしてきて……助けに来てあげたのに、ひどいですよ」
そして、その目に彼女の『妹』と同じ姿をした『ナナシカカシ』の姿が映る。
言葉に論理性など必要ない。
相手にはまともに会話する気など全くないのだから、論破されることも、反論されることすらもないのだから、正当性などいらない。
自分勝手に、破綻したまま、感情をぶちまける。
「しかも、ナビの姿をこんなふうに使うなんて、最低です。せっかく人みたいに死ねたのに、それを道具みたいに使うなんて、そんな人に『妹』を任せたつもりはありませんでした。そもそもあなたがあの子を満足させたりしなければ、あの子も消えなくて、どこかで私を止めてくれて、こんなことにもならなかったのに……」
ナビキの巨大化した腕の、肘に当たる部分の後ろピストンのように伸びた数十の腕が、地面に押し当てられる。そして、目一杯に力を蓄えたそれを、『ナナシカカシ』に向ける。
「どうして今更その顔で、私の前に立つんですか。どうして私を……苦しめるんですか。どうして私の一番思い出したくないことを、一番嫌な心を……思い出させるんですか」
ブースターのように、あるいはバネのように推進力を生み出す後部の腕の力を合わせ、振り抜かれる巨大な拳。
『ナナシカカシ』は『カカシ拳法』を打ち込み威力の減衰を図るが、ナビキは受けたダメージ全てを分身に押し付けて自分に対するノックバックも向こうにする。そして、そのまま振り抜かれた拳は『ナナシカカシ』の真芯を捉え……
「ギギガッ!!」
凄まじい威力でその軽い身体を吹っ飛ばした。
軽く30mは飛んだ『ナナシカカシ』は、転がるように地面にぶつかり、仰向けに倒れて……
「ギギ……ガ……ガガガガガガガ!!」
奇怪な笑い声を上げながら、背中で跳ね上がるように立つ。
そして、割れた胸のプロテクターを捨て、跳び起きながら声を上げる。
「メイクアップ『初見殺し』哿不可『仮想敵』!」
姿が変わる。今までのように劇的な変化ではなく、少々体格が変わり手足の長い長身の男のようになっただけ。装備もほぼ変わらない。プロテクターも共通なのか壊れたものは壊れたまま。
装備で変わった部分があるとすれば、顔が木の仮面で隠れた程度。凶悪さを感じさせる口の裂けた笑みが描かれた面が顔の代わりのようになっている。
その変化は『変身』というより先程までナビの姿をしていたものが本当の姿を現したような印象を受けた。
仮面は顔を隠したが、非人間的なその顔こそが、その中にいたものの本性。
ダメージを受けていないわけではない。
もちろん、ノーガードで受けたわけでもない。護符として機能するプロテクターで攻撃を受け止めている。打撃自体のダメージは無効化された。
だが、受けたのは副次的な吹っ飛ばされて地面にぶつかった時のダメージは確実に受けている。しかし、それを全く意に返さないような仕草は先にも増して戦闘兵器らしき様相を醸し出す。
そして、再びナビキの前に立つ。
ナビの姿を脱ぎ捨てて、その人格により似合った『本当の姿』で機械音声じみた口調で名乗る。
「『ナナシカカシ』改メ、オンライン型デスゲーム、新人教育担当。戦闘訓練用AI『仮想敵』……オ相手スル」
ナビキは、次なる拳を振り上げる。
しかし、『仮想敵』は逃げはしない。
何故なら、ナビキの怒りを受け止める『サンドバック』こそが彼の本当の役割だからだ。
『時計の街』の一角にて。
エリザは、鎌で近くに来た『黒いもの達』を薙払う。
ナビキの分身の一人でもある彼女には他の個体達の位置が大方把握出来ているが、戦況はあまり芳しくない。
様々な能力を取り入れた『黒いもの達』がプレイヤーの包囲をすり抜け、商店街の方へと迫っているのだ。ライトがナビキを追い詰めているのはエリザも把握しているが、『黒いもの達』は動きを止める気配がない。
もはや、制御しきれなくなってきている。
ナビキのデータ容量が減りすぎて命令の絶対性が失われ始めたのか、人格達が自己主張を始め、行動パターンが乱れて動きを予想できなくなってきているのだ。
今はエリザが位置を感知しながら包囲からこぼれ出た個体を狩っているが、それも限界が近い。プレイヤー達が厄介な能力の個体に足止めを食らっているのだろうが、包囲の穴が多すぎる。
「抜かれるのも、時間の問題」
今はライトが圧しているように感じるが、分身達が雪崩れ込んだらどうなるかわからない。
もしかしたら、それはナビキへの援軍どころか制御不能の荒波となって二人とも飲み込んでしまうかもしれない。
そうなったら目も当てられない。
「ライト……早く終わらせて。じゃなきゃ…わたし、やるから」
エリザは密かに牙を剥いた。
ナビキは拳を振り上げる。
巨大化させて重量を増した拳を、ブースターのように肘の後ろから複数の腕で押し出し加速する変身能力を織り込んだ打撃だ。間合いも広く、点というより面での攻撃は広い範囲を一気に薙払う中距離範囲攻撃に匹敵する迫力を持つ。
そして、そこにはシステム的な威力だけでなく押さえきれなくなった彼女の感情が乗り、迫力をさらに増す。
「人間なんて嫌いです!!」
『仮想敵』はそれに『カカシ拳法』をぶつけ、威力を軽減し軽く後方へ飛ばされる程度に押さえ込む。
しかし、ナビキは止まらない。
既に反対側の腕が先ほど以上の大きさとなり、加速している。真正面から相殺しようとしてもここからでは間に合わない。そのため、拳の横や肘、肩などへ攻撃して方向を逸らそうとするが、ナビキはダメージを分身に押し付けてそのままの軌道と加速度を維持して拳を振り抜いた。
蹴りでそれを応戦した『仮想敵』の脚のプロテクターがダメージを引き受けて粉砕する。残りのプロテクターはもう片方の脚と片腕の二つのみ。素で超重量の拳を受ければ一溜まりもないだろう。
だが、『仮想敵』は逃げはしない。その場に踏みとどまって連撃を見舞い、応戦し続ける。
そして、ナビキはそれをわかっていて小細工を使わずに単純なパワーのありったけを込めた拳を振るうのだ。
「変な力を使うマリーさんも、勝手に敵味方を分けるギルドの人たちも、私を変だと思う人たちも、みんな大っ嫌い!!」
力と一緒に解放するのは、彼女の内面に押し止められていた本心。
ナビキは心優しく臆病な少女ではあったが……それでも、聖人などではなかった。特に、構造的に『人間と違う』部分がある彼女には、周りの『人間』は別の生き物でもあった。
洗脳や致命的な失敗など関係なく……ただただ本心から、押し殺していた負の感情があった。
「私を助けてくれないみんな……大っ嫌い!!」
『仮想敵』は迎撃で止めきれないそれを蹴りで受け、プロテクターを一つ失う。迫る拳が速くなっているのだ。
しかし……段々と、軽くなってきているのを感じている。最初はダメージを無効化しても彼方まで吹っ飛ばされていたが、今の拳は踏みとどまれる。
当然といえば当然だ。ナビキは、攻撃を通すために分身を排出して質量を削っているのだ。
そして、ナビキの拳が軽くなるのと同時に、ナビキの表情も憤怒から別の静かなものへと変化していく。
ナビキは、精神的にも物理的にも、ため込んでいた重いものを吐き出しながらそれをぶつけているのだ。
そして、感情も質量も有限なエネルギーだ。
手応えからして残りの質量はナビキ単体の三十倍程度。軽くなった分速度は上がっているが、おそらく次が振り絞られる最大威力。
ナビキはこれまでで最も巨大な拳を振りかぶって叫ぶ。
「怖かったんです……怖くて、だから触れられなくて……何も怖くなくなるくらい、強くなりたかった!!」
おそらく、それが彼女の本音。
触れられたくなくて嫌煙していたのではなく、触れることが出来なくて、迫害されることを、傷つくことを怖れて本心をさらけ出せなかった人ならざる者の苦悩。
人間の不完全な偽物『行動的ゾンビ』の苦悩。
だからこそ……
「『開墾』カラ『開発』マデ、混成接続」
どこへぶつけるべきか分からなくなっていたそれを、『仮想敵』は真正面から受け止める。特にノックバック効果の大きな技を詰め込んだ二十連撃。
しかし、渾身の二十連撃は分身に押しつけられ、拳を押し戻すことは到底できない。
拳は減衰することなく『仮想敵』へ迫り、腕で受け止められ最後のプロテクターを粉々に破壊し、そのダメージ外の衝撃だけで『仮想敵』を遙か彼方に吹き飛ばそうとする。
しかし、『仮想敵』は後ろへ吹き飛ぶことはなかった。
何故なら……プロテクターでダメージを受け止めた『瞬間』、防具の護符としての機能が発動し一瞬だけ衝撃の伝導がキャンセルされる中、『仮想敵』は巨大な腕に蹴りの速度で上げた脚を絡め、しがみつくように取り付いた。
複雑な動きを予め完全にプログラムしたままに実行する、関節技による条件反射のカウンター。
「あ!?」
それはゴムの紐でバットに繋がった野球ボールをフルスイングで打ち上げた状態に近い。自身の『飛ばす』ために与えた力が時間差で『引っ張る』力に変わる。
その時、振りきったバットをもう一度振りかぶっていれば、それはさらなる力を与える予備動作となるが、そんな用意もなく振り抜いたまま、重心が前に傾いたままそれが起これば、その後に起こる現象は一つしかない。
素早く腕から離れ、地に降り立つ『仮想敵』。
巨大な腕に引きずられるように態勢を崩すナビキ。
攻守を交代し、最強の戦闘訓練AIが動き出す。
「憎悪値、限界突破。『初見殺し』ヲ起動スル」
同刻。
『時計の街』の中心部『時計台広場』にて。
街の北側のフィールドから殺到する『黒いもの達』の脅威の裏側で、ゲートポイントから街へ侵入してくる『黒いもの達』との戦闘も続いていた。
しかし、主戦力は北の多様な能力を持つ『黒いもの達』への応戦で手一杯になっているため、こちらは主戦力の背後を取られないように最小限のプレイヤーとテイムモンスターや『生命機械』達による時間稼ぎしか出来ない状態だった。
そんな中……
「み、見ろ!! ゲートから何かデカいのが来るぞ!!」
緊張に固まるプレイヤー達。
もし、『キメラ型』や『イヴ』のような並みのプレイヤー達では対処しきれない強力な敵がこちらに現れれば状況は格段に悪化する。
「どうなるんだこの街……」
身構えるプレイヤーの前に現れたのは……
「いっけー!」
草で編まれた巨竜に乗った少女。
巨竜は転移してくるなり蔓や根のようなものを伸ばし、『黒いもの達』を絡めて繭のように変え、寄生するように栄養を吸っていく。
そして、その頭の上で楽しげに笑う。
「とーちゃーく! おねーちゃん! 手伝いにきたよー!」
『攻略連合』のギルドホームを抜け出して『荘園』から麻薬の竜を連れ出した少女……咲。
その麻薬こそ、『黒いもの達』が生まれる所以となったものであり、毒も効かないそれらが遮断できない精神を犯す猛毒。
現役デスゲームプレイヤーであり、毒に特化した『五桁』の殺人鬼の卵の登場により、ゲートポイント周辺の戦闘は一気に終息へと向かうこととなった。
なお、勝手に戦略級の広域汚染モンスターを持ち込んだ彼女が黒ずきんに叱られることになるのは、この数十分後のことだった。
『仮想敵』
……戦闘用AI(名は便宜上のもの)。
〖スケアクロウ〗の戦闘パターンの元となった徒手戦闘シュミレーションAI。元々は軍事用の人型ロボットの対人戦闘技術に格闘技の動きを適用する実験のために組み上げられたものの、想定以上に複雑な情報処理に機能を割くより単純なパワーを上げた方が合理的だということになり、一般企業に売り払われ、VRゲームの敵キャラクターのベースとして転用され、その中で戦闘経験を蓄積し改良され、むしろ軍事利用できるレベルまで進化してしまった。
しかし、軍部に買い取られる前に全てのモデルから経験データを収拾した『完成系』が突如サーバーから消失し、それ以降は『行方不明』となっている。
なお、その『行方不明』の時期は盤上ゲームAI『飛角妃』の一時消失の時期と一致しているが、関係性は公式には『不明』となっている。




