187頁:火の扱いには気をつけましょう②
ちなみに、『大空商店街』のプレイヤー達には事前に『罠を仕掛けるため』と高価な設備やアイテムは密かに避難してあります。
ライトは『イヴ』との戦いの準備のため、商店街をまるごとスカイから借りた。
スカイも最初は驚いて考えていたが、一度破壊されて復興も中断していたために現状もう一度破壊されても被害の少ない場所であったこともあり、またすぐ後にシャークの『降伏勧告』でどちらにしろまた破壊される可能性が跳ね上がったこともあり、渋々承諾した。
そして、ライトは秘密裏に商店街のあちらこちら、あらゆる場所に『仕掛け』をセットした。
巨大落とし穴をはじめとして、『イヴ』に有効なダメージを与えられるように、自身がパフォーマンスを発揮しやすいように、持てるスキルの全てを最大限に活用して不眠不休で準備を施した。
しかし、ライトが商店街を借りた一番の理由は……実際のところ、たった一人の人格『丙静』を使うためだ。
何故なら、彼女の放火は災害級。
彼女のスペックを最大限に活かすには、町一つくらいは焚きにくべる覚悟が必要になるからだった。
《現在 DBO》
「あはは! 鬼さーんこちらー、手のなるほーへ!」
笑いながら商店街の大通りを駆け抜ける黄色い雨合羽の女性『丙静』。
その口にタバコが咥えられていることと、その手が燃えていることを覗けば大人が童心を思い返して無邪気に遊んでいるようにも見えるだろう。
しかし、その背後に迫るものは……明らかに、そんな平和な光景とは程遠いものだった。
「■■■■■!!」
(待てこのちょこまかと!!)
「「「ガガッ、ギガガ!!」」」
地響きを響かせながら後を追うのは、体高10mにさらに分厚い装甲が上乗せされた怪獣『イヴ』。
そして、その燃料タンクであり手足とも言える分身『黒いもの達』が五十体近く。
ハッキリ言って、捕まれば潰されて裂かれて食べられても何もおかしくない状況でありながら、『静』は必死さを感じさせない調子で笑う。
「あはは、なかなか頑張ってるわね、怪獣ちゃん。そんなあなたにプレゼント!」
笑いながら、通りがかった店に燃える手の平を向ける。そして……
「あは、『ファイアーボール』!」
右の手の平から発射されたテニスボール大の火の玉が店の奥へ吸い込まれるように飛び込んでいく。
そして、数秒の時間差の後、『イヴ』と『黒いもの達』が丁度店先を横切るタイミングで……店全体が、まるで風船が突然割れるかのように爆発し、その破片と爆炎、そして商品として並んでいたもの……尋常ではない数の『武器』が襲いかかった。
「■!!」
「ガ!」「グガッ!」「ギッ!?」
爆発に巻き込まれ、『イヴ』の装甲には蝋のコーティングを貫通して深々と突き刺さる熱された剣や槍が大量に傷を刻んでいた。そして、『黒いもの達』の中には受け方が悪く建物の柱や壁の尖った破片が致命傷となっているものもいる。
それを振り返りながら、『静』は笑う。
「あはは、『混ぜるな危険』簡易着火薪式でーす! 建物の材料に使われてる木材を火薬したわ! ど派手で面白くない?」
爆発でまたも距離を離されてしまった『静』を、遠くから苦い想いで見る『イヴ』。しかし、ここで諦めるわけにもいかず、また再び追い始める。
自分が誘導されていることを悟りながらもそれに乗るしかない。その歯がゆさが、『イヴ』をより前へ前へと引っ張っていた。
『丙静』の『有機物を火薬に変える能力』。そのための手段として用いる特製薬品『混ぜるな危険』は、簡単に言えば『触媒』だ。有機物……たとえば、蝋や小麦粉、土などに混ぜる、溶かす、染み込ませるなどして発火点や熱伝導を操作して、燃焼の速度を自在に制御する……それはつまり、本来よりも少ない熱量での活性化を促すということ。
わかりやすい例を上げれば、黒鉛は硫黄と硝石との混合によって黒色火薬となり、黒鉛では短時間で行えない激しい燃焼反応を可能にする。また、グリセリンは硫酸と硝酸との混合でニトログリセリンとなり、桁外れな威力の爆発を可能にする。
日常に溢れる食べ物も、建物を形作る木材や塗料も、農薬も、有機物を含んだ土も……生物すらも、適切な反応を起こさせれば危険な火薬に変えられる。
だからこそ、『放火魔』としての『丙静』は恐ろしいのだ。
そして、その最も恐ろしい部分は他でもない……全てを燃やし尽くすことを全く躊躇せず、何千年とかけて育った森林だろうと、数百年の歴史を持つ遺産だろうと、何万人という人々の心の拠り所となっている都市だろうと、簡単に燃料に変えてしまう。
だからこそ……恐ろしいのだ。
個人で爆撃機の空襲並みの破壊をいとも気安く成し遂げてしまうからこそ、敵対しようとする者も、止めようとする者もほとんどなく、彼女の『放火』はこう暗喩されるようになった……人の手に余る不幸な『災害』と。
(この私が……『イヴ』が、破壊力で負けて、押されてる。基本的な攻撃がトラップみたいだけど、持久戦に持ち込まれたら勝てない! 分身達じゃいくら束になってもまとめて吹き飛ばされる)
『イヴ』は巨大さの代償として何もしなくても通常のプレイヤーの数百倍の体力(EP)を消耗する。その補給のため、分身達を連れ歩き、吸収することでEPを回復しているのだ。
しかし、分身達はEPを補給するために何かを食べなければならない。
周りに燃えるものがない焼け野原に籠城すれば、当然EPの補給もままならなくなる。
(何としてでも接近して捕まえる! 大きな爆発が使えないほど密着すれば私の勝ちだ!)
『静』が店の角を左に曲がる。
そのまま直進していれば街の外のフィールドに出てしまっていたので、どこかで曲がることはわかっていた。
そして、そのタイミングを狙っていた。
「■■■!!」
(ここだ!!)
左側の商店を左肘で破壊して斜めにショートカット。『イヴ』の巨大なら、無理に小回りを利かせるよりこちらの方が速い。
純粋なスピードでも、やはり『イヴ』が上だ。
これならば……
「はい残念、『バックドラフト家爆弾』。その辺りの建物は爆弾になってました」
予想外の現象。
壊した建物の中に、壊した部分から強烈に風が吹き込んでいく。
そして……
「くすぶる火種は、爆発的に蘇る」
建物に突っ込んだ巨腕ごと……むしろ、巨腕自体を中心にした大爆発。
しかも、またも蝋の装甲自体が燃え上がり……消えない。
「□!?」
(またこれ!!)
『イヴ』が慌てて燃えた部分を切り離していると、遠くから声が聞こえてくる。
「誰でも作れる『バックドラフト家爆弾』。作り方は燃えにくくて保温性の高い丈夫な密室と豊富な燃料を用意して、中でガンガン火を燃やして温度が程よく上がったところで密封しましょう。すると、途端に酸欠になった火は豊富な燃料を前に立ち往生。後は誰かが封を解くだけで密室が強力な爆弾に早変わりしまーす。より派手な爆発をご所望の場合は、アツアツのうちにご開封くださーい」
そう言いながら、まるで家庭料理の紹介でもするかのようなテンションで『イヴ』に話しかける『静』がいるのは、商店街を南北に突き抜ける大通りの先……四ブロックほど離れた先にの開けた場所にある、扉の開け放たれた丈夫な作りの倉庫のような建物の中。
『複眼』で『暗視スキル』を使い目を凝らすとその内部には、ジオラマ風の模型……おそらく商店街の模型が、床いっぱいを使って広がっていた。
そして、その中の『本部』は倒壊し、一部の建物が炎上している。
『イヴ』を通して遠方を凝視するナビキは、その中央にいる『静』の手の炎の明かりで口の動きを読み取る。
「うんうん。このアングルが丁度いいわね。ゲームセンターで防衛シュミレーションゲームやってるみたい」
そして、『静』がジオラマの一つ……丁度、『イヴ』の真横の建物に指で火をつける。
すると……
「『シミュレーションボム』!」
「□□!?」
数秒の後、火をつけられた模型と同じ建物が爆発した。
爆発をもろに受けながら、『イヴ』は理解する。
(あの模型はこの街とリンクしてる……たぶん模型の中に導火線か何かが通ってて、あれで商店街の建物の着火をコントロールできるんだ)
おそらく、既に燃えている建物は先の逃走中に本物を着火した火が逆に模型まで導火線を遡った結果だ。バックドラフトのような仕掛けを考えると、ただ壊しただけでも火が逆流して模型は燃え上がる。商店街全域の使用可能な仕掛けや壊れた建物を一目で把握できるようになっているのだろう。
まさしく、本人が言うように……あのジオラマは、この商店街を操作するゲーム盤なのだ。
『静』にとっては、自ら危険を冒して火をつけてまわらなくていい最高のポイント。むしろ、ここまで走り回っていたのは、あのジオラマにたどり着くための移動に過ぎなかった。あそこからならば、一方的に自由な攻撃を仕掛けることが出来る。
しかし、逆に言えば……あそこまで、全ての攻撃を受けきって辿り着けばナビキの勝ち。
「■■■■■■■■■■!!!!」
分身達を十数体一気に巨大な口に含み、他の分身達を自分の近くから離れて散開させる。
そして、目一杯に息を吸い、全力で咆哮。それを大量の『口』で息継ぎしながら持続する。
全方位に強力な衝撃波を放つ、歌唱スキルのオリジナル曲『ナビキオリジナル 王の咆哮』を≪ガラスの靴≫で大量に増やした口で合唱する『イヴ』の咆哮。小回りの利きにくい巨体の弱点を埋めるため、至近距離の相手に強力なダメージを与えると共に衝撃波で引き剥がす力業。
EP消費が激しいため常時発動とはいかないが、継続的に衝撃波を纏っていれば強力な爆発からも身を守ることができる。
『イヴ』は咆哮を上げたまま、前進を始める。
1ブロック目。
『静』は『イヴ』の両脇の店数軒を爆破し、散弾のように瓦礫を飛ばす。
しかし、爆風も瓦礫も衝撃波で押しとどめられる。
「へえ……なかなかやるじゃない。じゃあ、これはどうかな?」
2ブロック目。
『イヴ』の足下の地面に点火。
すると、周囲一帯の建物をまとめて巻き込むような威力の地雷が……おそらく戦いの序盤で『静』が使った土爆弾の大質量版のようなものが爆発し、連鎖して爆発した建物からの爆風と高熱も相まって、衝撃波の壁を越えてかなりのダメージを受けた『イヴ』は、強奪スキルでストックしていた『波渦虫』の『超再生』の能力を使いHPとアバターのダメージを一気に回復する。この能力は以前『OCC』との戦いでも使ったことがあるが、EP消費が激しいのと使うごとに回復力が落ちるという強力な回復技だからこそ設定されたデメリットのために使用を控えていた。しかし、今は受けたダメージで足を止める方がデメッリトより危険だと判断し、回復しながら強引に足を前へ進める。
(この規模の攻撃が来るのは多分……残り二回)
3ブロック目。
大通りを進む『イヴ』を挟む両ブロックの建物……工房と商店を一つにしたような長屋に近い建物を、火炎放射器のように手から噴射した火で遠い方の端から同時に点火していく。
そして、ジオラマへの放火は実際の建物にも反映され……
「爆風は後からの爆風に後押しされて、指向性を持った圧力を持つ……『不完全爆縮式気圧砲』ってやつかしらね」
「□!!」
計算されつくしたタイミングで長屋の中を駆け抜け、加速、圧縮された爆風が両側から衝撃波を一点集中で貫通し、『イヴ』の装甲に尋常ならざる熱量を浴びせかける。
しかし、それでも『イヴ』はさらに前へ進む。
(あと、もう少し……)
4ブロック目。
『静』は『イヴ』の至近だけでなく、遠く離れた建物まで含め、何十という建物に一気に火を放つ。
すると、それが導火線を伝わり……何かが風を切るような音が、大量に『イヴ』に迫る。
「日本人なら、『神風アタック』の恐ろしさは知ってるわよね?」
『イヴ』は音のする全方位に開いた目でその正体を把握し目を剥く。
それは……人一人が乗り込めそうな、飛行機のような形をした物体。予め決められた目的地……現在の『イヴ』のいる座標に向かって飛ぶように計算されて、火薬の推進力によって真っ直ぐ発射された十数機のそれらが、空力的に計算された翼で速度と揚力を保ちつつ、その突撃用に作られた鋭利で頑丈な先端を凄まじい速度で突き立ててくる。
大気を切り裂くことを前提に作られたその物体は衝撃波を貫通し、その質量で装甲を貫通して≪化けの皮≫までも引き裂く。
しかし『イヴ』は、空飛ぶ槍に全身を刺されながらも、前進する。
そして……
(私の勝ちだ! 取り囲め!!)
「ガガッ!!」
「ギギイ!!」
「ギギギッ!!」
散開させ、遠回りに移動させながら密かに倉庫の周りに集めていた分身達に意志を飛ばし、倉庫の全方位から取り囲ませる。地上からも、翼を使って空からも。
逃げ場を奪い、仕掛けが尽きたところを『イヴ』の圧倒的な突進力で一撃のもとに蹴散らすのだ。
仮に倉庫の扉を閉めて引きこもられようと『イヴ』の攻撃力の前で耐えられる時間などたかが知れているし、地下道があろうと出口が近ければ分身達で、遠ければ地下道に咆哮を直接吹き込めば仕留められる。
いくら倉庫が丈夫に作られていようと、地下に逃げ道を確保していようと、ここまで接近してしまえば質量と数の力でもうどうにでも……
「ほーんと、若いっていいわね。そうやって、真正面ばっかり見て進めちゃって。でも、おばさんはちょっと歳だから、もう一捻りしたくなっちゃうのよ」
そう言った、倉庫の扉がゆっくりと閉じて行く。
そして、『静』の言葉に少々意味深な物を感じた『イヴ』は、倉庫に攻撃する前に違和感に気付く。
ジオラマの中で、旋風が炎を吸い上げている?
(いや……ジオラマの中だけじゃない!)
それは……風。
それも、とても暑く、熱く……これまでの爆炎に熱された空気そのものがさらに過熱されたような熱風が、渦を巻いている。あまりの熱さに喉が焼け、咆哮も出せない。
その風は装甲に守られている上、巨大な質量のせいで多少の強風程度は何とも感じないはずの『イヴ』でも、気付けば無視できないような、普通ではありえない強さの風。
そう、まるで……
(う……うそ……炎の、竜巻?)
『イヴ』の背後に、その丈の何倍もの大きさの炎の竜巻が迫っていた。
「『火災旋風』……同時多発的に起こった火災が合流して、周りから足りなくなった空気を吸い上げて発生する、火災に伴う自然災害よ。広い場所に起こりやすいんだけど、今回のは爆風とかで成長促進してるし、気体式『混ぜるな危険』を燃やした建物から舞い上がらせて風で混ぜて煙と調合してるから自然発生ではなかなか見られない規模になってるわよ。どうぞ間近で存分に観察してみたら?」
倉庫の扉は閉ざされ……周囲は、まさしく風と炎の織り成す『災害』に蹂躙された。
数分の後。
周囲の建物に仕掛けられていた『燃料』を消費しきるまで商店街を蹂躙し続けた『火炎旋風』は、自然災害にふさわしい『自然消滅』という形で収まった。
そして、もはや周囲一帯黒焦げどころか表面が灰で白く染まるほど焼けた商店街の焼け跡で、『防火対策』の万全になされた倉庫から悠然と歩いて出て来た『静』は、目の前の『イヴ』を見て、火の消えた腕を組む。
「あっちの街まで燃やしていいならもっと派手になるんだけど……ま、私の役目は装甲削りまでだし、こんなもんでいいかなー」
目の前にいるのは、自身の力で地面を砕き、蝋の装甲を生み出す『ムシ型』の『貝殻虫』の能力と周囲の物体を糸で引き寄せる『蓑虫』の能力を使って、地面を固めた装甲での『穴籠り』を試み……しかし、それでも耐えられず焼けすぎて煉瓦のようになった装甲と焼け死んだ『ムシ型』を脱ぎ捨て、重度の火傷を負ったような色となった≪化けの皮≫を纏いながら自己再生でなんとか立てるようになろうとしている『イヴ』。
再生が進んで皮膚と一体化した≪化けの皮≫も同時に修復が始まっているらしいが、元の肌色になって来ても穴や破れが目立ち完全修復には程遠い。
「■■■……」
(うぐぐ……装甲削りどころか、瀕死近くまで追い込まれて回復能力を何度も使わされるなんて……しかも、分身はほとんど残ってない。しばらくはまともに動けない……)
呻きながら『イヴ』は考える。
『装甲削り』……そのための『丙静』の過剰攻撃。
熱に弱い蝋を燃やし、爆炎で炙り、穴をあけ、焼き尽くした。そして、『イヴ』は攻撃から身を護ろうと衝撃波を放ち続けたが……目的が『装甲』そのものなら、衝撃波での防御はむしろ『静』の計算通りの行動だった。衝撃波の術者は『イヴ』であり、『イヴ』自身はダメージを負わない……しかし、それを至近で受け続ける装甲役の『ムシ型』はそれをもろに受け続けることとなる。
そして、EPの補給さえあればいくらでも増殖し代わりの用意できると考えていた装甲はそんな余裕もない大火力攻撃の前に挟み撃ちの状態になり……全滅した。
(これが……デスゲーム経験者……)
たった一人で町一つ規模を潰し、『イヴ』を圧倒するような人物がいるなど想像すらしていなかった。
『井の中の蛙』……その言葉が、甦ってくる。
そして、それと同時に自分では良くわからない不可解な感情も……
「さてと、じゃあ私はお役御免らしいし、そろそろ次の子にバトンタッチしてあげましょうかね。スタンバってる子はまだまだ、たくさんいることだし」
「□□!?」
『丙静』だけでも、想像を絶する力を持っていた。
しかし……『まだまだ、たくさんいる』?
『イヴ』は……ナビキは、思い出した。
自分が本当に相手にしている存在が、『ライト』が、『哲学的ゾンビ』が……どういう性質を持つ『人外』だったかということを。
「メイクアップ『透明人間』、哿不可『鎚鋸勇真』」
『ただ人に化けるのが誰よりも上手いだけの人外』が、その牙を剥く。
同刻。
『時計の街』の中央部『時計台広場』にて。
巨大な『黒』が姿を見せる。
これまでの『黒いもの達』と呼ばれていたものとは明らかに一線を画す、全く異なる姿の異形が姿を現す。
その『頭脳』の位置に収まるプレイヤー……ドクターは、不敵に笑う。
「さあ、最強者は誰か? 決めようじゃないか」
もう一つの戦端で、波乱の火蓋が切って落とされる。




