154頁:怪しい薬には気をつけましょう
6月24日。
エリザ達との『話し合い』が終わり、スカイと二人きりになった『大空商社』で、重々しく言った。
「スカイ……借りたいものがある」
それを聞いたスカイは、呆れた顔で……
「また? そろそろ負債なくなるかと思ったら、またなの? この商店街の復興も重なって懐が厳しいときに?」
と、問いかけた。
呆れながらもわかっていたという反応。だてに一年もつき合ってない。
スカイは準備良く、算盤と帳簿を取り出す。帳簿にはキッチリと『借金明細:ライト専用』と書かれてある。ライトがいつも無茶な注文をするので、普段の明細書とは別にしてあるのだ。
そして、その表紙の裏には細かいリストがメモされている。
「最高級レア武器、新種の猛毒、鋼鉄の馬車、大量の食料、非公開ダンジョンマップ、情報操作……ライトがせがんできそうな物は大体値段も入手経路も決めてあるわ。今更何を頼まれたって驚かないわよ。なんなら、私を絶句させられたら今回も無利子にしてあげましょうか?」
スカイは自信満々に胸を張る。
いつもいつも驚かされてばかりのライトの要求に、今回は余裕で応えて見せようという商人としての意地のようなものだった。
「そうか、じゃあ……」
絶句した。
しかし、ライトの口から出た『借りたいもの』は、スカイの想像を遥かに超えていた。
「ちょ……それ、本気で言ってるの?」
「ああ、至って本気だ。ついでに言うと、そのまま返せる見込みもない。だが……どうしても使わせてほしいんだ」
ライトはスカイの目を見つめて、力強く言った。
「勝手に一人前の人外を気取ってるナビキに、本物の『人間』の力を見せつけてやりたいんだ」
《現在 DBO》
6月25日。朝。
「……で、なんでまた私は厄介ごとに巻き込まれてるんでしょうか」
首を傾げながら皮肉を込めて質問するのは、ギルド『アマゾネス』のサブマスター椿。
ここは『アマゾネス』のギルドホームの、彼女が持つ『秘密の部屋』……独自の研究室の一つだ。彼女はここで一人、日夜他者を魅了して操るための『香り』を研究しているのだ。
だが、今は『一人』ではない。
厄介な物を持って押し掛けてきた侵入者がいるのだ。
「まあぶっちゃけ『オレ』こと……ライト(女装)なんだが……花火さんとの間を仲裁したのが誰か、忘れたとは言わせないぞ」
「それがあなたじゃないことだけはハッキリ憶えてます! ていうか、気まずくなったのも元を辿ればあなたに巻き込まれたからです!」
「そのおかげで花火さんと前以上の仲になったんだろ? 雨降って地固まるってやつで」
「恩着せがましいですね!? 私の周りに、あなたほど失礼な人は他にいませんよ!」
「だからこそだよ。椿は一人くらい失礼な奴がいないとつけあがりそうだし……そして、最終的に慢心してヒドい目に遭いそうだからな。こういう時にちょっと巻き込まれて経験増やしておくのも大事だぞ。」
「……最終的に『私のため』って理屈で手伝わせるつもりですか?」
「……まあ、それ自体は間違いじゃないが、嘘じゃないよ。『アマゾネス』にだって無関係じゃないはずだ。おまえの張り巡らせた『根』に、厄介な『カビ』が生えてるかもしれないんだ」
「……本当に厄介な人ですね。人の弱みにつけ込んで」
椿は香りで印象を操作する。
そして、さり気ない振る舞いを混ぜ、相手の心に自分の存在を刻み込み、思い通りに操る。
その印象の『根』を内外に張り巡らせて作ったのがギルド『アマゾネス』。女性だけのギルドというハンデを乗り越えてゲーム内屈指の大ギルドに数えられるまでに育て上げたのは紛れもなく椿のその『能力』あってこそだ。
だからこそ、椿はギルドが傷付くのを、そして乱されるのを嫌う。ギルドを引き合いに出されれば、無視はできない。
「……いつか、絶対ギャフンと言わせてあげますよ」
「楽しみにしてるよ。だが、今はとりあえず協力してほしい。これは多分、椿が一番得意な分野だろうからな……もしかしたら、マリーより」
ライトは、抱えるほどのサイズの木箱を机の上に置く。
その中に入っているのは……
「これは……タバコ、スパイス、ティーパック、着火補助の燃料、アロマキャンドル、ランタンの交換用油……それに家庭料理用のパウダーミックス類やお菓子類……なんですかこれ?」
そこにあるのは、一見なんの変哲もないアイテム類。
嗜好品や日用品や食料品、どれもこれも一般のプレイヤーに出回っているありふれたアイテムで統一性がない。強いて共通点を挙げるなら……ほとんどが消耗品であるということくらいだろうか。
「これらは、ちょっとマリーに頼んで調べてもらった中で、妙に人気があって出所が『怪しい』ものだ。今、マリーとスカイには回収を頼んでる」
「……? 別にこの程度のものくらい手作りで作れる人もたくさんいるでしょうし、そんな大事にする必要ないと思いますよ? それより今は、もっと大変なことが……」
「……椿、タバコは吸うか?」
椿はライトの唐突な質問に眉をひそめる。
「なんですかいきなり? 吸いませんよこんな害悪。煙で鼻がおかしくなりますし、匂いが体につくのは嫌です」
「……じゃあ、アロマキャンドルは使うか?」
「それはまあ……たまに部屋の空気の調節のために『使う』ことだってありますし、自分で調合して作ることもありますけど……」
「そうか……じゃあ、ちょっとこれを嗅いでみてくれ」
ライトは箱の中から取り出したアロマキャンドルを手に乗せ、火をつける。
そして、その香りを嗅がせるように椿の方へ手で煙を煽ぐと……
「……!? ちょっと待ってください! なんか変ですよその煙!!」
「一発で気づくとは凄いな……こっちは、メモリの最高レベルの『ソムリエスキル』で配合逆算させてようやく確信が持てたくらいだってのに。やっぱり鼻の良さはマリー以上か」
ライトがそういうそばで、椿は急いでキャンドルの火を消し、小窓から部屋の外に顔を出して深呼吸している。
まるで、吸った煙をすぐさま吐き出そうとするかのように。
そして、少しして落ち着くと……ライトをやや睨みぎみで言う。
「なんてもの嗅がせるんですか……この香りは、人を惹きつけるような要素がありません。人の嗅覚を通じて脳を強く刺激するような特別な香りではない……ただの、NPCショップで売ってるのと同じような安っぽいアロマの匂いです……でも、なんですかこの微妙な『多幸感』は? 嗅覚の刺激のせいじゃなくて、吸った成分そのものが匂いとは関係なく脳に快楽を感じさせているような違和感……これはまるで……」
椿の一嗅ぎしただけなのに詳細すぎるほどの解析力にライトは苦笑する。
さすが、魔性の香りで人を魅了し思いのままに操る『古椿』……『妖怪』に近い能力を持つ少女。
だからこそ……任せられる。
目には目を、歯には歯を、鼻には鼻を……魅了には魅了をだ。
「ああそうだよ。おそらくこれが、犯罪組織『蜘蛛の巣』が急に戦力拡大した種、椿も巻き込まれたパニックが異常に速く伝播した理由、あの時花火さんを後ろから襲った連合の兵士みたいに洗脳みたいにこっちから何人も裏切らせてスパイさせてた方法、そして……あいつらの『切り札』が『イヴ』なら『伏せ札』としてずっと裏で使い続けていた『秘密兵器』だ」
ライトは、忌々しそうに言った。
「脳への認識信号との相互作用で脳内麻薬を過剰分泌させて快楽を与え、依存性と幻覚作用で人の心をダメにする……『仮想麻薬(VRドラック)』だよ。椿、これをどうにかしないと……下手すれば、数千単位のプレイヤーが手遅れになる」
歴史上には『アヘン戦争』と呼ばれた戦争がある。
1840年から1842年。
勝者はイギリス、敗者は当時の『清』と呼ばれていた中国。
その勝敗の決定打は……イギリスが麻薬である『アヘン』を清に輸出し、清の内部から民の心を荒廃させたことにある。
人類の歴史において、『麻薬』とは時に穀物や時の為政者より大きな影響力を持つのだ。
非合法薬物のやり取りは裏社会の経済の動きの多くを占めるし、その薬効は人の人生を容易く狂わせ、時に命すら奪う。
だが、根絶されたことはない。
それは、『麻薬』はそれそのものが依存症や中毒を誘発し、自身の需要を生み出す力を持っているからだ。
本人の意志をねじ曲げて、それを『欲しい』と感じさせる。それは、国さえも傾かせる魔性の力だ。
その力を独占し使いこなせば、人々を支配することすら不可能ではない。
実の所、仮想世界の麻薬『仮想麻薬(VRドラッグ)』の存在はVRMMO開発時から世間でも認識されていた。
現実の麻薬を作るのと同じ材料で、現実と同じ工程を経れば、似たような感覚のものは案外簡単に作れる。しかし、それは信号を調節して依存作用を低くし、危険性を減らした感覚。そちらに関しては、人間性を損なうような事態はまず起きない。
問題は、何らかの拍子に作られてしまう『新種』の薬物の場合。認識する際の信号が調合の結果現実での薬物服用と同じような効果を与えてしまうようなものが作られると、既知の薬物と違い安全策がとられていないので危険なのだ。
もちろん、新種の薬物などそう簡単に作れるものではない。偶発的に調合される可能性はあるが、普通の人間には……たとえ薬剤師だろうと難しい。というより、簡単に作れる程度のものなら既に対策が当てられているはずだ。
だがしかし、そのような専門知識や調合のマニュアルに全く関係なく、感覚で新しい薬物を作ってしまえる人物がいた。
天性の毒薬使い……咲。
一月の末から二月の初めにかけて犯罪組織『蜘蛛の巣』に協力していた無垢な殺人鬼の卵。
その天性の才を悪用され、さらにはボスモンスターを利用して殺されそうになったところをジャックに救出された。
これはライトの憶測だが、仮想麻薬の開発自体は咲を利用する前から行われていたのだろう。仮に製作に成功すれば、それは売買で資金を得るにも良し、人を集めるにも良しの犯罪組織にとってはかなり便利な武器になる。しかし、なかなか効果的なものが出来ず……そこで、咲を利用した。
エリザとの話し合いの後、ライトとマリー二人の間であることが議題に上がった。
それは、『イヴ』としてのナビキの操作限界。
理屈上ではどれだけでも分裂できるとしても、根本的にはナビキ一人で操作している以上、限界はあるはず……しかし、ナビキは『イヴ』を動かしながら最低でも百体分の『黒いもの達』を操作していた。本来は三つの身体でも情報処理に追われ、反応速度が幾分か落ちたほどの困難な操作だったが……はっきり言って、練習や慣れで説明するには無理がある。
そこで可能性として考えられたのが『ドーピング』による集中力の強化。そこから、今回の仮想麻薬に思い当たったのだ。
『頭をはっきりさせるお薬を作れますか?』
マリーが尋ねると、咲はあっさりと答えた。
『作れるよ。前も作ったことあるから』
それに、他にも心当たりはあった。
元攻略最前線の一人のカガリの裏切りが発覚した三月、煙管に香をふかせている姿をライトとマリーは確認し、その精神の異常を認めている。そして、カガリが元々大人しく、とても犯罪者として暴れ回るタイプではなかったことも承知している。
それこそ……中毒者のような狂いっぷりだった。
おそらく、ナビキの支離滅裂さもそれと似た症状だ。薬で平常な思考力を奪えば、それに乗じて操りやすくもなる。ナビキは人格を一部分裂させて表面上は正常を装っていたが、その裏では都合のいい話を信じ込まされていたのだろう。
妄執症……パラノイアに近い状態だった。
そして、ナビキの拠点から薬物らしきものを探し……おそろしい現実を目の当たりにすることになった。
マリーとメモリ、それにギルドの解析プレイヤーがナビキの所有していたアイテムを徹底的に調べたところ……ナビキが良く使っていたのど飴、アロマキャンドル、プレイヤーメイドのポーションなどからすぐそれとわかる濃度の薬物らしきものが見つかり……さらに、一般にも出回っているごく普通のはずのアイテムからも、低濃度だがそれが検知されたのだ。
燃料や香など、煙を吸入しそうなもの。
食べ物など、直接摂取する可能性があるもの。
さらに調べると、プレイヤーショップに出回っているような業務用の小麦粉にすら粉末が混入していた。
それがどんな意味を持つか……想像するだに恐ろしい。
プレイヤー全体が、薬物で汚染されようとしていたのだ。
「おそらく、『時計の街』に『攻略連合』が大量に常駐してたあたりの時に大量に出回ったんだろうな。知らないプレイヤーが大量に流入するタイミングでは物の流れも人の流れも不明瞭になりやすい。知らない奴からでも物を売り買いする機会が増えるし、押収品をくすねた兵士とかにも広がっていく。」
最初の『イヴ』の襲撃もその伏線。復興物資の流入に紛れ込ませれば、簡単に不審物を送りつけられる。平時には大量に出元のわからないアイテムなど送りつけても警戒され、調べられるだろうが混乱し、さらに大量の人や物が入り込むタイミングを作り出せばその隙も生まれる。
「薬物は服用していくと慣れていって、段々と効きにくくなる。今まで通りの量じゃ足りなくなるんだ。そしてさらに多くの量を求め、さらに効きにくくなっていくって悪循環が発生する……今はまだプレイヤーの間に薬物を摂ってるって自覚がないし、劇的な変化がわかるほどの量は摂取してないから全員が中毒者ってわけじゃないが……服用が続けば、薬物が混入してるものを食べたり嗅いだりするだけじゃ満たされないやつが溢れるだろうな。いや、もう段々と現れているかもしれない。」
当然ながら、薬を安定して供給できるのはその原因である『蜘蛛の巣』しかない。
巣に絡め取られるように深みにはまる。
「そして、奴らは薬の提供を条件に仲間に引き入れる。真面目な優等生だったカガリが悪堕ちしたのもそういうカラクリがあったんだろう。いや、カガリ以外にもこの三か月前後の間に急激に奴らが勢力拡大したのも、薬の安定した製造法を確立したからだろうな」
そう語るライトの目の前でタバコを分解して中身を出して調べている椿は顔をしかめる。
「全く……こんなもので人の心を惑わせるなんて、とんだ外道な人達もいたものです」
「おいそれ、端から見たら椿の能力も大概だからな?」
「一緒にしないでください! 私のはこんな人間性を汚すようなものじゃありません!」
「……ま、確かにな。椿の場合は、計算ずくとはいえ惚れさせて相手の意志を味方に付ける……誰でもやるようなことだ。その精度が高いだけで、イカサマでも反則じゃない。こういうのはあれだが、かなり健全な能力だよ……だが、薬は端的に言ってただ小さなの代償に『欲しがる』ようにするだけだ。『集中力が上がる』とかの触れ込みで騙して使わせて、それがないと落ち着かないような状態にさせて、その供給源を押さえることで従わせる。弱みを握ってるのと同じだ……とてもじゃないが、許せないよな」
「当然です! 私が普通の香りだけでどれだけ研究しているか……」
「んじゃ、その意気で解析を引き続き頼むよ。中毒への特効薬……は無理かもしれないが、詳しい効用とか材料とかわかったら教えてくれ。オレはちょっと別件で出かける」
ライトは部屋の扉に手をかける。
「はい……って、え? 仕事押し付けてどこいくつもりですか?」
「『最終決戦』に備えていろいろ準備があるんだよ。わかったことがあったら後からくるホタルにでも伝えておいてくれ。出来ればメールじゃなくて直接で」
「ちょっと、勝手に……」
「椿……勝手ついでに一つ質問していいか?」
唐突にライトは振り返り、椿に目を向ける。
椿はその少々真剣そうに見える表情を見て……問い返す。
「……なんですか?」
「椿はさ……『尊敬する人』とかいるか? 『その人がいなかったら今の自分はいない』……そんな感じの人」
椿はやや逡巡した後、はっきりと答えた。
「……花火さんですね。私の場合」
それを聞き、ライトは……いつになく、優しく笑った。
「良かったな、手遅れになる前に変わることができて」
椿にはその言葉は、心からのものに聞こえた。
だが、その笑顔は、どことなく嘘のように見えた。
同刻。
「……ったく、勝手に暴走しやがって。てめえのせいで計画がまた前倒しになっただろうが」
『蜘蛛の巣』のアジトの一つとなっているダンジョンの安全エリアにシャークの声が反響する。
その叱責を受けるのは……
「……ごめんなさい」
先日暴走し、回収されてからしばらく経ってようやく落ち着いたナビキ。『イヴ』の巨体ではなく、人間体に戻っているがそれにもまして小さく見える。組織内では、一応シャークの部下の実働部隊の一人ということになっているのだ。
「本当は計画全体もっと後のはずだったんだぜ? もっと『ハーブ』が浸透して、あっちが自壊しそうになってから仕掛けるはずだったんだ。前にも話したよな? なんで勝手にバンバン変身すんだよ? しかも正体バレやがって……対抗策を取られない内に次の作戦用意しなきゃいけなくなる奴の苦労考えやがれ!」
「……対抗策なんて取れませんよ」
ナビキが、ボソボソと小さな声で言った。
「あ……はあ? なんだって?」
今度は、重く……凄みのある声で言う。
「私に……『イヴ』に、『対抗』なんてできませんよ」
ナビキは口に高濃度の『ハーブ』が入った飴玉を放り込み、さらにモンスターを大量にポップさせるアイテム《ポップストーン》をバラまく。
そして、ナビキの背から、網のように……あるいは『蜘蛛の巣』のように『腕』が広がる。
分裂、吸収、そして変形を一瞬の内にこなし、無数の腕を安全エリアの外まで広げる。
そして、ナビキ自身は人の姿を保ったまま……『そのまま』の姿で、安全エリアの外に湧き出るモンスターを『腕』に触れた側から大量に枝分かれさせた『腕』で押しつぶし、そこに作った『口』で食らっていく。
まるで、その空間が彼女の胃袋にでもなってしまったかのように、圧倒的な物量で湧き続けるモンスターを取り込み、さらにその支配領域を広げていく。
シャークはその迫力に思わず後ずさる。
何より恐ろしいのは、ナビキが『人間体』のままでそれをやって見せたこと。
まるで、今まで『変身』で線引きをして『イヴ』から切り離していたはずの人間としての原型を捨てたかのような、人間であることをやめたかのようなその様相に、背筋が凍る。
シャークは、ナビキが自分より強いことは知っていた。
どうやっても、一対一で勝てる相手ではないと知っていた。
だが、それでも策を弄すれば勝てない相手ではないと思っていた。戦力を整え、罠を揃え、試行錯誤すれば倒せる相手だと考えていた。
しかし、これは……
「私は実験体。私は人外。私は人を超えた存在。『無限』の物量を持つ『私』に……弱小な人間が何千挑んで来ようと……全部、潰しちゃいますから」




